AIを使っているのに、なぜ働く時間が減らない?業績が上がらない?

AIを使えば劇的に仕事が早くなります。
それは今更言うまでもないでしょう。

ということは、
その分、たくさん働けるから業績をアップした。
もしくは働く時間を劇的に減らした。
そういう声がたくさん聞こえてきて然るべきです。

が、あまり聞こえてきません。

AIは生産性を上げるはずなのに、なぜ誰も時間が減っていない、業績があがっていないのでしょうか。

これは矛盾のように見えて、実は当然の結果です。
世の中に溢れるAI活用情報のほとんどは作業者向けだからです。

文章を早く書く、資料を作る、メールを代筆する、カレンダーに自動で予定を入れる——どれもキャッチーで目に入りやすいのですが、これらはすべて「実作業を速くこなす」ための話です。

SNS時代には発信側もこういった内容に寄っていくため、ますます作業者向けの情報が溢れていきます。

しかしこれは、社長が「筆頭労働者®としてもっと頑張れる」と言っているだけの話です。
筆頭労働者®と社長はまったく別の仕事です。
社長として業績をあげるためのAIを活用したいなら…
作業を速くこなすことに特化したAIの使い方は、一旦外して考える必要があります。 
 

AIの大きな落とし穴——クオリティ問題

もう1つ、現状のAI活用には深刻な問題があります。それがクオリティ問題です。
AIを使って自分が思い描く100%のアウトプットが出てくることはありません。
社長であれば「せめて80%くらいに整えてから出そう」と手を加えますが、従業員はどうでしょうか。

従業員はAIが出したアウトプットを「それっぽく出来上がった、これでOK」と判断しがちです。
AIによって確かに早くアウトプットは出せますが、出てくるものはそれなりです。
本来であれば、早く出た分の浮いた時間でクオリティを上げる作業をして、今までと同じクオリティのものを半分の時間で出せるようになるのが正しいあり方です。

しかし、今起きていることは、30%くらいの時間で、今までの60点くらいの資料が出ている。それをそのまま提出する、という状態です。

で、社長がイライラしながらそれを修正する。
結局、社長の仕事時間は減らない…
むしろ増えている…

これが今溢れているAI情報の一番の問題だと考えています。
中身の質を担保できるのは人間だけです。

社長はある程度クオリティにこだわっても、従業員にそこにこだわるインセンティブはありません。「まあいっか」が積み重なって、60点・60点のアウトプットが当たり前になっていく恐れがあります。

最近、「これ絶対AIが書いてるな」とわかるSNS投稿や文章を見かけませんか?
AIを使うこと自体は問題ありません。Excelで計算するのと同じ、道具として使えばいい。
ただ、AIが書いたままの文章をそのまま出すのは問題です。

AIは単なるレバレッジツールです。優秀な人が使えばより優秀なアウトプットが出て、そうでない人が使えばそのままのアウトプットしか出ません。インターネットが登場した時代、うまく稼げた人はマーケティングをわかっていた人だけだったのと同じ構造です。AIも、賢く設計した人だけがレバレッジをかけられます。
 

社長の仕事をPDCAで分類してみると

ここで一度、直近1週間ほどの自分の仕事を思い出して書き出し、それをPDCAで分類してみてください。
プラン(P)、実行(D)、チェック(C)、改善アクション(A)のどれに当たるでしょうか。

ほとんどの社長はDとAが8〜9割を占めているはずです。
PとCに20%以上使えているという方は非常に少ないです。多くの場合、DとAの実働がほぼすべてになっています。

これが「働く時間が減らない」理由の正体です。
本来、社長の仕事はPとCです。計画を立てること、どう改善するかを決めて意思決定すること——これが社長の本来の仕事です。DとAは実働であり、本来は従業員が担えるものです。

AIを使って仕事が速くなるという話は、DとAが速くなるという話です。今回やりたいのはそこではなく、DとAにAIを介在させつつ、PとCにこそAIを活用することです。これによって働く時間を減らしながら、業績を上げることができます。

業績を上げるための施策案は、社長であれば1つや2つ持っているはずです。「これをやったら業績が上がるのに」とわかっている。しかし、DとAの実働に追われているせいで動けない。動けないから業績が上がらない——これが多くの社長が陥っているサイクルです。

DとAで消費する時間が減り、社長自身が筆頭労働者として動く時間が減れば、その分をPとCに割り当てられます。それだけで業績は確実に上がります。
ただ、わかっていても、それがなかなかできないのが人間の特性でもあります。
そこをどう解消するかが、今回の大きなテーマです。
 

なぜPとCにAIを使うべきなのか?

