銅の変色と抗菌効果について─銅製品のお手入れ方法
ちょっと意外に思われるかもしれませんが、私たち佐野機工はじつは防犯製品よりも、銅製品を製造してきた歴史のほうが長い会社です。
現在、自社で製造・販売している銅製品としては、
キッチン雑貨(排水口のごみ受け、排水トラップ、三角コーナーなど)
バス雑貨(浴室排水口のごみ受け)
生け花・園芸雑貨
アウトドア雑貨
など、特に水まわりで発揮される「銅イオンの抗菌効果」で暮らしをより快適にすることをめざし、キッチンや浴室などの水まわりの生活雑貨を中心に暮らしを豊かにする銅製品をつくっています。
最近はこの「銅イオンの抗菌効果」が注目され、樹脂製やステンレス製ではなく銅製の生活雑貨の認知度も少しずつ上がってきたように思います。ただ、一般的に浸透しているとはまだまだ言いがたいところです。
そのため、銅製品を使いはじめてから「銅特有の変色」や「お手入れへの疑問」に直面して戸惑ってしまうかたが多い印象です。銅は取り扱いが難しいイメージがあるかと思いますが、ポイントを押さえていただければ銅のお手入れは想像以上に簡単です。
こちらのページでは、銅製品の特徴や末永くお使いいただくためのポイントをわかりやすくご紹介していきたいと思います。
銅の変色は「劣化」ではなく「変化」
まず、クリア塗装(透明な塗料でのコーティング)などを施している場合を除いて、銅製品はかならず変色します。
使用前の銅製品はピンクゴールドに似た色で光沢がありますが、使いはじめると空気や水と反応してすぐに変色がはじまり、斑点状から徐々に広がって最終的には全体が光沢のないマットなブロンズ色へと変化していきます。
銅の色の変化は、10円玉硬貨を思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。
佐野機工の銅製品は、十分な抗菌効果を感じていただくために「無塗装」です。そのためクリア塗装されている銅製品に比べると変色のスピードも早く、すぐに色が変わってしまうことに驚かれるかたも稀にいらっしゃいます。
変色というとネガティブなイメージを持たれることも多いですが、銅にとって変色は不可欠。劣化ではなく必要な変化であることを、次の項目でご説明します。
銅が変色する理由と抗菌効果
銅の変色は「酸化被膜」ができていく過程です。
酸化被膜とは、金属の表面に自然に発生する薄い酸化物の皮膜のこと。
金属が空気や水に触れると酸化反応を起こし、その結果として形成されます。この皮膜は、金属を腐食から守る保護膜としての役割も果たします
佐野機工の銅製品における「酸化被膜」についてご説明すると、
銅を保護する作用があり、長く使用いただくために大切なもの
抗菌力を損なうものではなく、汚れではない
銅が水に触れて銅イオンが溶出している証拠(※水まわり雑貨の場合)
さらに平たくいうと「変色しても大丈夫。むしろ、銅製品を長く使うためには変色は必要」ということです。
変色の進みかたは使用状況によって異なりますが、約1ヶ月前後で全体的にブロンズ色になる場合が多いです。
酸化被膜を保ったブロンズ色の状態でお使いいただくことが、銅製品を長く使う一番のコツです。酸化被膜を落とす手間もいらず簡単で、銅製品も傷めないベストな使いかたといえます。
また、ブロンズ色の状態でも抗菌効果は変わりませんので、安心してお使いください。
日常の銅のお手入れ
銅製品の日常のお手入れは、通常の食器洗いと同じでOK。
キッチン用・浴室用の銅製品ともに、スポンジや亀の子たわしに中性洗剤をつけて洗浄いただく方法をおすすめしています。
油脂が付着している場合は、お湯に中性洗剤を混ぜ、お湯が冷めるまで銅製品を浸けてから洗浄していただくと効果的です。
お手入れの際、塩素系漂白剤の使用はお控えください。銅を傷める作用があり破損の原因になります。
ただし、ふきんや食器などに使用した塩素系漂白剤水溶液をキッチンシンク流す程度であれば問題ありません。詳しくは下記の「よくある質問」をご参照ください。
酸化被膜を軽減するには
前述のとおり、佐野機工の銅製品においては酸化被膜を保った状態でお使いいただくことをおすすめしています。ただ、どうしても酸化被膜が気になり変色を軽減したい場合には、以下の方法のいずれかをお試しください。
酢と塩を1:1で混ぜてペースト状にしたものを塗って磨く
クエン酸水溶液に浸ける
(洗面桶半量程度の水にクエン酸小さじ1杯程度を推奨。効果が弱いと感じる場合は少量ずつ増やしてください。)銅用の研磨剤(ピカールなど)を使用して磨く
上記2つの方法は手軽にお試しいただけますが、酸化被膜とともに製品そのものも溶かしてしまうため、使用前のような光沢はなく、マットな仕上がりになりますのでご注意ください。
製品を傷めずにご使用いただくためにも、酸化被膜を取り除く際には十分ご注意ください。
よくあるご質問
佐野機工の銅製品をお買い求めいただいたお客さまからよくいただくご質問と回答の一部をご紹介します。
よろしければご参考になさってみてください。
❶銅製ごみ受けにくず取り用のネットを使ってもいい?
