ポストコア6キャリアとして考える、PEファンド「Bain Capital」という選択 has loaded

公開

ポストコア6キャリアとして考える、PEファンド「Bain Capital」という選択

2021年11月14日、コア6(Mckinsey&Company、BCG、Bain & Company、Goldmansachs、Morgan Stanley、JP Morgan)の内定者を主な対象としたイベント『Bain Capital x YC Seminar Special program』が開催されました。

日本でも有数のPEファンドであるBain Capital(ベインキャピタル)。企業の事業価値と競争力を高めることを主眼に置き、経営陣や現場メンバーに対してあらゆる角度から支援を実行しています。同社はこれまで外資系コンサル、投資銀行で場数を踏んだプロフェッショナルを中途採用してきましたが、今後はより一層若手採用に注力する方針です。

今回は「ポストコア6」の選択肢として挙げられるであろうPEファンド、ベインキャピタルを知っていただくことで、コア6内定者が早期に将来のキャリアを考えるきっかけとなることを目的として本イベントを開催しました。

本記事では、会社紹介、グループワーク、パネルディスカッションの3部構成で行われた本イベントの中から、会社紹介とパネルディスカッションを中心にレポートします。

東京には特に注力。全世界12兆円を扱うPEファンド「Bain Capital」

林:ベインキャピタルは、1984年に米国ボストンにてベイン&カンパニー出身者が中心となって設立した会社です。ただ、今はベイン&カンパニーとは資本関係はありません。

現在グローバルで12兆円ほどの資金を運用しており、アジアの国々に投資するために作られたアジアファンドが約5,000億弱、日本への投資が約1,100億強という状況です。これまでに世界中で1,000社以上に投資をしています。後でご説明しますが、例えば上場株を買って値段が上がったらすぐ売るというようなファンドではなく、きちんと会社が成長するためのご支援をしてリターンを得るということをやっています。

今東京オフィスには40人のプロフェッショナルが在籍しており、日本で活動するプライベートエクイティファンド(以下、PEファンド)の中では1、2を争う規模です。グローバルで見ても、我々の本拠地ボストンに次いでプロフェッショナルの人数が多いのが東京オフィスとなっており、グローバルファンドの中でも非常に日本・東京オフィスに力を入れているファンドです。

人員構成の特徴として、他のファンドはIBD出身者が7~8割を占める中、ベインの場合グローバルで約7割がコンサルティング企業や事業会社出身です。

事業のハンズオンの支援に力をいれていることから、他のグローバルファンドと比較してプロフェッショナルの人数が多いことも特徴の1つです。ボストンが本拠地なので、人数としては北米が最も多いものの、ヨーロッパやアジアにも百数十人のプロフェッショナルがいます。世の中には「ヘルスケア」や「先端技術」など領域を絞った特化型ファンドもありますが、我々は業界を問わずいろいろな会社に投資しており、幅広い業界の投資経験を持つプロフェッショナルが揃っています

ここで、「PEファンドとは何ぞや?」というところを少しご説明します。投資ファンドは世の中にたくさんありますが、PEファンド、中でもグローバルPEファンドの一つの特徴は、グローバルで様々な機関投資家から多くの資金を集めているところです。先ほど、アジアで5000億円と日本で1000億円、グローバル全体で12兆円とお話ししましたが、日本への投資資金も、グローバルで様々な機関投資家から集めています。

運用の際には、経営のコントロールを目指して殆どの場合はマジョリティの株式を取得し、上場している会社であれば投資にあたって非公開化することも多くあります。きちんと我々がガバナンスを効かせることができるだけの株式を持ち、責任を持ってリターンが出る仕事をするということです。そのときに、自社の資金以外に金融機関からも借り入れをする(LBO)ことで、より少ない投資で大きなリターンを得るというのも特徴です。

投資期間は短くても3年くらい、平均すると約5年程度で、長いと7年くらい持つことになりますが、ディール前から数えるともっと長かったりします。当然のことですが、例えばオーナー企業であれば、オーナーが自分の持っている株をそう簡単には手放すことはなく、パートナーとして信頼を頂いて、ディールを形作るところに時間かかります。長い案件では、オーナーのに最初にお会いしてから7年経ってやっと「ベインとやりましょう」と言っていただけた案件もあります。

ディールになりそうになったら、同時に当然、我々としてどれくらいのバリュエーションをつけてどういうストラクチャーで投資するのかを検討します。売り手・そして書い手としての我々が双方納得できたときに初めて投資ということになります。 

