これでしょうか?
(注:最初に言っておきます。この回答は、私が今までクオラで書いたどの回答よりも長い代物です。ほぼ画像ですが、その旨ご了承の上でお読みください。内容には徹底的なまでのネタバレが含まれています。)
超ネタばれになりますが、このお話はゲーム世界に転生してしまった町人A(アレン、イラストの人物右端)が、ゲームのラスボスである悪役令嬢アナスタシア(イラスト中央)をラスボスになる運命から救い出すと言うお話です。
一番左側のピンク色の髪の毛の女の子が、本来のヒロインのエイミーです。
さて、ネタバレの毒を食らわば皿までです。このヒロインのエイミーですが、これも転生者です。
しかも、逆ハーレムルートを目指しており、その為に邪魔になるアナスタシアを徹底排除しようと暗躍します。
この異世界ですが、主人公がプレイしていたゲームの設定にいろいろと引き摺られている世界です。
このままでは、アナスタシアが婚約している王太子カールハインツとエイミーの痴情でもつれた挙句に近隣諸国との戦争が始まる事を転生したアレンは悟ります。
エイミーに決闘を申し込んだアナスタシアに対して、一方的に婚約を破棄した王太子が代理人として立ちはだかり、王太子を攻撃できなかったアナスタシアを好き放題にいたぶった挙句に勝利するのがゲームの筋書きです。
ゲームの中でのエイミーの要求は「私達に近付かないで」と言う無体なもの(だって、婚約中の王太子と大貴族の令嬢に対して横恋慕真っ最中の王太子と自分に近付くなって?ありえませんよ)だった為、アナスタシアは学園を追放され、婚約も破棄、その上に修道院入りを命令されてしまいます。
そして、その修道院入りの為の護送の最中に、大勢の護衛とは名ばかりの暴漢達によって集団レイプ。その後に魔術で精神を破壊された挙句にボスキャラに仕立て上げられます。
このコミックの主人公アレンが指摘するとおり、このアナスタシアはまともで責任感が強く、見事なまでに立派な女性です。
このアレンが自分が転生者だと知ったのは8歳の頃で、それに気が付いてすぐに彼は冒険者ギルドで「どぶさらい」を請け負う様になります。
これがサブタイトルの「どぶと空と氷の姫君」の「どぶ」の始まりです。
なかなか感心な子供だと、荒くれ者達(実は見かけよりずっとまともな人達ですがw)はアレンに好印象を抱きます。
ゲーム知識によって、どぶ掃除の付随依頼である下水道掃除の際に「隠密」のスキルを得て、ゴブリンの棲む遺跡で「鑑定」を手に入れた主人公は、将来の為に貯蓄し、セドリを繰り返して資金を貯めた後に怪しい店で、使い方次第では超強力かつ万能の「錬金」スキルもゲットします。
自分の故郷である王都は将来陥落する運命です。その際に多数の住民が死んでしまいます。
その中には自分と、自分を女手ひとつで育ててくれている、この世界での母親も含まれているかも知れない。
だから、その運命に抗う為に、彼は努力に努力を重ねます。まだ8歳からたゆまずに全力で・・・。
遂に11歳で中等教育課程を修了。高等教育課程が始まるまでの4年程を冒険者として暮らす事にします。
途中、「飛竜の谷」と呼ばれる、ワイバーンが群生する山岳地帯に忍び込み、そこで「風の神」から、ワイバーンロード2頭を番にして欲しいとの依頼を受け、その結果ワイバーンの討伐素材と、風の魔法への大きな適性を得る「風神の加護」を得るに至ります。
そして、サブタイトルの2番目「空」に至るための、風魔法で推進するグライダーを錬金作成する事に挑みます。
二人はすれ違い、互いに通り過ぎる。正しく邂逅するその時まで・・・・。
定番のツンデレエルフも出て。
やはり定番の魔法銃を錬金で作り出す・・・・。
更に更に、魔法のセミオートマティック・ショットガン!で、とりあえず低レベルでも高レベルダンジョンをクリアし続けると。
その間に、どうしようもない無法者への不要な慈悲の末に招いた、やはり不要な冒険を経て、主人公アレンはこの世界の非情さを痛感します。
この経験なしには、その後の悪役令嬢(仮)を助ける為の命を的にした大冒険は切り抜けられなかったでしょう。
そして遂に邂逅した、自分が守るべき悪役令嬢、氷の姫君!
