見解真偽のほどは現状では確認できませんが、仮にこの路線に従って日ロ経済関係を積極的に深めていくことになれば、日本は「侵略国・侵略支援諸国を支える通商政策」を遂行していくということになりそうです。これを「中ロ離間のため」と都合良く解釈している向きもいるようですが、その見方は甘いのではないでしょうか。中国はロシアの制裁逃れを支え、中国とロシアとの経済的な相互依存関係(より正確にはロシアの中国依存)は進展しています。ロシアと北朝鮮との連携も進展中です。さらに、日本が本格的にロシアに経済進出する場合、ロシアが日本に経済制裁の撤廃を前提条件として求めてこないわけがありません。つまり、侵略行為は黙認し、侵略国を支える中国や北朝鮮にも間接的に恩恵をもたらす政策となりかねません。この路線を進めるなら、「経済安全保障」や「同志国との連携」などというお題目は完全に空虚なものと化すでしょう。
コメンテータープロフィール
ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。
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