2026年第1四半期(1~3月)の国産ナフサ基準価格は1キロリットル当たり6万5700円だった。前の四半期(25年10~12月)に比べて100円アップのわずかな変動。原油・ナフサ安を円安によるコスト高が相殺した。第2四半期(4~6月)は中東情勢の緊迫化が2カ月に及び、ナフサの需給バランスがひっ迫した状況が続くなかで金額、上昇幅とも過去最高を大幅に更新する可能性が高い。
第1四半期の国産ナフサ価格は25年11月後半~2月前半のナフサ市況が入着時の為替で円換算されて決まるため、前の四半期から大きな変動はない。この間のナフサ市況は1トン当たり565~590ドル、相関関係を持つとされるブレント原油価格は1バーレル当たり60ドル台~68ドル台後半で推移した。油価は当該期間の大半で60~63ドル台をつけて前の四半期より下がり、ナフサ市況も連動したが、入着時の為替が円安に振れたことでほぼ打ち消した。
ホルムズ海峡の実質封鎖で3月以降のナフサ需給環境は一変しており、4~6月の国産ナフサ基準価格は大幅に上昇する見込み。ブレント油価は2月末比4割近く上昇し、足元は1バーレル当たり100ドル前後で高止まり。このため、2月末に1トン当たり600ドルに満たなかったナフサ市況は3月末(5月前半到着分)に同1200ドル超に達し、6月前半到着分が取引されている足元も同1000ドル前後で推移する。
ひっ迫度合いを示すクラックスプレッドは、2月までは長く適正水準とされる100ドルを大きく下回っていたが、3月末以降、2倍以上の200ドル超が続いている。
中東の戦闘終結にめどが立たないなかで油価・ナフサ市況の大幅下落、需給緩和は期待薄のため4~6月の国産ナフサ基準価格は「1キロリットル当たり12万円程度も想定される」(石油化学コンサルタントの柳本浩希氏)情勢。22年4~6月の8万6100円の過去最高額を優に超える水準で、6万円近くになる変動幅も過去最高となる確度が高い。
日系需要家は着実に非中東産ナフサの調達網を構築する一方、需要が集中するなかでプレミアム価格を追加して購入している。プライムポリマーは3、4月合計で1キログラム当たり120円以上のポリオレフィン値上げを打ち出した理由に、1キロリットル当たり12万5000円を超える4~6月国産ナフサ基準価格の想定を挙げた。塩化ビニル樹脂を2カ月続けて30円以上(1キログラム当たり)ずつ値上げした信越化学工業も同等の水準を見込んでいるとみられる。