秋葉原のトレカ店、開店2ヶ月で破産へ 買取金の未払い、支払不能に波紋…詐欺や計画倒産の指摘は否定
トレーディングカードショップ「The TCG Shop AKIHABARA 本店」を運営する株式会社The TCG(東京都台東区)が破産手続を開始したことがわかった。代理人弁護士が16日付で、同社の依頼により破産手続に関し代理人に就任した。
同社が運営するショップ「The TCG Shop AKIHABARA」は2026年2月に買取業務のみ先行オープン、同年3月に「グランドオープン」を行ったばかりということもあり、わずか2ヶ月あまりでの破産手続という事態に波紋が広がっている。
代理人の声明によると、この対応に至った理由として、トレーディングカードの価格相場の影響等があり、買取額よりも低い金額での販売となることが避けられない取引が発生していたことを挙げた。
買取代金の支払等の原資を確保するためには、買取在庫の早期の資金化のために低価格での販売をせざるを得ないという悪循環が生じ、さらに自転車操業の状態に陥っていた。
その結果、同社の資金繰りは破綻。代理人によると「追加の資金調達等による事業継続も最大限模索いたしましたが、TCG 本店に対してだけでなく、役員個人への貸付けを行う融資元すら見つけることができず、事業の継続が著しく困難となりました」としている。
買取代金の未払金などの負債額は「約2億円ほど」想定
そして同社の声明によると、これまで行ってきた買取業務において「未払金」が発生していることが言及されており、顧客の一部に買取代金が支払われていないこともわかっている。
しかし、この件については「債権者の皆様に対する買取代金の支払や買取商品の返還を行うことはできない状況にあります」とされている(詳細は記事下部の質疑応答参照)。
また、あまりにも急な破産手続開始の公表に際して一部からは「計画倒産の可能性」「詐欺」を指摘する声が上がっているが、このことについて代理人側は「令和8年4月16日をもって事業を停止することを当社として決断したものであり、カードを買い取った時に事業停止が決まっていたということはなく、詐欺にはあたりません」と説明している。
同社は本日をもって事業を停止することとし、今後は東京地方裁判所に破産手続開始の申立てを行う予定である。今後、裁判所の関与の下で同社の財産の換価、分配等の手続を行っていくことになる。
代理人は「TCG 本店の財産を保全し、適切に裁判所へ引き継ぐ必要がございますので、TCG 本店の店舗について立ち入ること、当該店舗内の物品を搬出する等の行為は厳に控えていただきますようお願い申し上げます」と呼びかけており、専用の問い合わせフォームも設けている。
また、同一屋号で町田にて営業するThe TCG Shop MACHIDA店については、同社とは資本関係等のない別の会社となるため、同店への連絡については差し支えないとしている。
(質疑全文)1. 今般の経緯等に関するご質問
――貴社は倒産したということか。
令和8年4月16日をもって事業を停止させていただくことになり、いわゆる倒産となります。当社については、今後、破産手続き開始の申立てを行う予定です。
――倒産に至った原因は何か。
トレーディングカードの買取・販売業務において、直近では、トレーディングカードの価格相場の影響もあり、買取額よりも低い金額での販売とならざるを得ない取引も生じてしまい、買取代金の支払等の原資を確保するためには、買取在庫の早期の資金化のために低価格での販売をせざるを得ないという悪循環が生じ、まさに自転車操業の状態に陥り、資金繰りが破綻状態となりました。今日まで事業継続に必要な資金調達等を最大限模索しましたが、資金繰りの目途が立たず、令和8年4月16日をもって事業を停止することとなりました。
――他の債権者の個別の債権はどのくらいか。負債額はいくらか。
個別の債権者の情報はお答えすることはできません。負債の総額としては、約2億円ほどが見込まれております。
――経営陣の経営責任をどう考えている。個人で責任を負担すべきではないか。
今般の事業停止を踏まえ、まずは速やかに残務整理を行い、破産手続の円滑な遂行に最大限協力することが経営陣の責務と考えておりますが、債務を負担しているのは法人であるため、個人で支払責任を負担することは困難です。
(質疑全文)2. 未払金に関するご質問
――貴社からの未払金の支払はどうなるのか。
弊社からの未払金について、現時点でお支払いすることはできず、破産手続の中で破産債権として取り扱われることになります。破産管財人による手続の遂行の結果、配当がなされる可能性もありますが、配当の有無は現時点で未定です。
――貴社で買い取ったカードについて、返却してほしい。
当社で買い取ったカードについても、破産手続の中で判断されるため、返却することは難しい状況にあります。何卒、ご理解賜りますと幸いです。
(質疑全文)3. 今後の進行等に関するご質問
――今後の進行はどうなる予定なのか。
速やかに、東京地方裁判所に破産手続き開始の申立てを行う予定です。破産手続き開始後は、破産管財人において手続が進められることになります。
――債権者として、今後何をすればいいのか。
破産手続開始決定後、裁判所から送付される債権届出書をご提出していただければと存じます。その他、破産手続きの進行に関しては、裁判所から送付される書類に記載がございますので、そちらをご確認下さい。
――貴社からの未払金について、今後、支払ってもらえるのか。
破産手続きにおいて配当がなされるかどうかについては、現時点では、具体的にお答えすることはできません。
(質疑全文)4. その他
――経営者は、今後どうするのか(破産するのか)。
残務整理及び破産管財人の管財業務に最大限協力していく所存です。法人が債務を負担しているため、経営者個人の破産は予定しておりません。
――電話や店舗に行くので対応してほしい。
大変申し訳ございませんが、現在、電話やご来店いただいても十分な対応ができる状況にないため、ご質問があれば別途お知らせするWEBフォームからお願いできればと存じます。
――カードを買い取った時には倒産は決まっていたのではないか。詐欺ではないのか。
令和8年4月16日をもって事業を停止することを当社として決断したものであり、カードを買い取った時に事業停止が決まっていたということはなく、詐欺にはあたりません。
――カードを買い取りの未払金について、一人一人対応していくと聞いていた。
本来であれば、そのような対応が望ましいことから、従前に当社においてそのようにご説明していたところでもありますが、令和8年4月16日をもって事業を停止することとなり、そのような対応も困難となった次第です。何卒、ご理解賜りますと幸いです。