今のAIのIQは120を超えているといわれています。
大体、東大生のIQが120程度です。
AIがいるということは、東大生が傍にいるようなものです。
しかも24時間、不平不満を言わず、疲れたとも言わずに働いてくれます。
そんな存在が右腕になってくれたら、これほど心強いことはありません。

ただし、東大生でも新卒で入ってきたばかりでは使えませんよね?
頭はいいけれど実務経験はなく、自社の内情もわかっておらず頭でっかち。

では、どうすればいいか。教育するしかありません。
なのに、なぜかAIは教育しないまま使おうとしている。
そこが問題です。

AIを育てることが非常に重要です。
この「社長の右腕AI」という新卒の東大生を、時間をかけて育てていく。
そうすることで初めて、PとCをサポートしてくれる右腕が完成します。

具体的に右腕AIにやってもらいたいことは以下のようなものです。

  • プランとチェックの補助——プランA・B・Cを出してもらい、社長が最終決定する
  • 自分が考えたことの抜け漏れがないか確認する
  • 日常業務のちょっとした意思決定をしてもらう
  • 難しい意思決定については複数プランを出してもらい、選ぶ形にする
  • 自社のお客さんに反応がよい文章スタイルで文章を作ってくれる
  • 社長がアイデア出しをしたいときの相談相手になる

重要なのは、「代わりにやってもらう」のではなく「補助してもらう」という姿勢です。
AIに丸投げして社長がバカになっていくと、AIもどんどんバカになっていく逆スパイラルに入ります。

あくまでAIは参謀、軍師のようなイメージです。最終決定は常に社長が行います。
 

なぜAIは一般論しか返してこないのか?

AIに質問すると、ポンコツのコンサルタントのような一般論しか返ってこない——そう感じたことはありませんか。これはAIの性質上、当然のことです。

今のAIはLLM(大規模言語モデル)によって作られています。
AIが飛躍的に進化した最大の理由がこのLLMの登場です。
LLMはインターネット上に溢れている情報を大量に集め、「この言葉の次に来る言葉として最も可能性が高いものはこれ」という計算を高速で繰り返すことで回答を生成します。

当然ながら、インターネット上の情報は一般論が中心です。
個別具体的な情報は載っていません。
だから個別具体的でない回答が返ってくる。これは至極当然のことです。

ここに、AIを賢くするヒントがあります。
AI業界で今流行っているのは「あらゆるものをデータ化する」ことです。
ウクライナ戦争では監視ドローンで得た爆撃データがAIに蓄積されて戦術が進化しています。

テスラは車に搭載されたカメラで街の情報を収集し、自動運転の改善に活かしています。(トヨタが自動運転で追いつけないのは、この情報量の差があるからです。)

この特性を活かせば、自社のAIを賢くできます。
AIが参照する情報にインターネットの情報しかないから一般論が返ってくる。
そこに自社の情報を加えてあげれば、自社にぴったり合ったAIが作れます。
 

AIに教えるべき3つの要素

では、AIに何を教えればよいのでしょうか。大きく3つあります。 

  1. 社長の意思決定基準 — どういう基準で物事を判断するかをAIに理解させる
  2. 自社の成功パターン— やってうまくいったこと、自社ならではのノウハウを蓄積させる
  3. 儲かっている社長のナレッジ — 世の中で成果を出している社長の知恵をインストールする

この3つを正しく教え込むことで、AIが一般論ではなく「自社に合った答え」を出してくれるようになります。
これが社長の右腕AIの完成です。

ただ、ここには問題があります。
AIが理解できる情報の形式にする必要がある、ということ。
データをいくらためてもAIが理解できなければ意味がありません。

経営的に意味があり、AIが理解できる形でデータを学習させる、ここが最も重要です。
 

右腕AIを作る3つのステップ

上記のデータができればAIが完成するわけではありません。
社員教育するようにAIを正しく教育することで一気に右腕AIは完成します。

  1. 社長の第二の脳を作る — 自社情報・意思決定基準・成功パターンをAIに学習させます
  2. 右腕AIとともに意思決定する— プランA・B・Cを出してもらい、最終決定だけ社長が行います
  3. 従業員も右腕AIのサポートを受けられるようにする — DとAの質をAIが底上げし、全社の生産性を引き上げます。一人で経営している場合であっても、自分自身がクオリティ高くDとAをこなせるようになります。

文字通りAIを右腕において運用していくことで社長とともに成長する仕組みが必要だということです。
 

儲かる会社が必ずやっている25の仕組み

右腕AIに「儲かる社長のナレッジ」を教えるにあたって、まず「儲かっている会社が確実にやっていること」を整理しておく必要があります。それを分解すると23項目になります。半分以上できている社長はほとんどいません。3項目しかやっていなければ、残り20項目はすべて伸び代です。

作る → 改善する → 精度を高めるというサイクルを回していくことが大切で、まずは「そもそもやっていない」ものから手をつけていきましょう。


右腕AIを正しく活用すれば、以上の23項目すべてにおいてサポートしてくれる存在となり得ます。
 

30%の完成度で始めることを恐れない

これ23項目でサポートをしてくれるAIをつくることは難しくありません。
ただ、分量が多いので、心が折れそうになります。

しかし、完璧にやろうとしないでください。30%でもいいので完成させて、そこから改善していくことが大切です。

なぜなら、30%を80%に引き上げていくプロセスそのものが、右腕AIを育てることと一致しているからです。
むしろ30%で完成させた方がいいというのがこの設計の考え方です。

なので、とりあえず作成してみる。
この姿勢がとても大切です。

今回の方法でAIを使い始めた会社と、そうでない会社の差は1年後に確実に開きます。AIが今の設計思想のまま進化し続ける以上、この手法はずっと使えます。今日始めることの複利効果は計り知れません。
 

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