メジャーで制球難に苦しむ今井達也の「繊細さ」 西武時代には「音信不通になった」過去も
■大量失点後、部屋から出られず 「何年も前ですが、大量失点を喫して試合序盤にKOされた登板があったんですよ。翌日に練習があったんですけど、今井の姿がない。スタッフが連絡を取っても音信不通で。事故に巻き込まれたのかと思って首脳陣や選手たちが心配していたら、精神的に落ち込んで自宅の部屋から出られなかったという。他の投手に示しがつかないし、許される行為ではないのでファーム降格になりましたが、神経が繊細なんですよね。それでも、周囲を思いやれるし優しい性格なのでチームメートには愛されていました。涙もろいしチームのことを思う気持ちは誰よりも強い。言葉足らずな部分があるので誤解されやすいタイプだとは感じますね」 昨オフにメジャー挑戦の意向を表明し、テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」にVTR出演した際の発言も話題になった。西武OBの松坂大輔氏から「ドジャースのようなワールドシリーズ優勝を狙えるチームなのか、ドジャースを倒しにいくのか」と聞かれると、「僕は倒したいですね、どうせだったら」と回答。「もちろん大谷(翔平)選手、山本投手、佐々木(朗希)投手と一緒にプレーするのも楽しそうだなと思うんですけど、ああいうチームに勝ってワールドチャンピオンになるのが、自分の人生にとって一番、価値があるのかなって」と打倒・ドジャースを宣言している。 「今井らしいなって思いましたよ。無難に『ドジャースでプレーするのも、対戦するのもどちらも魅力的だと思います』と返す選手が多いと思いますが、器用な立ち回りをしないというかできない。反骨精神が強くて自分にウソをつけないんですよ。万人受けはしないし、結果が出なければ叩かれるけど、こういう選手がいてもいいんじゃないですかね」(西武を取材するスポーツ紙記者) 現在は戦列を離れているが、今井の投球に現地の期待値は高い。その理由の一つが、唯一無二の軌道を描くスライダーだ。右打者の外角に逃げる球筋だけでなく、利き腕側に落ちるように曲がることも。前出の米国で取材する通信員は「スライダーの概念にはない変化で対戦した打者が戸惑っています。力感のない投球フォームから高めに浮きがる直球も魅力です。NPBとMLBのボールの違いや、球場によるマウンドの傾斜の違いに戸惑いはあると思いますが、環境に慣れて制球力が改善されればメジャーでも十分に通用するでしょう」と期待を込める。 気になる右腕の疲労だが、ブルペンでの投球練習を再開していて、4月中にもマイナーで実戦登板するという。ア・リーグ西地区の最下位に低迷するアストロズは投手陣が不安定で、先発のコマ不足が大きな課題になっている。2017年から24年まで8年連続ポストシーズンに進出した強豪球団だけに、このままズルズル負けるわけにはいかない。チームを立て直して逆襲するため、今井の活躍が不可欠だ。 (AERA編集部)
AERA編集部