 投資が実行された後は、「ポートフォリオマネジメント」というフェーズに入っていきます。先ほど申し上げたように、事業の価値をきちんとハンズオンで高めていく。そういうプロセスを経て最終的に上場も含めて次の株主へ株式を売却することによってのみ我々はリターンを得るので、先程申し上げたように非常に長い期間のお付き合いとなるということをおわかりいただけるかと思います。

 繰り返しになりますが、我々の一番の特徴は、事業成長と企業価値の向上をハンズオンでサポートするところ。投資としては、会社が成長しなくても「安く買って高く売れればいい」という側面があるのは否定できませんが、ベインでは事業成長のサポートを前提にしているからこそ、日本企業やそのオーナー、投資家に受け入れていただけている側面もあるのかなと思います。

本質的な企業価値とリターンを考えよ。投資の仮説検討を実体験

グループワークでは、参加者14人が3チームにわかれ、PEファンドでの仮説検証のアプローチを考えました。参加者は事前に「PEに入って投資するとしたらどの会社に投資したいか?」を考え、その理由や打ち手を用意してきました。それらをグループ内でシェアし、最終的に1社に絞った上でディスカッションを重ね、アイデアをブラッシュアップします。

2時間20分のグループワークの後、グループそれぞれで作成した資料を基にベインキャピタルの3名の前でプレゼンを行いました。3グループが提案したのは、警備会社、衛生用品メーカー、ドラッグストア。マーケットの概況からみたその会社に投資にすべき理由、企業価値を高めるための打ち手、見込めるリターンをそれぞれ発表しました。

ベインキャピタルのプロフェッショナルたちからは鋭い指摘や質問がされ、「企業の本質的価値を俯瞰して見ることができているか」「その一方で具体的な数字を意識できているか」といった、抽象と具体を行き来することの重要性を感じさせられるフィードバックとなりました。

プロフェッショナルを間近で体感し、トライ&エラーで力をつけた新卒1~3年目

――学生の皆さんには来年就職されるということで、1~3年目あたりでどのようにお仕事されていたのかご共有いただくことからパネルディスカッションを始めていきたいと思います。

嶋津:私は2007年に学部卒でBCGに入り、約5年後にベインに入社しました。BCGでは1ヶ月ほど研修した後にプロジェクトに入りましたが、最初のプロジェクトが衝撃的でした。今でもBCGのパートナーをしているめちゃくちゃ優秀な同期がいるのですが、彼と一緒に仕事をしたときに自分との差を感じて、「このままいくと俺はクビになるのかな」とすごく心配になりました。

私は大学院も出ていませんし、大学時代は飲んだくれていたので(笑)、仮説とか論点とか検証といった考え方に慣れるのに1年かかりました。いろいろな人に教えてもらいながら悪戦苦闘して、ようやく2年目にいいプロジェクトができて、そこからなんとなく歯車が回ってきた感じがしました。本当にボトムから始まって、3~4年目くらいでようやく一人前になってきたという変遷です。

林:私は2011年にATカーニーに入り、5年半ほど勤めました。ベインに来たのが2016年です。ATカーニーでは、例えば有名な方でいうと今のATカーニーの代表である関灘さんなどの下では様々なプロジェクトをご一緒しました。。

特に最初の頃は大変でしたが、勿論学びも多くありました。お客さんに高いコンサルティ

ングフィーを払っていただく立場で、スキル面は勿論ですが、プロとして仕事をするとはどういうことか、ということを関灘さんをはじめとするシニアなメンバーから学べたことが大きいと思っています。そうやって仕事に対する考え方が徐々にわかってきて、3年目くらいになると、プロジェクトの中で自分がお客さんにバリューが出せているかがなんとなくわかってきました。

太田:私も学部を出て新卒でUBS証券に入って、2年くらい後にメリルリンチに転職し、3年弱勤務してから、ベインに入りました。就活のときがちょうどリーマン職の時期だったので逆張りしようと思って、米系のオファーを蹴って欧州系のUBSに入ったのですが、その後すぐ、大リストラの嵐が吹いて。夏の研修の後、同期の3分の1がクビ、1年上の先輩も軒並みクビという状況でした。どうやって周りを蹴落とすか、みたいなことを考えている人もいたように思いますが、私はそこをあまり意識しないようにして。どうやって自分をディベロップメントしていくかを意識していました。

