Post

Conversation

私にとって小学校時代の組体操のピラミッドづくりは、まさに「社会」そのものの体験でした。一番下にいる子は、上の子の重みを直接肌で感じる。一番上に立つ子は、下で支えてくれている仲間を信頼しなければ立てない。そこには言葉を超えた、強烈な「他者への責任感」と「連帯感」がありました。 今はもう危ないからやらなくていい、というのは理解できます。当然でしょう。でも、あの経験に代わる「体を張った、他者との繋がり」を、今の子供たちはどこで得ているのだろうか、と考えることがあります。 合唱でも、演劇でも、あるいは地域のボランティアでも何でもいい。形を変えて、あの「自分が役割を果たすことで、全体が完成する」という達成感を、日本の教育は守り続けてほしい。
ひとりの子供をクラス全員で待つ日本の小学校教育は間違っているのかーー山崎エマ監督に聞く(前編)

東京のある小学校に密着、生徒や先生の様子を撮影したドキュメンタリー映画『小学校〜それは小さな社会〜』は、その短編が米国アカデミー賞にノミネートされ、フィンランドでは20館以上で上映されるなど世界で注目されました。
その監督である山崎エマさんが、初の著書『それでも息子を日本の小学校に通わせたい』(新潮社刊)を出版。イギリス人の父と日本人の母を持ち大阪で育った幼少期から、海外での生活、近年の作品作りまで詳細に綴る本を、いまなぜ出したのか、その思いを聞きました。 (聞き手:瀬尾傑)
read image description