目次
教育目的
本オリエンテーションは、アーキトレンド操作を中心に、
意匠チームの中でスピードと正確さをもって作図業務を遂行できるCADオペレーターを育成することを目的としています。
前提の考え方
CADオペレーターは 「作業者」 という立場に立ち、
法的判断・設計判断・対外調整は 意匠ディレクターの責任範囲 とします。
その上で、
与えられた指示を正確に実行する
不明点・懸念点を即座に報告する
作業過程で気づいた改善点を遠慮なく共有する
という “受け身ではないプロフェッショナルな作業者” を目指します。
本教育のゴール
アーキトレンドの操作習熟ではなく、
コモハウスが定める以下の要素を理解・実践できることを目的とします。
① 業務フローの理解
案件初動から納品までの一連の流れを正しく把握し、
各工程で求められるアウトプットと連携ポイントを理解して動ける。
② マインドと姿勢の共有
「チーム全体で案件を進める」という共通意識を持ち、
報告・連絡・相談のスピードと精度を高める。
指示をただ待つのではなく、気づいた点を積極的に共有し、改善に貢献できる。
③ 図面体裁と品質基準の統一
コモハウスの標準図面フォーマット、表現ルール、命名規則などを理解し、
誰が作成しても同じ品質で納品できる状態を再現する。
④ チーム連携の実践
意匠ディレクター、構造設計者、本部などの関係者と連携し、
連絡途絶・納期遅延・作業ミスを防止する報連相を実践する。
補足
本教育の目的は「ツール操作」ではなく、
“コモハウスというチームの一員として動ける作業者”の育成 にあります。
すなわち、
アーキトレンドを「扱える人」というだけでなく、「コモハウス仕様で再現できる人」になること。
教育到達イメージ
項目 | 到達レベル |
|---|---|
コモハウスフロー理解 | 案件初動~納品までを一貫して理解し、迷わず動ける |
報連相 | 12時間ルールと反応アクションを完全に実践できる |
作図体裁 | 図面体裁・命名・表現ルールを完全再現できる |
品質意識 | チェックリストを運用し、ディレクター確認を前提に精度を担保できる |
チーム連携 | ディレクター・構造担当と適切に情報共有・連携できる |
教育構成(全5章)
章 | テーマ | 主な目的 | 実践スタイル |
|---|---|---|---|
第1章 | チーム連携マインドと報連相ルール | 密な連携を成立させる | チャット演習/報告テンプレ実践 |
第2章 | チーム構成と役割の理解 | 自分の立ち位置を明確化 | 分掌表を使った説明/ワーク |
第3章 | 事前検討作業の実施方法 | 指示内容の正確な実行 | ディレクターとの連携作業 |
第4章 | Besosia・MAI案件ルールとチェック運用 | 案件別ルールの習得 | 実案件でのチェック運用 |
第5章 | 案件スケジュールと納品管理 | 納期遵守と計画的作業 | 案件管理表の演習+OJT |
第1章 チーム連携マインドと報連相ルール
目的
「チームで仕事をしている」という意識を全員が共有し、
作業の止まり・情報の途絶を防ぐ。
内容
12時間ルール:どんな状況でも連絡を12時間以上空けない
チャットリアクションルール:即反応・即返信を意識(了解・確認中でも可)
進捗報告フォーマット:簡潔+数値化
【進捗報告】A-08-1 平面図修正
・完了率:80%
・残作業:換気検討反映
・提出予定:10/10 午前
報告より前に“共有” の習慣をつける
ゴール
「今どの作業が・どの状態で・誰が持っているか」が、チーム全員に見えている状態。
第2章 チーム構成と役割の理解
目的
自分の担当範囲と、他メンバーの役割を正しく理解することで、報告・相談のタイミングを誤らない。
内容
ポジション | 主な役割 |
|---|---|
本部(申請管理) | 審査機関対応・納期監視・リマインド通知 |
意匠ディレクター | 案件全体統括推進役/法的・設計判断/クライアント・構造連携 |
CADオペレーター | 指示に基づく作図/修正反映/成果物納品 |
申請図書作成担当者 | 図面以外の図書作成・役所持ち込み担当 |
構造設計パートナー | 柱・耐力壁位置調整/構造図作成 |
補足
意匠ディレクターの判断が最優先。
CADオペは「実行責任者」ではなく「再現担当者」としてディレクターと密に連携。
ただし、図面上の矛盾・懸念点に気づいた場合は、そのままにせず報告。
第3章 事前検討作業の実施と共有
目的
ディレクターから依頼されたプラン相談段階での事前リーガルチェック作業を、正確に・迅速にアーキトレンドで再現し、結果を即共有する。
内容
検討項目はディレクターが指定
(例:面積チェック、斜線チェック、天空率算定(できる方のみ)、避難経路確認など)
法的判断・設計判断は行わなくてよい
アーキトレンドでの設定操作と結果をそのまま共有が主な役割
不明点は必ずディレクターへ確認
気づいた点があればコメントとして共有(例:「北側斜線ギリギリでした」など)
ポイント
「判断」ではなく「報告」が仕事。精度よりスピードを優先して、ディレクター判断を早く促す。
第4章 Besosia・MAI案件の作図ルールとチェック運用
目的
案件ごとの作図ルール・範囲・表現ルールを正確に再現し、チェックリストを活用して精度を担保する。
内容
Besosia案件:作図含めた作業フロー、外構計画・耐火リスト・仕上表等の作図ルールを理解
MAI案件:作図含めた作業フロー、立面表現・GL記載・仕上げ表統一など
各案件専用の「チェックリスト」に沿って作業
作業完了後、図面+チェックリスト(記入済)をセットで納品
ディレクターはチェックリストを参照し、再チェック・承認
目的
作業精度を個人依存にしない。“誰が作っても同じ品質”を目指す。なお、チェックリストに対するフィードバックがあれば、積極的に実施してください。
第5章 案件スケジュール・納品フローの理解
目的
案件全体の進行を把握し、自分の作業計画を立て、納期を厳守できる状態を作る。
内容
依頼から初期図作成までは原則7日以内
修正対応は2日以内が目安
各工程の進捗はNotionまたはチャットで共有
納品はGoogleDrive指定フォルダへ格納(命名規則統一)
自己チェックを経てディレクター確認→納品確定
納期感覚の基本
「納期=図面の完成日」ではなく、「社内確認・修正完了を含めた期限(クライアントへの納期の3日前に社内チェック依頼など)」で逆算する。
OJT実施体制
フェーズ | 実施内容 | 担当 |
|---|---|---|
案件1~2件目 | コモハウスのサポート担当がイベントごとに伴走・確認・指導 | CADサポート担当 |
案件3件目以降 | 自走・週次レビュー | CADオペ本人+ディレクター |
月次 | 作図精度と報連相品質の振り返り | 本部+ディレクター |
評価基準
項目 | 評価ポイント |
|---|---|
連携・報告 | 12時間ルール遵守、即反応、共有の質 |
作図スピード | 依頼〜納品までの平均日数 |
作図精度 | チェックリスト活用率、修正再発率 |
改善意識 | 気づきの報告回数、改善提案の有無 |
納期遵守 | 遅延報告・対応の適正さ |
教育完了時の理想像
「自分の手が止まるとチームが止まる」
その意識を持って、
指示を正確に実行し、報告を欠かさず、
品質・スピード・連携のバランスをとれる実務者へ。