養介護施設の高齢者虐待最多 滋賀県内、情報開示請求などで実態判明

高田誠
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 滋賀県内の養介護施設で2024年度に確認された職員らによる高齢者への虐待の件数が、06年度以降の調査で最多だった。県の発表を受けて、朝日新聞が情報公開請求し、取材も重ねたところ、一部の施設で複数の職員による虐待が繰り返し起きていた実態が明らかになった。

 調査は高齢者虐待防止法に基づいて厚生労働省が行い、県内では24年度、相談・通報受理が48件(前年度比12件増)、虐待と判断が19件(同11件増)でいずれも最多だった。最多となった要因について、県医療福祉推進課は「虐待発見時の通報義務が周知されてきたことも大きいのではないか」という。

 朝日新聞は県に対し、虐待の内容がわかる文書の開示を請求。近江八幡市の法人の施設で複数の職員による虐待が発覚した。

 ある職員が24年7月ごろ、虫が苦手な女性入所者の頭や肩に虫を乗せ、女性の反応を見て喜ぶという心理的虐待があった。女性は「嫌やった。怖い」と話し、他の職員が注意しても改善されなかったという。

 翌月には、女性入居者に暴言をはき、声もかけずに車いすの背もたれを倒して腕にけがをさせる事案もあり、身体的・心理的虐待と判断された。また、ハエや蚊がいるなどと言って腹などをたたいたり、複数の入所者に対して「早くご飯を食べろ」「何やってんねん、謝れ」「はよ立ってぇな」「お前ら何しゃべってんねん」「(トイレに)何回行くねん」などと荒っぽい言い方をしたりという虐待も確認された。

 職員による介護の放棄と判断されるケースもあり、夜間にナースコールのコンセントが抜けていたり、手の届かないところに設置されていたりしていた。

 大津市の施設では、繰り返しナースコールを鳴らした女性に「何回も鳴らすな、一回鳴らしたらわかるんや」と職員が怒鳴ったとして、心理的虐待と認定された。利用者の親族が設置したカメラで発覚したという。市内の別の施設では、夜間に専従で勤務する職員が入居者の顔を平手打ちするなど、複数回の身体的虐待も確認された。

 守山市の施設では、職員が男性入居者をベッドから起き上がらせる際、布団を乱暴にめくって首を持ち、「チャレンジして起き上がれないのか」と言った。カメラで24時間録画される中で起きた。身体的、心理的虐待、プライバシーの侵害と判断された。

 こうした虐待が認められた施設の内訳は、特別養護老人ホームが7件、認知症対応型共同生活介護施設が5件など。虐待の被害者は男性6人、女性22人、年代別では90~94歳が13人で最多だった。虐待の種別は身体が20件、心理が11件、介護等放棄が3件だった。

 調査では、虐待の要因分析も行われた。

 虐待を行った職員は男性16人、女性9人で、職種は介護職が大半だった。各施設に虐待の発生要因を複数回答で尋ねたところ、「ストレス・感情のコントロールの課題」が16件、「虐待や権利擁護、身体拘束に関する知識・意識の不足」、「高齢者介護や認知症ケア等に関する知識・技術不足」、「職員の業務負担の大きさ」が13件ずつなどが目立った。

 施設の運営上の課題では、職員の業務負担に向けた取り組みや指導管理体制の不十分さが挙げられた。

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