けれど、その彼女に何故か自分が最初から注目されているのに戸惑うアレン。
そして出揃う乙女ゲームのヒロインであるエイミーと攻略対象達。
もう、主人公アレンにしてみれば、いずれ起きる悪役令嬢の追放イベントを回避すれば、王都に敵国の軍勢が攻めて来るのを防げると思い込んでいる訳です・・・。
それは所詮は乙女ゲームのイベントの設定なのだろうと・・・・。
「氷の姫君」との本格的なエンカウントが開始されます。
彼女は本当に真面目で、献身的で、貴族としての義務を骨の髄まで自覚している責任感の塊みたいな令嬢です。
この技は、彼女の得意とする先制攻撃用の魔法「氷の矢」です。
実習で「氷の矢」で的を射るアナスタシア。その威力に王太子が文句をつけます。
もう、ほとんど北斗神拳の三男坊みたいな物言いです。
で、その後に「俺の実力はこんなもんじゃない!」と身の丈以上の大魔法を唱えて失敗。
手を軽く火傷をしたのを、エイミーが治癒してフラグが立ち、王太子とエイミーの距離が近付きます。
そのあからさまな接近、不貞にも似たベタベタした有様に、アナスタシアではなく、取り巻きが騒ぎ始めます。
とにかく気高く立派な悪役令嬢・・・・。で、ヒロインはと言うと・・・・。
見事な位に「アイアム被害者」と・・・。こう言う事言う奴、奴等がどれだけ信用に値するかですね。
そして、その後に特待生クラスの首位争いを経て、遂にアナスタシアがアレンに接近し始めます。
最初は、余りに優秀なアレンを他国のスパイではないかと距離を置いて観察していたアナスタシアですが、次第にアレンには何の悪意もなく、同じく優秀なエイミーが王太子とその取り巻きを篭絡して行く姿を見て、エイミーこそが危険だとの認識を固めて行きます。
傲慢で人もなげな王太子と、その愚かさを嗜める悪役令嬢アナスタシア。
茶番にも似た逆ハーレムのイチャイチャぶりは見るに堪えません・・・・。
そんなイチャイチャの茶番みたいな視察であっても、王太子とその側近達の実績を積み重ねる為に、毎度努力するアナスタシア・・・・。
正直、ここまで徳が高いと・・・・どうやっても悪役令嬢とか言われるのに違和感を抱くしかないんですが・・・。
専門家に意見を聞き、文献を調べ上げ、遂に完成した苦心のレポート。
で、協働を一切せずに遊び惚けていた王太子からの一言がこれ。
もう、全てを諦めた上で、それでも自分が将来の王である王太子に尽くす運命だと思い定めたアナスタシアの悲しみと毎回押し寄せる失望をアレンは間近で目にします・・・。
何もしないで栄誉だけを平気で横取りする屑どもを尻目に、アレンとアナスタシアはお互いの人となりを実感し、強い共感と尊敬をお互いに抱く様になります。
そして遂に始まるエイミーの逆ハーレムルートの為の仕込み。
前世はゴリラブスとか、デブとか言われていたのが、今世はヒロイン。
利己的な幸せの為に排除すべきはアナスタシア。エイミーはそれを知っています。
よくここまで洒落臭い言葉が口に出せるもんだと・・・。隠密スキルで見ているアレンも怒りを隠せません。
そして被害者コスプレ・・・。毎回こんな感じで、読者がエイミーの周辺を好きになる要素はゼロです。
遂になりふり構わず挑発に出て来るエイミー。
怒りに燃えるアナスタシアは、危うくエイミーを平手打ちするところでしたが、隠密尾行していたアレンがイベントを阻止します。
一つの山を越えたものの、これで収まる訳もないと、アレンはどんどん決意を固めて行きます。
そして、エイミーが転生者だと言う確証も得ました。
世の為、人の為に我が身を捧げる決意のアナスタシア。
それをつけ狙い、毎回揚げ足を取り続けるエイミーはと言うと・・・。
こんな感じです・・・・。
ゲームでは「慈愛の聖女」になる筋書きでしたが、こいつにそんな器量とか資質がある訳もなしです。
どんどん行動が異常になって行きます。
