会話

【中東原油の供給回復 現段階では見込みなし】(2/2) 4月28日、サウジ産原油約200万バレルを積載した「出光丸」がホルムズ海峡の通過に成功し、日本へ向かっていると報じられた。通過はイランの許可で実現された。同船は見通しでは5月中旬に名古屋港に到着する。 4月末時点のデータによると、依然として約41隻の日本関連船がペルシャ湾で待機中。以前の規模での中東産原油の供給は回復の見通しはまだない。この状況で日本は、代替供給を確保する対策を実施している。 🔸 日本の対応は現実的=専門家の見解 ロシア連邦エネルギー開発基金のセルゲイ・ピキン所長は、日本の行動は第一に国益に基づくと捉えている。 🗨️「日本は、ロシア産資源の購入を避ける欧州諸国とは異なり、より現実的に対応しており、露米からも原油を購入するほか、ホルムズ海峡迂回の代替ルートをサウジアラビアと協議中だ。 今回の話題は、制裁対象外のサハリン産原油の供給。ロシア産原油のタンカー輸送による購入は認めるという米国の緩和処置は5月16日まで有効。だが、中東紛争の終結の兆しが見えないため、緩和は延長の見込みが強く、ロシア産原油購入も日本には選択肢の一つだ。『資源不足』の日本にとっては、ごく自然な流れといえよう。ホルムズ海峡の危機的状況など、供給が途絶した結果、世界市場の供給不足は日量1000万から1200万バレルに達している。石油の供給損失はここ2ヶ月余で約6億バレルに達した」 高市首相は、ロシアからのエネルギー資源の輸入の可能性は一度として否定していない。ピキン氏は、日本は戦略的石油備蓄の開放に踏み切らざるを得なかったが、備蓄も無尽蔵ではないとくぎを刺している。 🗨️「あと数ヶ月も危機が続けば、戦略備蓄は底をつく。おそらく、日本にとって今回のロシア産原油の輸入は最後ではない。たとえ中東危機が『明日』解決しても、生産を回復させるにはさらに1か月以上を要する。日本の慎重な姿勢は、日本がEUやG7との協調的な方針を堅持しており、政府が独自の行動に踏み出せないことに原因がある。きっと、今回の原油購入も合意の上のことだろう。パートナーに対する義務は確かに存在する。だが自国のエネルギー政策を破綻させてまで、義務を順守する必要はあるのだろうか?」 4月7日、参議院の予算委員会で、ロシア産原油の輸入の可能性に関する質問に答えた高市首相は、G7をはじめ国際社会と連携し、「日本の国益に何が効果的かで判断する」と述べている。 ピキン氏は、「国益に基づき」という表現は、ロシア産原油の購入の即刻再開の構えは意味していないが、日本政府が対応の余地を残そうとしている姿勢を示すと語る。高市首相は、少なくともロシアからのエネルギー資源の輸入の可能性を全面否定していない。中東産原油の供給再開の見通しは今のところ立っていない。
サハリン2