常に意識していたのは2~3年上の先輩以上のことをやれるようになるということです。特に1年目の時にやっていたのは、ミーティングや先輩や上司と話していてわからないことがあったら全部メモしておくこと。それを後で改めてぶつけてみて、「違うな」と思ったことでも溜めていきながら、盗めるものはとにかく盗むようにしました。さらに、多少はできることが増えてきた2年目の頃には、良くも悪くも上司に丸投げされ続けるようなことも増え(笑)経験を積むことができました。その後、3年目になって自分のラーニングカーブが寝てきているな、と感じたので転職することにしました。

コンサルタントや投資銀行からPEファンドに移った理由

――ありがとうございます。そうした3年目までを過ごされて、その後どういう経緯でPEファンドに転職されたのか、その中でなぜベインキャピタルに入られたのかをぜひお聞かせいただければと思います。

嶋津:ある新規事業プロジェクトで、徹夜でめちゃくちゃ考えて「とてもよい提案ができた」と思ってプレゼンしました。するとクライアントはすごく納得してくれたのですが、その部門が会社のヒエラルキーで弱い立場だったこともあって、実際には会社にとってあまり大きなインパクトにはつながらなかったのです。2、3ヶ月の間、ある意味命を削って考えたものだったので、やっぱりインパクトにつながってほしいという思いがありました。

たまたまその時先輩から声をかけてもらって、PEの話を聞きました。「企業価値を高くすることがPEの根源的な価値である」というのが面白いなと。打ち手とコミットメントがはっきりしていて、そういう世界でやってみたいと思い転職しました。今でもコンサルタントは素晴らしい仕事だと思いますが、私にはこちらの方が性に合っていたと思います。

林:僕の場合はマネージャーになるくらいのタイミングで、たまたまベインキャピタルと仕事をする機会がありました。その時も仕事は楽しく、コンサルタントをやめようとは思っていませんでしたが、目の前のベインキャピタルのメンバーが、こちらが提案したことを3日後ぐらいに取締役会に言って動かしているのを見て、これが若いうちからできる仕事って世の中になかなかないだろうなと。自分たちで事業に責任を持って手を動かして仕事をすることに対する興味がわきました。

嶋津の話とも同様ですが、多かれ少なかれコンサルタントやバンカーは最終的に「アドバイザー」という立場にジレンマを感じるような経験をすると思いますが、一方で、前の仕事が嫌いで来た人はあまりいないと思います。バンカーでもコンサルでも学びはものすごくたくさんあるので、皆さんまずは自分の足場固めというか、得意や苦手、何が自分にとって大事なのかなど、自分の仕事の軸を決めていかれるといいと思います。

太田:メリルリンチに転職して、やることも覚えることも多くエキサイティングな日々だったのですが、3年くらい経つと、また成長カーブが寝てきたなという局面がありました。もちろんそれは自分がある程度できるようになったということでもあるのですが、たまたま客先に出向したときに、ビジネスケースを作ろうとしたら全然できないことに気づいて。投資銀行は、こと事業に関してはゼロベースで何かを考えることはあまりない。そこに問題意識を持ちました。

また、当時アソシエイトだったのですが、VP以上になると、いかにディールを取っていくかという営業色が強い仕事になります。そこで自分がサバイブしていけるイメージがなくて、それならもう少し足場を固めたいなと、転職を考えました。当初は事業会社をメインに考えていたのですが、たまたまベインの話を聞いたときに、どうも他のPEとアプローチが違うと。本当に会社にディープダイブしていくし、何人か中の人と話したときに、自分とは違う視点で物事を語っているなという印象を受けて。それを自分のものにしたいなと思って転職しました。

将来的にPEを考えるなら、いろいろなビジネスモデルに触れておけ

――ありがとうございます。ここからは参加者の皆さんから聞きたいことがあればぜひこの機会に聞いていただければと思います。

――(学生)投資銀行に就職する予定です。ベインキャピタルはコンサルタント出身の方が非常に多いと思いますが、投資銀行出身者とコンサル出身者で、業務内容や期待されていることは違うのでしょうか。

太田:あまり変わりません。コンサルにしても投資銀行にしても、スキルの横展開はできますが、PEで必要なスキルが10あるとしたら、1か2の話でしかない。残りの8は入ってからキャッチアップしないといけません。そのキャッチアップする分野が出身によって違うだけですね。

嶋津:最初の半年か数ヶ月だけ、自分の出身に近い領域で仕事をすることが多いですが、あとはどんなバックグラウンドでも基本的に同じ。その中でスキルを広げていくイメージです。ただ、投資銀行から来た方はもう1個パスがあって。「どれだけこの交渉でいい条件のデットを勝ち取るか」といった、“M&A職人”のような世界もあるにはあります。