そして、アナスタシアは陰に日向に彼女をアレンが援けているのだと気付き始めます。
少しずつ、ゲームとの乖離に気が付く転生者達。
そして、遂にヒロインの煽りの甲斐あって、頭がおかしくなった攻略対象達が暴走し始めます。
騎士団長の息子が、大貴族である侯爵のご令嬢の身体に触っています。
その上で脅迫強要です・・・・。
リアル世界でも「強」の付いた犯罪は、執行猶予すらつかない、仮釈放もない、そんな犯罪です。
ましてや、相手は血統書付きの大貴族の令嬢です。領土間で戦争になっても不思議ではない、そんな大事です。
アレンの機転があり、一度は何とかなったのですが、遂に・・・・。
遂に、アレンの恐れていた事態が出来します。悪役令嬢の断罪イベントです。
醜い王太子の表情と、妲己褒姒の類としか思えないエイミー。
もう、諦めを通り越したアナスタシアは平板極まりない様子でそれを受け止めます。
侯爵家の領地と、侯爵家そのものへの侮辱。それでも相手をするつもりのないアナスタシアに王太子は畳み掛けます。
これって、実際のところは、王太子と侯爵令嬢と言う立場を鑑みれば「事実上の命令」になっています。
明言しなかったからと言って、これで責任を取らない訳には、王太子としてはならないんです。普通は・・・。
諦め果てて「決闘せよ」との命令を拝命したアナスタシアに、王子を含めたエイミーの取り巻きが全員代理人として名乗り出ます。
卑劣と言うか、こんな事で大貴族の令嬢を男5人で囲んでフルボッコなんかしたら、それだけで内乱待ったなしの状況なんですが、王太子もエイミーも何も考えていません。
もう、最初から決めていた。こうなるとわかっていた。だから、アレンは迷わず代理人として手を挙げます。
アナスタシアの美質、それは思い遣りと責任感です。
自分に都合が良いから何でも認める。そんな下衆な了見を一切持っていないのがアナスタシアです。
自分はどうなっても、国と民、そして自分以外の誰かを守る。本物の騎士道が彼女には備わっています。
もう、アレンも徹底的にやる気になってます。
決闘で求めるのは、アナスタシアは暴言への謝罪でした。そして、アレンも遂に煽り始めます。
もう、徹底的に行きます。けど、アナスタシアは気が気じゃありません。
で、ここからの戦闘シーンその他は端折ります。結果はアレンの圧勝です。相手にもなってません。
ここらから、コミック執筆者が小説とは違うオリジナルのシーンを次々と描き始めるます。
原作小説では、このマルクスはアレンから顔面を衆人環視の下で足蹴にされていたのですが、流石にそれをやってしまうとその後の関係修復なんか不可能になる、命を懸けた決闘が待っているだけと言う事で、コミックの作者と編集さんの意見により掌底でノックアウトに変更されています。
最後に残った王太子も普通に無力化されてしまいます。相手になってないですw
そして、追い詰められた王太子はグジグジと世迷い事を口にし始めます。
このアレンの説教も、実はオリジナルです。
この後、王太子は決闘に敗北した後にも、アレンの背中から極大魔法を打ち込んで殺そうとします。
どこまでも卑怯未練で、幼稚な精神性の持ち主だと知れます。
決闘に勝ったものの、自国の王太子、他国の王子、自国の貴族達をコテンパンにしたアレンですから。
行方をくらまそうかとも思いましたが、ここは封建的な世界で、冒険者であるアレンはどうかとして、お母さんは王都から移住する方法がない訳です。
そして、今までの経緯をお母さんに話したところがこんな答えでした。
もう、この母にして、この子があったとしか言えません。
その後に、アナスタシアの父親がアレンの庇護を申し出ます。
アレンの義侠心、アレンの腕前、アレンの国際的なパワーバランスへの理解まで含めて、得難い人物だと見做されたからです。
