「本格ファンタジー」という語は勝手に使ってはいけないのか?権利者が存在するのか調べてみた
こんにちは、瘴気領域です。
一応コミカライズ経験がある小説書きだったりします。
よろしくお願いします。
そしてヘッダー画像はお昼に作った本格鮭チャーハンです。
いや別に本格要素はどこにもありません。すみません。
さて、なんだかよくわかりませんが、創作界隈では「本格ファンタジー」という語を勝手に使うと怒られが発生するみたいな都市伝説が一部に流布しているようで、「それってマジなん?」と思ったので調べてみた次第。
一般的な常識のある人なら真に受けるはずもない、かなりどうでもいい都市伝説ですので、サクッと結論から述べて、それから根拠を説明しますね。
忙しい方は結論だけおぼえていただければ問題ありません。
■結論
・「本格ファンタジー」という語に権利者は存在しない
・「本格ファンタジー」という語は自由に使ってよい
「本格ファンタジー」という語の商標権は取得されてる?
いいえ、取得されていません。
以下は特許情報プラットフォームでの「本格ファンタジー」での検索結果ですが、ものの見事にヒット数ゼロ件でした。
そもそも、こういう一般的な語を商標登録するのは難しいので、さもありなんというところですね。
出願しても登録にならない商標
1.自己と他人の商品・役務を区別することができないもの(商標法第3条)
i) 商品又は役務の普通名称のみを表示する商標(商標法第3条第1項第1号)
ii) 商品・役務について慣用されている商標(商標法第3条第1項第2号)
「本格ファンタジーカフェ」とか「本格ファンタジーラーメン」くらいまでいけば登録できる可能性はありそうに思いますが、誰かチャレンジしてみませんかね?
エルフコスプレの従業員が接客するコンセプトカフェとか、ワンチャンありそうな気がします。
ラーメン店の場合はヴィーガンですね。ヴィーガンを狙って野菜だしラーメンです。正反対にジビエでも可。
まあまあ、ともあれ。
商標の線から怒られが発生する可能性はなさそうです。
「本格ファンタジー」に著作権者は存在する?
存在しません。
というのが結論なんですが、まあこの辺も少し詳しく。
まず、短い単語のみで著作権を主張するのが困難です。
単語よりも長いキャッチコピーやキャッチフレーズの場合でさえ、著作権が認められるかどうかは争ってみないとわからないライン。
一般的には「単語・造語に著作権は発生しない」と解釈して問題ないでしょう。
耳聡い人であれば、ここで「あれ?でも『ホビット』とか『ビホルダー』は使っちゃいけないんじゃなかったっけ?」と思うかもしれません。
これも実は、単語を使うだけならば著作権法上の問題はないと考えられます。
ただし、設定や見た目まで丸パクリするとマズくなる可能性が高まっていきます。
ネット上では「鈴木土下座ェ門事件」が有名ですけれども、これも名称だけが問題になったのではなく、巨大な目玉の化け物という見た目までそのまんまだったからマズかったんじゃないかなあと推測してます。(真偽不明)
マジレスすると、商標登録されている語(ここでは「ホビット」)を、作品内の特定の種族の名称として用いても、商標権侵害にはなりません(他の権利侵害も生じない)。 https://t.co/QnsYiNtIyj
— 弁護士 小林航太 (@yomimate) January 16, 2024
まあ、あくまでも原則の話で、単語を使っただけでもパテントトロール的なムーブで嫌がらせの訴訟等を起こされる可能性は否定しきれないんですけどね……。
「本格ファンタジー」という語を作ったのは誰?
前項の話をひっくり返しちゃうんですが、万が一にも「本格ファンタジー」という単語に著作権が認められたとします。
では、著作権者は誰かと言うと、当然「本格ファンタジー」という語を作った人ですね。
……これ、ガチで調べるととんでもなくヤバい労力が見込まれるので、ちょっとサボって国会図書館デジタルコレクションの「本格ファンタジー」の検索結果を紹介しておきます。
これで調べただけでも、1968年まで用例が遡れますね。
本文を読めていないのでアレなのですが、1973年の用例(画像最下)では
『いわゆる本格ファンタジー』
という表現がされており、「本格ファンタジー」という単語が特定の何かを指すのではなく、ジャンルや概念を指す一般名詞として使われていた状況が伺えます。
ともあれ、「我こそは『本格ファンタジー』の発明者でござい!」と主張したい人は、少なくとも1968年より以前に「本格ファンタジー」という語を使っていたという証明をしなければならないでしょう。とっても大変そうですね。(なお、本当の初出はもっと遡れるんじゃないかなと思ってます)
「本格ファンタジー」を使っちゃいけないのなら、他に怒られが発生すべきところがもっとあるんじゃないの?
誰が言ったか本格ファンタジー。
初出は不明ながら、わりとあちこちで見かけるフレーズですよね。下記に「本格ファンタジー」という語の商業利用の例をいくつか挙げてみましょう。
大手出版社やコンテンツプラットフォーマーが普通に使ってますね。
あとゲームの惹句としても結構見かける印象があります。
ネットマーブル最新作本格ファンタジーRPG『セブンナイツ Re:BIRTH』事前登録受付がスタート⚔️https://t.co/tZvHLd9duS
— AppMedia情報局 (@appmedia_news) May 22, 2025
大人気作『セブンナイツ』の正統なリメイク作品。
原作のゲーム性を継承しつつ、現代的なゲーム要素や最新トレンドを取り入れ、さらなる進化を遂げる🌠#セナリバ pic.twitter.com/YLY5WoKvR3
『幻想クロニクル』家庭用ゲーム機版&PC(Steam)の配信が本日(2/16)開始
— ファミ通.com (@famitsu) February 16, 2024
仲間と守護獣の絆がキーとなる本格ファンタジーRPG。家庭用ゲーム機・PC版からキャラステータスや練成書など一部データを引き継いで、新しくゲームを始めることができる機能が追加に。
https://t.co/Z6KEywvPjD pic.twitter.com/C205Azr8mu
もし万一、「本格ファンタジー」という語の使用に対し何らかの権利を行使できる存在がいると仮定しても、SNSで「本格ファンタジー」と呟いた人間なんかより、これらの企業への対応を優先するべきでしょう。
もしそれをしていないのであれば、「大企業に喧嘩を売るのは怖いけど、一般人なら腰が引けて黙るはずだ」という考えを持っているためなんじゃないかなあと邪推してしまいます。
結論
意外性も何もありませんが、
「本格ファンタジーという語に権利者はおらず、使用を制限できる者は存在しない」
という結論になります。
もしもこの結論に誤りがあるなら、「本格ファンタジーという語の権利者は〇〇である」と証拠とあわせてご提示いただければすぐさま訂正をさせていただきますので、コメントなどいただければ幸いです。


論点のすり替えをしていますが、反省の意志がないという証拠を積み上げているようにしか見えません。まあ反省の意志は無いのでしょうけれども。 ここに現実を一部置いておきます。 https://note.com/kadas_blue/n/nc997455310ff