――何度か「足場固め」という言葉が出ています。事前の学生の質問の中に「戦略コンサルに行った後にPEに行きたい場合、戦略コンサルでどんなプロジェクトを主体的に取りに行くとPEにつながりやすいか」というものがありましたがいかがでしょうか。

林:特定のテーマにこだわりすぎない方がいいと思います。今太田が、PEに入ってから使える前職のスキルは1から2で、残りは新しく学ぶという話をしましたけど、テーマもものすごく広くなりますし、投資先によってエクイティバリューブリッジの形も全然違う。当然、バリューアップの施策も全然違いますよね。だから、幅広くいろいろな経験を積んでいることが重要ではないかと思います。

嶋津:ビジネスモデルにいろいろ触れておいた方がいいかもしれません。BtoBとBtoCでも違うし、粗利が高いモデル、低いモデル、変動費が高いモデル、固定費が高いモデル。ビジネスモデルによって発想が違うので、投資の考え方も違ってきます。そういうのをいくつか経験すると、自分の視点が高くなって、タイプ別でグルーピングして打ち手の引き出しができてくると思います。デューデリジェンスの案件は、私はやったことがなかったのですが、やっておくと、ファンドの人たちが日々どう考えどういうペースで働いているのか、という肌感覚は見えてくると思います。

――(学生)PEファンドでインターンさせてもらっています。上司に「こういう会社に投資したい」と話したところ「それってPEでやる意味ある?」と詰められました。どういう企業ならPEで投資する意味があるのか、基準はありますか。

嶋津:僕は基本的にはリターンが出ることが大事だと考えています。わかりやすく言えば、「本当にその100億円は300億円になるのか?」ということです。会社があらゆる意味で良くなって、リターンがついてくるのであればやるべきという判断をします。

林:今のお話だけでは発言の真意はわかりませんが、1つあるとすれば、「投資することで、会社にとってこういうバリューを出すからこそPEなのである」というような思想が強くて、その思想から外れるものはやらないということならわからなくはないですね。

ビジネス理解と同じくらい重要な「人間関係の構築」

――(学生)ベインキャピタルとしていろいろな企業に提案しに行く際、どこを売りにして提案されるのでしょうか。

嶋津:ハンズオンであることですね。「ハンズオン」はだいたいどのファンドも言うことなのですが、本当の意味でハンズオンできているところは多くないのです。それをわかっていただくためには、実績を見てもらうしかないですね。我々は日本で一番実績があると思うので、それをまずお伝えする。

あとはピッチのときに、「我々から見ると御社は今こういうポジショニングでこうなっています。こんなバリューアップの施策がありますが、今のままだとこれはリソースが足りなくてできないですよね。それならベインキャピタルと一緒にやりませんか?」と、勝手に全部描き切って説明しに行くことが結構あります。そのアイデアのクオリティで割とご判断いただけるかなと思います。

林:キリン堂の例にあるように、ディールソーシング(案件の組成)は本当にオーダーメイドで、何が刺さるかはわからない。最近も2年以上の付き合いのあるオーナーとの打ち合わせで、2時間のうちの1時間45分がオーナーのプライベートの話で、ディールとは直接関係ない話をしていました。

ビジネスの理解ももちろんですが、そうやって人間関係を作って信頼されないと、オーナーにとって自分の子どものような存在でもである会社を売るという決断に至るのは難しいです。これがディールソーシングの難しいところかもしれません。

――ありがとうございます。多くの質問をいただきましたが、時間になりましたので終了させていただきます。ではベインさんから最後に一言いただけますでしょうか。

嶋津:貴重な日曜日の時間をありがとうございました。こんなことを考えながら日々働いているのがPEの人なんだな、ベインキャピタルの人なんだなと思って身近に感じていただけたら嬉しいです。まずは最初の職場で皆さんが成長され、パフォームされていくことを祈っておりますし、もし2、3年お仕事されて、ちょっとPEに興味があるなと思ったらぜひお声がけいただければと思います。今日はありがとうございました。

入塾希望の方は
選考会にご参加ください

YC塾の入塾には、「選考会」を兼ねたイベントへの参加が必要になります。下記から選考会へお申し込みください。

選考会に参加する

運営企業

会社名

Y Capital株式会社

本社所在地

東京都港区南青山2-2-15 WinAoyamaビル UCF6階

設立日

2019年12月9日

© Y Capital K.K. All Rights Reserved.