この時点で、アナスタシアの父であるラムズレット大公は、王国中枢から距離を置く事を決意しています。
このあたりから、アナスタシアは大きく変わって行きます。氷の姫君がどんどん溶けて行く様が微笑ましいです。
王太子を補佐する諦め果てた生贄みたいな人生と決別し、年相応の多情多感さを露わにして行きます。
そして、お礼として呼ばれた晩餐会での一幕も・・・・。
この壁ドンのシーンもオリジナルです。コミックの作者と編集者マジでノリノリですw
原作者のカクヨムでのコメントで、原作者はコミックの作成に一切関わっていない事が明言されています。
原作では随分と平板な描写でしたが、コミック版でのアナスタシアは凄く照れ屋として描かれています。
このあたりから、アナスタシアとアレンは、冒険者としての修業を共にし始めます。
カルチャーショックの第一回目がここで訪れます・・・。(笑)
その後も次々と襲い来るアレンの非常識。それを迎え撃つアナスタシアも、非常識の巷にw
この後、ちょっとした伏線が生じて来ます。
他国の王子であるクロードが、例の卑劣な決闘以後、親元の国に召還されて、学園を退学します。
これがその後の展開の大きな伏線となっています。
もしかしたら、アレンも気が付いていなかったのかも知れませんが、この時点で王太子が廃嫡とならず、その他の決闘の参加者が一切の処分を受けていない事・・・・。
その異常さについてです。クロードは、事情を知った親元の国で廃嫡されて、その後にエイミー達が何度手紙を送っても返事を返す事はありませんでした。
当然でしょうね・・・。アナスタシアの父であるゲルハルト侯爵が言ったとおり「あれほど酷い決闘は聞いた事がない」と。
クロードの親元は、それを正しく伝達された訳です。
しかも、その決闘、5対1の超ハンデマッチで惨め極まる敗け方を喫したとも・・・。つまり、クロードは酷ければ地下牢あたりに繋がれてしまったのでしょう。
ここで、作者は明言していませんが、ゲームのシナリオのとおりに進んで、王都が占領されてしまえば、その奪還方法はクロード王子が親元を説得して兵を借りる事で成し遂げるしかないんですが、この状況ではその展開はありえなくなったと言う事になります。
原作小説でも、クロードの親元の王国は、同盟国である主人公たちの国に攻撃はして来なかったけど、請われても遂に援軍を送って来る事も無かったのですから。
多少愚かでも、元気一杯で将来有望だった嫡男を、人格的に完全にぶっ壊してくれた王国に、実は恨み骨髄だったのかも知れません。
そして、決闘の謝罪についてもこの有様。潔さなんか薬にする程もなくて、ただただアレンとアナを恨むばかりです。
そして、これから物語は急展開に向かいます。
アレンはアナスタシアの騎士になります。どんどん接近する二人。
氷の姫君はどんどん溶けて行く・・・・。
どぶさらいから始まった冒険者としてのアレンの人生。そして空を飛び、氷の姫君と知己を得た。
そして、この時から程なく、氷の姫君も空を飛ぶ事になる。
ゲーム中の強制イベント「エルフの森を救え」を無理やりに起こそうとしたエイミー。
しかし、エルフの王女シェリルラルラはエイミー達を強盗と勘違いして、アナと共に通りがかったアレンに助けを求める。
なんか、アナスタシアの反応に多くギャグが混じって来る様になって、この時点で物語に微笑ましさが増えて来てますw
そして遂にバレてしまうエルフの里との交流や、空を飛べるグライダーの存在・・・・。
この「私に何か説明したい事がたくさんあるだろう。聞こうじゃないか。」と言うセリフもコミックオリジナルです。
コミック版のアナスタシアは、アレンを完全に尻に敷く様な、男っぽい性質が強く描かれています。
アナスタシアは、自分の知らないアレンの姿を知りたくて、シェリルラルラがアレンをエルフの里の祭りに誘ったのに便乗します。
そして、初めての空の旅に出るアナスタシア。
