急増のイスラム教徒 土葬は日本文化を壊す? わからなさに向き合う
異なる文化や宗教を持つ外国人に対し、自分たちの文化が侵されるのではないか、と不安を抱く人たちがいる。なかでも、イスラム教徒への風当たりは強くみえる。イスラム教徒の暮らしや文化に欠かせない施設を作ろうとすると、各地で反発が起こる。不安を乗り越えるヒントを探った。 【画像】土葬や移民反対を訴える仙台市であったデモ 昨年11月末、仙台市の中心街で小さなデモがあった。 「移民×土葬×反対」と書かれたのぼりとともに、日本国旗が揺れる。不安そうな表情でデモを見つめる主婦(34)がいた。「土葬を受け入れれば、イスラム教徒がどんどん増える。自分たちの身は自分たちで守らないと」 国内に在留する外国籍のイスラム教徒は24年末時点で推計約36万人。4年間で倍増した。 イスラム教では土葬がきまりで、火葬は禁忌とされる。だが、宮城県が検討に乗り出した土葬墓地の整備は、県民の強い反発を招いた。 仙台市議の伊藤優太さん(41)は24年末、県が検討していた土葬墓地の関連文書の情報公開請求をした。 伊藤さんのもとには有権者から不安の声が寄せられていた。 ところが、公開された文書の大半は黒塗り。伊藤さんは「墓地計画は分断や対立を深めただけ。『わからなさ』が不安や不信の声を大きくした」と残念がる。 異なる文化の「わからなさ」に向き合った人もいる。 神奈川県藤沢市の行政書士の土屋清夏さん(43)は、市内で計画されているモスク建設に関心を持った。反対運動は強まり、明らかなデマや真偽のわからない情報も多い。 土屋さんは、モスク建設を計画するイスラム教徒の団体や地元住民との話し合いにも立ち会った。土屋さんはいま思う。「目の前の人と向き合い、対話できる環境こそが必要だ」(吉田美智子)
朝日新聞社