【体験談あり】青年海外協力隊の応募者が減少した理由|キャリア視点で解説
こんにちは。
青年海外協力隊(現、JICA海外協力隊)としてアフリカ南部のザンビア共和国(以下、「ザンビア」)で実際に活動し、国際協力の最前線を経験した「学ぶ猿」です。
前回まで、①青年海外協力隊に参加するメリット及び②青年海外協力隊に参加するデメリットについて、お届けしました。
これらでも説明の通り、「国際協力の登竜門」として、また様々な待遇面を踏まえて、青年海外協力隊はおすすめできる制度です。
一方、この制度に興味のある方が目にするように、近年応募者は非常に減少しています。
応募者が減少している理由が知りたい
制度として魅力がなくなっているのか
行ってもキャリアにならない可能性がある
そもそも、今の時代に協力隊は必要なのかわからない
などと考える方も多いと思います。
本記事では、具体的なデータを取り上げ、キャリアの視点から応募者が減少した理由を解説します。
JICAの公式見解や新聞の記事にはない、この自由なNOTEの空間だから記載できる、現場経験者ならではの有料級の情報です。
結論~青年海外協力隊の経験は日本のキャリア形成になりにくい
冒頭の通り、国際協力業界に入るには「登竜門」としてよい制度だと思います。
一方、日本でのキャリア形成、年収アップには繋がりにくいのがこの制度の難点です。
日本でのキャリア形成という観点で、この制度の難点が応募者減少の「本質」だと考えます。
JICAの公式見解や新聞の記事にはなかなか記載されない内容ですね。
以下では実際のデータや記事を踏まえつつ、私の見解を解説します。
青年海外協力隊の応募者数のデータ
まずは事実を確認します。
青年海外協力隊の応募者数は以下のように推移しています。
2000年代前半:年間約1万人
2023年度:年間約2000人
一部の記事は、「1990年代のピーク時の年間約1万2000人から2000人を下回る」と報じていますね。
いつどのデータを踏まえるか、によりますが、確かにコロナなどの外部要因がありつつ、確かに減少していますね。
次にこの理由について、JICAの公式見解や一般記事の報道をまとめてみたいと思います。
JICAの公式見解や一般記事による応募者減少の理由
理由①:認知度低下
一部報道では、JICA担当者は「若者の4割は青年海外協力隊の名前を知らない」と述べています。
要するに関係機関の広報が足りていない、ということですね。
このデータはどれほど信用に足りるかわかりませんが、SNS時代にこれが理由だとしたら発信する側の努力不足といえそうです。
一方、「この制度を知ったら若者が青年海外協力隊にいく」という単純な構図ではないと考えます。
理由②:現場ニーズとのミスマッチ
次に、元協力隊員の方が一部報道で述べている理由の一つは「現場とのミスマッチ」です。
その方は、
配属先で、必要とされていないと感じる瞬間があった
青年海外協力隊の要請を出した担当者が異動してしまった
結果として、現場とのミスマッチが起こった
などとお話しされています。
私の経験上、これもよく聞く話です。
一方、一昔前の2000年代や1990年代に協力隊の活動をされた先輩隊員の話もいろいろと聞いた結果、これは昔からある現象です。
私も含めて、多くの協力隊員はこの状態から「現場のニーズ」と「自身のできること」を分析し、実際の活動の計画を立て、できる範囲で実行しています。
昔からある現象だと思うので、これも本質的な理由だとは思えません。
理由③:若者の価値観の変化
別の報道では、社会情勢の変化による若者の価値観の変化を取り上げます。
この報道でJICA担当者は「コロナ後、若者が内向きになっている」と指摘します。
これも一つの理由でしょう。
コロナ後、世界的でも日本でも「自国の課題」に目を向ける風潮が一層強まったと私も感じています。
一方、この報道を見てもわかるように、2000年代前半から徐々に青年海外協力隊の派遣者数は右肩下がりです。
「コロナが理由」というのはやや無理があると私は考えます。
猿の考える応募者減少の本質的な理由
冒頭にある通り、キャリアの視点からこの問題を解説します。
結論として、「青年海外協力隊の経験は、日本でのキャリア形成となりにくい、あるいは収入アップに繋がりにくい」が主な理由だと個人的に考えています。
こちらを順に解説します。
まず、日本で「途上国でボランティアのできるタフで且つ語学力のある人材をとりたい」と考えている企業も一定数あるようです。
例えば、帰国隊員と企業や自治体を結びつけるパートナーというサイトもあります。
一方、このサイトの求人をご確認いただければわかるように、年収や雇用条件が必ずしも良好とは限りません。
日本人の平均年収に達している求人は少なく、非正規雇用の求人も目立ちます。
私の経験上、医療や教育系などの専門性がない、文系の方々は特に「日本で良好な条件でキャリア形成する」という意味では非常に注意が必要です。
文系出身で、大した専門性もなく、帰国後に一般的な就職活動をした多くの友人たちは「就職面接において、青年海外協力隊の経験はほとんど聞かれなかった」と語ります。
私も文系専門性なしで、日本で再就職活動してます。
結果は、ほぼ同様でした(笑)
主に聞かれたのは、語学力を身に着ける根性などについて。。。
なお、JICAは公式サイトで、帰国隊員の年収などについて一切触れていません。
よって、帰国後日本での良好な条件でキャリア形成をしたい、収入アップをしたい場合、この制度には大きな難点があると考えています。
勿論、一部ODA案件に携わる「開発コンサル企業」の場合は違いますが、国際協力業界から離れる、一般的な場合は日本でのキャリア形成はしにくい面があります。
関係機関は、この問題に真摯に向き合い、広報努力や日本の一般企業とのマッチング活動、良好な求人の創出活動により目を向けてもらいたいと思います。
まとめ
以上、猿の経験を踏まえて、キャリア形成の視点からこの問題の解説をしてきました。
冒頭にある通り、「国際協力の登竜門」としてはこの制度はおすすめできます。
一方で、この制度は、日本での良好なキャリア形成につながるか疑わしい面もあります。
すべては本人の努力次第ですが、この制度のメリットとデメリットも踏まえて、皆さんの参考となれば幸いです(私の記事でそれぞれ解説しています)。
記事を見て学びを得た、役に立った、なるほど!といった前向きなご感想等があった場合、一言のコメントと一緒に応援をいただければ幸いです。
記事を書く励みになります。


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