ちなみに、このシェリルラルラを丸め込むシーン、これもコミックオリジナルです。
なんというか、グライダーでの飛行の描写全部がオリジナルです。
小説版の挿絵だと、グライダーでの飛行はこんな感じで描かれています。
こんな飛び方で数時間とか絶対無理ですし、シェリルラルラはグライダーの下に括り付けられていると描写されてました。
着地の時に死ななかったら奇跡です・・・・。なので、コミック版ではグライダーの乗り方その他すべてを一新したみたいです。
シェリルラルラ関係のシーンでは、随分とオリジナルシーンが多かったりします。
大体がダメダメエルフとしての描写で、恰好良い場面とかは皆無だったりしますがw
自分では自覚していませんが、アナスタシアは空と共にある運命に向かっています。
そして、自分の心の中にあるお互いへの思慕の気持ちを、アレンもアナも自覚する様になります。
そして成り行きで参加する事になったエルフたちの祭り。
婚姻とかの制度を持たないエルフは、この祭りで子供を作る相手を選ぶと言います。
祭りの試練を潜り抜け、精霊から祝福を受けるアナスタシア。これが彼女の運命を決するとも知らずに・・・。
そんなつもりは最初はなかった。
けれど、エルフの里で誰もが平等に平和に暮らしている姿を見て、アナスタシアは身分に縛られる自分と決別した。
二人はその夜結ばれた。
二人は将来の結婚を約束し、アレンはその為に武功を挙げる決意を固める。
婚約指輪として贈ったのは「身代わりの指輪」、命を落としたとしても一度だけやり直せる伝説の装飾品。
後にそれがバレて、ゲルハルト公爵から詰問されるけれど、アレンは退く事はなかった。
そして、アレンは最初の迷宮踏破で手に入れた伝説の武器「空騎士の剣」をアナの17歳の誕生日にプレゼントすると約束する。
もう、氷の姫君はデレっぱなしw
で、これもコミックオリジナルのシーン。
二人とも若い、高校生の年頃の男女ですからね・・・・。
一旦箍が外れたら、普通におサルさんですしwww(しかも令嬢の方が積極的と言うwww)
そんな幸せな二人とは裏腹に、愚か者どもはまだいろいろとちょっかいを出して来ると・・・。
ほとんど半狂人のレベルまでに零落したヒロイン一味。
「妖精の髪飾り」は、エルフの里で精霊から祝福された者に与えられる、敵対者から持ち主を護ってくれる装飾品です。
それを横暴に取り上げようとする王太子一味とエイミー。
まさに狂気・・・・。公爵令嬢に手を掛けて、その品を奪おうとする王太子と取り巻き。
しかし、神秘の力で護られたアナスタシアには手を触れる事ができません・・・。
だけじゃなくて、不埒な事を企んだ者を下手すると殺す位の加護が掛かっています。
そして、ダメ押しの精霊による警告。これで講堂はパニックに陥り、王太子とエイミーの悪評が更に追加されます。
ここまで読んで来た人達は疑問を抱いていると思います。
王太子その他は何でここまで続けざまにやらかして許されてるの?と・・・・。
そして、アレンはエイミーに最後の説得をします。
衷心からの言葉でしたが、その言葉は届きませんでした。
この後に起きるのは、言語道断を超えて、誰も想像できないレベルの愚行醜行にエイミーと王太子一味は向かって行きます。
突然ランチの最中に王太子がやって来る。封蝋に玉璽が押された手紙を添えて・・・・。
ここで私は思った訳ですよ・・・。普通、使いっ走りに王太子を使う訳ないだろうと・・・・。
で、ここから急展開と言うか、驚愕の展開に向かいます。
なんと、アナスタシアに対して、隣国の高級家臣への降嫁を命じる文書を、王太子が偽造したのだと。
そして、アナスタシアを乗せて敵国であるエスト帝国に向かった筈の馬車は、旅路の途中で襲撃を受けて随行員も含めて全員が殺されたとの報せが届きます。
この一件を理由に、セントローレン王国はエスト帝国から宣戦布告されます。
