30代で気づいた勉強が得意な人の正体は、才能じゃなくて「理解の積み上げ」
勉強が苦手な人生だった。
というより、今でも少しコンプレックスがある。
大学受験では、第一志望から第四志望まで全部落ちた。
あのとき、心がバキバキに折れた。
「ああ、自分はバカなんだな」
そう思った。
それからずっと、どこかで勉強から逃げていた気がする。
本を読んでも、すぐ忘れる。
難しい話をされると、ついていけない。
頭のいい人たちがスラスラ話しているのを見ると、自分だけ別の世界にいるような気がする。
表面上は普通に生きていても、心の奥にはずっと、
「自分は勉強ができない側の人間だ」
という感覚が残っていた。
その自覚に、30代中盤くらいまでずっと苛まれていた。
でも、フリーランスになってから少しずつ見え方が変わった。
仕事柄、賢い人たちと関わる機会が増えた。
本当に仕事ができる人。
話の飲み込みが早い人。
何を聞いても即レスできる人。
難しいことを、簡単な言葉で説明できる人。
最初は、単純に「頭の作りが違うんだ」と思っていた。
でも、近くで見たり、直接話を聞いたりしているうちに気づいた。
この人たちは、ただ覚えているんじゃない。
ちゃんと理解しているんだ、と。
東大生やQuizKnockのような人たちを見ていても、昔は不思議だった。
「なんでこんなに覚えてるんだろう」
「なんで公式がすぐ出てくるんだろう」
「なんで知らない問題にも対応できるんだろう」
でも、たぶん順番が逆だった。
彼らは答えを大量に暗記しているのではない。
理解を積み上げた結果、答えにたどり着けるようになっただけだ。
ここに気づいてから、読書も勉強も少しずつ変わった。
答えを手に入れようとするのではなく、理解する。 理解した結果、覚えてしまう。 理解した結果、応用できる。 理解した結果、答えにたどり着く。
脳科学や心理科学の本を読み、賢い人たちの学び方を観察して、自分なりに変えてきたことがある。
備忘録がてら、勉強が得意な人と昔の自分の違いを5つ残しておく。
1. 覚えるのではなく、理解した結果「覚えちゃう」
昔の自分は、勉強するときにすぐ覚えようとしていた。
用語を覚える。
公式を覚える。
手順を覚える。
結論を覚える。
でも、意味がわかっていないものを覚えるのは苦しい。
ただの文字列を頭に詰め込む作業になるからだ。
勉強が得意な人は、いきなり暗記しようとしない。
まず構造をつかむ。
図にする。
紙に書く。
自分の言葉にする。
具体例とつなげる。
イメージで理解する。
僕自身も、発信で図解を作るようになってから、かなり学び方が変わった。
ただノートに文字を写すのではなく、
「これはどういう構造なのか」
「どことどこがつながっているのか」
「一枚の図にするとどうなるのか」
を考えるようになった。
すると、覚えようとしていないのに覚えていることが増えた。
たぶん、勉強が得意な人は記憶力が異常にいいのではない。
覚えやす形に知識を整理するのが上手い。
2. 何を理解すべきかを押さえている
勉強が得意な人は、全部を同じ重さで理解しようとしていない。
ここは浅く押さえればいい。
ここは深く理解しないと先に進めない。
ここは試験で応用される。
ここは本質だから絶対に落とせない。
この見極めがうまい。
逆に、昔の自分は全部を同じように扱っていた。
大事なところも、細かいところも、全部丸暗記しようとする。
だから疲れる。
だから続かない。
だから結局、何も残らない。
賢い人たちを見ていて思ったのは、理解しすぎないのも上手いということ。
何でもかんでも深掘りするのではなく、
「ここまで理解していれば、この問題は応用で解ける」
「この分野では、この前提だけ押さえればいい」
というラインを持っている。
理解が浅すぎてもダメ。
でも、目的に対して深掘りしすぎても進まない。
勉強が得意な人は、何をどこまで理解すべきかを押さえている。
ここが昔の自分との大きな違いだった。
3. わからないときに、手前のステップに戻れる
勉強が苦手だった頃の自分は、わからないことが出てきても、なんとなく先に進んでいた。
「ここで止まったら遅れる」
「今さら基礎に戻るのは恥ずかしい」
「こんなこともわからないと思われたくない」
そう思っていた。
でも、勉強が得意な人は逆だった。
わからないところが出てきたら、ちゃんと手前に戻る。
入門書を読む。
基礎を確認する。
わかる人に聞く。
前提知識を調べる。
自分がどの段を飛ばしたのか確認する。
これがすごいと思った。
理解するために、プライドを捨てられる。
