分かっているとは思うのだけれど――いや、分かっていない人も多いのかもしれないが――『文春』が報じたことは、単なる「よくある選挙戦術」の程度問題ではない。「大量の匿名動画による攻撃」や「アルゴリズムをハックした拡散」は、デジタル・ファシズムの典型的な戦術である。それが日本の政治風土に持ち込まれた、ということなのだ。これは一政党の選挙戦の問題にとどまらない。プロパガンダの情報技術が、民主主義を内側から解体する段階に入ったことを示している。その危機意識が、私たちの社会にはあまりにも弱すぎるのではないか。