この件で、完全にセントローレン王国の王家は、アナの実家であるラムズリット公爵領と手切れ状態になります。
そして、問題の元凶がアレンをただただ煽る為だけに出現します。
この異常性よ・・・・。
ゲームの筋書きを無理にでもなぞる為に、悪辣な罠と、犯罪行為を平気で行ってます。
この時点で、普段からの素行と試験結果の悪さで、王太子一行と修行の度に出る事ができず、無理やり訪れた「飛竜の谷」では、雑魚ワイバーンの尻尾の一撃でパーティが壊滅する位に、基礎レベルが低い事と、アナスタシアの方はと言うと、アレンと共にオークの大迷宮や最難関迷宮である「風の山の迷宮」の高速周回も行ってますので、ゲーム本編なんか比べ物にならない程にレベルが高いんです。
正直、この時点でアナスタシアが闇堕ちラスボス化なんかしたら、アレン以外の誰がどうやっても対抗不可能な程に強いんです。ワイバーン程度に手も足も出ないエイミー達では、文字のとおりに瞬殺されかねないんですよ。
でも、エイミーはゲームのとおりに、一度は王都をラスボスに陥落させられても、自分達で何とか出来ると信じ込んでいます。
そして、開戦の際に学園にも学徒動員がされる事になりますが、これがこのざまです。
もう、見下げ果てたと言うべきか・・・・。
王太子は、強力な火炎魔法と共に、味方の兵士に強力なバフを掛ける「英雄」の加護を持っています。
それ故に王太子としての地位を確立していたのですが、それが出陣しようともしない・・・・。
出陣に先立っての、学徒兵達に国王が謁見を許します。
バカ王太子の親です。まだコミックでは、この王様がどれ程愚かで性格がおかしいのかは描かれていません。
が、息子の王太子と同じく「他人の功績は自分の功績、功績をあげたとしても褒美は与えない」と言う性格です。
終わってます。玉璽の盗用と公文書の偽造についても何の追及する気もありません。
つまり、王太子が異常行動を繰り返したのは、この愚鈍な国王あっての事だったと言う事です。
アレンは、一応遜った態度は取りますが、真実に近い何かを得心します。
この何も持たないのに全てを自分に教えてくれた、本物の教育者であり、庇護者であり、理解者である母親。
全てを持っているのに、人に何も与えない、自分達だけの事しか考えられないエイミーや王太子、セントローレン国王。
その対比が見事です。アレンは戦場に行きます。
スカイドラゴンの夫婦にアナスタシアの捜索を願い・・・。
アレンはグライダーを使い、グライダーに設置した風魔法で作る氷の爆弾を使って爆撃を繰り返し、一方的な戦果をあげ続けます。
その後は省略します(もう、今の時点でも長すぎる位に長いしwww)が、アレンはセントローレン王国の建国以来、一度も完全に領有出来ていなかったプルゼーニ地方を完全に制圧する事に成功します。
アナスタシアの行方も、スカイドラゴン達が突き止め、いよいよアナスタシア奪還の為に動きます。
隠密スキルで帝城に潜入、アナスタシアを探すアレン。そこに通り掛かったのがハングレの様な皇太子と宮廷魔術師の長のギュンター。二人を尾行するアレン。
ラスボス用の素体としてアナスタシアは最初から狙われていた。そうとわかります。
ここで読者にはわかるのですが、戦争が起きたのは実はゲームの筋書き故に戦争になったのではないと言う事です。
この世界の元となったゲームは、乙女ゲームだったが故に「戦争が起こった理由は、実は王太子その他の性格や物の考え方が愚鈍そのものだった為であり、王太子が存命である限り必ず戦争は起きた。」と言う事です。
アナスタシアの闇堕ちは、単にダメ押しであっただけで、彼女が例えば死んでいたりしても、いずれ戦争は起きていたんです。
まあ、メインの攻略対象が、どうにもできない人格破綻者だなんて、普通はゲーム制作会社は公表しないでしょうね。