「こんな基礎、今さら聞けない」と思って曖昧にするのではなく、ちゃんと聞く。
「たぶんわかった」で進むのではなく、わかるところまで戻る。
これって地味だけど、かなり大事だと思う。
理解には階段がある。
1段目を飛ばしたまま3段目に行こうとすると、必ずどこかで崩れる。
逆に、手前に戻れる人は、時間がかかっているように見えて、結果的に早い。
昔の自分は、遠回りを嫌っていた。
でも今は、遠回りに見える基礎理解こそ、結果的に一番の時短だと思っている。
4. 自分が説明できるレベルを目指す
理解できたかどうかの基準も変わった。
昔は「読んでわかった気がする」で終わっていた。
でも今は、こう考えるようにしている。
「これを何も知らない人に説明できるぐらいわかってるか?」
説明できないなら、まだ理解できていない。
言葉に詰まるなら、どこかが曖昧。
具体例が出ないなら、まだ自分のものになっていない。
賢い人が説明上手なのは、話し方がうまいだけではないと思う。
説明できるレベルまで理解しているから、説明がうまい。
YouTube大学の中田敦彦さんの準備の裏側を見たときも、印象的だった。
最初から人に話す前提で学んでいる。
声に出しながら整理している。
相手に伝えるために、情報を組み替えている。
あれを見て、理解とはインプットだけでは完成しないんだと思った。
読んで終わりではない。
聞いて終わりでもない。
自分の言葉で説明できて、ようやく理解に近づく。
だから最近は、学んだことをなるべく言語化するようにしている。
メモに書く。
図にする。
誰かに話すつもりでまとめる。
発信に変える。
これをやると、自分がどこをわかっていないかが一気に見える。
5. 理解したことを土台に、応用している
何をやっても即レスできる人。
初見の問題にも対応できる人。
少し分野がズレても、ちゃんと考えられる人。
昔は、こういう人たちを「地頭がいい人」だと思っていた。
もちろん、それもあると思う。
でも、QuizKnockさんの動画などを見ていると、単に知識量で殴っているだけではないことがよくわかる。
まったく知らない初見の問題でも、
「これはあの知識から考えられそう」
「この条件なら、あの公式に近い」
「直接は知らないけど、基礎から導出できる」
みたいに、手持ちの理解を足場にして答えに近づいていく。
あれを見ていて思った。
応用力とは、何もない空中から答えをひらめく力ではない。
すでに理解していることを足場にして、少し高いところへ登る力なんだと思う。
野球で例えるなら、ひとつのポジションだけを丸暗記でこなしている人は、その場では動ける。
でも、少し状況が変わると対応できない。
一方で、野球そのものの構造を理解している人は違う。
打球がどこに飛んだら、誰がカバーに入るのか。
ランナーがどこにいると、どのプレーを優先するのか。
味方の動きに合わせて、自分はどこに動くべきか。
こういう全体の構造を理解している人は、ポジションが変わっても応用がきく。
勉強も同じだと思う。
答えだけを覚えている人は、その問題には対応できる。
でも、少し形が変わると止まってしまう。
理解している人は、形が変わっても、
「これは前に学んだあの考え方と同じだな」
「見た目は違うけど、根本はあの構造だな」
「ここまでは知らないけど、あの基礎から考えれば届きそうだな」
と考えられる。
つまり、理解は足場になる。
足場がない状態で高いところに登ろうとすると、毎回しんどい。
でも、理解という足場があれば、少しずつ上に登れる。
初見の問題も、未知の分野も、完全なゼロではなくなる。
勉強が得意な人は、答えをたくさん持っている人ではない。
答えに近づくための足場を、たくさん持っている人なんだと思う。
まとめ
30代になって、ようやく気づいた。
勉強が得意な人の正体は、才能だけではなかった。
もちろん、記憶力や頭の回転の差はある。
でも、それ以上に大きいのは、理解の積み上げ方だった。
覚える前に、理解する。
何を理解すべきかを押さえる。
わからないときは、手前に戻る。
説明できるレベルまで言語化する。
理解したことを土台に、応用する。
昔の自分は、ずっと早く答えに行こうとしていた。
でも本当は、答えを手に入れることより、答えにたどり着ける理解を作ることの方が大事だった。
理解を軽んじると、崩れ去る。
理解を積むと、人としての土台になる。
結論、勉強が得意な人は、頭がいい人というより、わからないものをわからないままにしない人なのだと思う。
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