【世界の石油市場の危機は2027年まで長引く可能性=サウジアラムコCEO】
「ホルムズ海峡の膠着状態が6月中旬まで続けば、危機は2027年まで長引く可能性がある」
サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」のナセル最高経営責任者(CEO)は、同社の第1四半期決算に関するビデオ会議でこのように述べた。
「供給の混乱が長引けば長引くほど、たとえそれがあと数週間続くだけであっても、石油市場が需給バランスを回復し、安定化するまでにより長い時間を要する」とナセル氏は指摘。
同氏の推計によると、生産停止や輸送の途絶によりすでに10億バレルの石油が市場から失われており、ホルムズ海峡の閉鎖が続く限り、毎週約1億バレルの石油が失われ続ける見通しだという。
またナセル氏は、これまでホルムズ海峡を1日あたり約70隻の船舶が通過していたのに対し、現在はわずか2~5隻程度だとを改めて強調した。
経済産業省の発表によると、日本の石油備蓄の状況は5月8日時点で、国家備蓄が121日分あり、民間備蓄および産油国共同備蓄を合わせると205日分に達している。単純計算では年内の需要を一定程度まかなえる水準にあり、政府は代替調達ルートの確保など対応を進めている。しかし、ナセル氏が指摘するように、供給の混乱が長期化すれば、世界市場の需給バランスの回復は大幅に遅れる可能性がある。