王太子に対して献身と我慢を繰り返したアナスタシアに対して、王太子は何も感謝もせずに捨てるし、挙句は憎んで罠に嵌める事すらする。そんな人間なんですから。
そもそも、王太子が正常な神経と知性を有していたら、どんなにエイミーが可愛くて、自分の事を理解してくれる運命の女性だったのだとしても、やはりアナスタシアを立てて、エイミーは愛妾位でキープしていたでしょう。
エイミーとしても、彼女が正常な人格を備えていたら、王国をひっくり返す様な騒ぎを、自分が中心となって起こす様な地獄の事態は回避しようと思った事でしょう。
登場人物が全て異常者で、アナスタシアだけが正常だったから、だから彼女は不幸になってしまい、ラスボスとなってしまった。
つまりは、そう言う事なんですよね・・・・。
アナスタシアが握らされた「氷雪の魔剣」ですが、えげつない代物です。
虐待の上に殺された子供達の悲嘆と絶望で練り上げられた、作成者と資金提供者の異常性が結晶した呪物。
そんな呪物で精神を汚染されたアナスタシアを犯そうとする皇太子を・・・・。アレンが許す訳もない。
魔術師の長のギュンターも、その後射殺して、アレンは二人の首級を持ち帰ります。
彼女をこんな酷い目に遭わせた者達、王太子は彼女を小姑みたいなうるさいだけの邪魔物と見ていますし、エイミーに至っては彼女は酷い目辛い目に遭って当然の自分が踏むため、足蹴にするための存在と思い込んでいます。
ゲームの登場人物は誰も彼女の事を思い遣らない。それこそが彼女がラスボスに零落した原因であり、彼女には何の落ち度もなかったと言う事なんです。
いい奴とか言うレベルではなく、精神も高貴で、外見も美しく、努力家で、民を思う心と行動を兼ね備え、最高の国母となりえた存在だったんですね・・・・。
アレンの心に秘めた思いや願い、運命に立ち向かい、遂にアレンはアナスタシアのラスボスルートをひっくり返しました。
8歳の頃に出会い、その時に強く誓った事をアレンは貫きました。
悪役令嬢を闇堕ちさせず、危地の只中から決死で連れ戻しました。
アナスタシアの両親も兄弟も無事です。
アナスタシアの本貫領土も何とか防衛しました。
けど、結局のところ戦争は始まってしまいましたし、続いています。母の住む王都は以前失陥の危機に瀕しています。
このルートだけは何とか回避できた。現在のこの作品の執筆状況はそんな感じです。
最新の無料購読可能なお話では、遂にここまで進みました。今後は、エスト帝国の首都で討ち取った皇太子と魔術師の長の首級を質に、アナスタシアとの結婚の為の爵位を交渉する事になります。
ですが、相手は暗愚の頂点にいる、あのセントローレン国王ですからね・・・・。
けど、今現在のアナスタシアのコンディションは、彼女を愛するだけでなく、政略結婚の最強アイテムとして考えているゲルハルト公爵にしても、存在価値ゼロどこかマイナスで、加えてアナスタシアをやはり愛してますので。
現在コミックスは8巻目、多分10巻そこらで完結だと思います。
私は最後までそれを購入し続けるつもりです。電子図書版だけでなく、啓蒙用に5巻まで紙媒体の書籍を買っています。
概ね、それを読んだ人達は続刊も買っている模様ですね。良い事ですwwww
長々と語りましたが、ラスボス云々だけではなく、私はこのコミックのお話がとっても気に入ってるんです。
原作小説よりも格段に、圧倒的に面白い。
コミカライズでここまでオリジナルの小説を超えて、しかも原作レイプではなくて、細部の粗を取り、キャラの肉付けを少しだけ、ほんの少しだけ変更した結果がこれなら、その全ての手柄はコミックの絵師さんと編集さんに拠るものと言えるでしょう。
その匙加減には全く脱帽するしかありません。
自信をもってお勧めできる、近年稀に見るラノベコミカライズがこの作品です。皆さんも是非この本を手に入れて頂きたい。そう思っています。