回答:できれば使わないほうがベストですが、使っても大丈夫です。
ネットを使うとごみ受けとネットの間に隙間ができ、銅イオンが発生しにくくなるため抗菌力が弱くなる可能性があります。そのため、基本的にはネットなしでお使いいただくことをおすすめしています。
ただし、お使いいただいても大きな問題はありません。
佐野機工の銅製ごみ受け(商品名:キッチンバスケット)は、くず取り用ネットを使わない場合でも細かい食品くずなどをしっかりキャッチし、生ごみを捨てやすいよう設計されています。「くず取り用ネットを使わなくなりました!」とおっしゃるお客さまも多くいらっしゃいます。
❷銅の抗菌効果はどのくらい持続するの?
回答:壊れるまで、半永久的に抗菌効果は続きます。
銅イオンは酸化被膜からも溶出するため、製品が壊れて使えなくなってしまわないかぎり、抗菌効果を保ったままお使いいただけます。
佐野機工の銅製品は、長くお使いいただけるよう十分な強度を持った厚手の銅材を使用し製造してます。そのため、何十年も継続してお使いいただいている長年のお客さまも数多くいらっしゃいます。
最近ではコストパフォーマンスの良さや、脱プラスチックの観点からお買い求めくださるお客さまも増えています。
❸緑青(ろくしょう)が発生した!有害なもの?
回答:緑青はさびの一種で、無害です。
緑青は、油の付着や水質などの影響により発生する場合があります。
長いあいだ有害なものだと信じられていましたが、1984年に厚生省(現厚生労働省)が無害であることを認めています。
緑青は、自由の女神像でおなじみの銅特有の経年変化です。
独特で美しい色味から、銅像や建築の美観の一部として親しまれています。
水まわりの銅製品における緑青はお住まいの地域の水質や使用状況によって発生状況が異なるため、発生の予防方法がご案内できかねることをご了承ください。
しかしながら、緑青自体にも抗菌力は十分にあり、さらに銅を酸などによる腐食から強力に守る作用もあります。特に気にならなければそのままお使いいただいても問題はありませんが、酸化被膜と同じ方法で軽減することができます。
緑青について詳しくは、一般社団法人日本銅センターの公式サイトをご覧ください。
❹塩素系漂白剤は使っていいの?
回答:直接の使用は不可。ただし、少量であれば直ちに影響はありません。
塩素系漂白剤には強力な酸化作用があり、金属に錆を発生させる性質があります。銅においても、徐々にではありますが素材そのものを傷めるおそれがあります。
そのため、佐野機工では塩素系漂白剤による製品の洗浄はお控えいただくようご案内しています。同様の理由で排水口に取り付けるタイプの塩素系ぬめり取り剤も使用いただけません。
ですが、ふきんや食器などに使用した塩素系漂白剤水溶液(原液を水で薄めた状態のもの)をキッチンシンク流す程度であれば直ちに影響はありません。塩素系漂白剤水溶液を流したあとに、流水で十分に洗浄してください。
❺銅製品を選ぶときに気をつけることは?
回答:「CuSTAR(旧Cu+)マーク」の取得製品をおすすめします。
一般に販売されている銅製品にはさまざまな純度・配合の銅が原材料として使用されていますが、その純度・配合によって抗菌能力に違いがあることが確認されています。(※出典:一般社団法人日本銅センター)
また、近年は安価な銅製品も販売されており、ごく一部ではありますが銅の純度が低く十分な抗菌効果が得られない商品も出回っています。
そのため、銅の普及を進める一般社団法人日本銅センターでは、「CuSTAR(旧Cu+)マーク」という十分な抗菌効果が確認された認定製品・認定企業にのみ発行されるマークを定めており、佐野機工では全製品に「CuSTARマーク」の認証を受けています。
また、佐野機工では使用している銅材が十分に抗菌力があることを第三者機関によるJIS規格に基づいた試験方法で都度試験しております。
銅製品を購入される際には、純度や抗菌試験の実施などに注目してお買い求めいただけると、抗菌効果を実感できる製品に出会えるかと思います。
佐野機工の銅製品のラインナップ
佐野機工の暮らしの銅雑貨は、直営オンラインショップやAmazonなどでお買い求めいただけます。
KOYOとは、佐野機工の開発製造技術をより身近な商品作りに活かすために開発・販売部門として設立した関連会社です。 主に生け花、園芸用品を開発しています。
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そのほかの銅製品
佐野機工と同じ栃木県真岡(もおか)市に拠点を置くアウトドアギアメーカーのヌルクさんと、銅製のガスカートリッジカバーとクッカーの開発を一緒に行いました。
こちらはこれまでの自社で製造してきた銅雑貨とは異なり、銅ならではの経年変化を楽しむという新たなチャレンジでした。よろしければご覧ください。
以上、今回の記事はここまでです。
お読みいただき誠にありがとうございました。
銅製品について少しでもご理解いただければ幸いです。
佐野機工の銅製品について詳しくは、こちらのページをご覧ください。


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