見てみれば、灰色がかった髪の男。
髪は長く、顔を隠している。
なんだこいつ。
「アンタ…!アタシに注意するなんてぇ?いい度胸じゃなぁい???」
そう言いながらアタシは自慢の髪の毛を振り上げる。
ブァサッッッッッwwww
その瞬間。周囲に風が巻き起こり男の髪を舞い上がらせた。
「あ…」
男から力ない声がにじみ出る。
かわちいmy心臓は鼓動を奏でる。
そして、アタシは気づいたの!!!
……トクットクットクットクットクッ………
「イ…イィ…」
「イケメン!!!!!!!!!!!!!!」
音楽室のすこし暗い明かりさえも、彼を際立たせるスポットライトのようで。
メガネの奥には、だるそうで、儚げで、触ったら壊れてしまいそうな、瞳。
でも、キム昌太くんとはすこし違っているの。
このイケメンは…まるで、まるで。
「あァァァァ!!!!!ワタシの芸術的な髪の毛が!!!!」
アタシの思考を断ち切ったのは、イケメン。
「どうしてくれるんですか!?!?ワタシはこの髪の毛をセットするのに83分もかかったんですよ!!!」
きゃぁぁどうしよう!なにこの男!顔だけじゃない!
でも…イケメンだから、アタシは諦めないの!♥️
「えっとぉ…でも、芸術は爆発ゥ♥️って?言うじゃん?ね?」
するとその瞬間イケメンは黙ってうつむいてしまった。
ぴょこん、と崩れた髪の毛が跳ねる。
「えっとぉ?もしも~ぉし?大丈夫ですかァ~?」
その瞬間。
イケメンはいきなり顔を上げ、アタシの可愛いおててを掴んだの!
「アナタ…!分かってくれるんですね!
芸術は爆発なのです!!!!」
キーンコーンカーンコーン
その瞬間、チャイムがなった。
すっかり忘れていた。
授業の前だった。
でも授業が始まったのに、隣のイケメンはずっとぶつぶつ何かを言っているの。
「こらァァァァ!!!!!!」
するとね、すぐに先生が気付き、怒ったの!
いつもこのような調子なのかしら。
「チッ……。……とりあえず、隣の人と自己紹介してください。これから授業で、お世話になると思うんで…。」
いきなりおとなしくなった先生に不信感を感じながらも、アタシは隣のイケメンをつつく。
「アタシは浮気ゆりみ!
アナタってイケメンなのね!
これから、よろしくね、!!!!」
するとイケメンはバッとアタシを見て、そして口を開いた。
「…ワタシは高尾成男です。芸術こそ正義。芸術こそ神。ゆりみくん。アナタならワタシの芸術を分かってくれる。よろしく。」
ゆりみ…くんっっ!?
アタシ…ならっっ!?
キュン!!!!!!
ーーー
それからアタシと成男くんは授業を進めていったの。
カレはしょっちゅう先生に怒られていたわ!
でもそんなカレを見て、アタシの心はいつのまにかもう虜。
楽譜を読むときなんて…
「楽譜って…美しい
でもアナタもおなじくらい…美しい」
とか言ってくれちゃってたのよお!!!
アタシは小走りでHRに走りながら、想う。
嗚呼、なんて。
なんて成男くんは素敵なの…。
成男くんのことを考えるだけで、心がギュッとするの。
そして少し、ほわっとして、でもきゅっともする。
これってもしかしてーーーーー
「恋!?!?!?」