街に並ぶ看板と、少女たちを取り巻く搾取
女児・少女たちはどこから集められているのか。
「多くは農村の少数民族出身です。家計を支えるために都市へ送られ、結果として売春に身をおき、搾取されるケースが少なくありません」(同)
レストランで働けると言われて都市に来たものの、賃金が低く、性的サービスをせざるを得ない状況に追い込まれるケースもあるという。
児童買春は深刻な人権侵害に当たるだけではない。被害を受けた子どもたちの苦しみは長期間にわたり、数十年後に買春されたときの様子がフラッシュバックし苦しめられることもある。子どもたちを守るために、何が求められるのか。
かものはしプロジェクトの担当者は「多層的な対策を講じていく必要がある」と語る。
「売春の背景に搾取の構造がある以上、貧困問題を解消するだけでは十分ではありません」
同プロジェクトが力を入れたいと考えているのが、現地NGOと連携した警察への支援だ。警察に摘発の手法や記録の残し方などをトレーニングし、能力向上を後押しする計画だという。
「現地のNGOリーダーたちによると、現地の警察官にも子どもを守りたいと考えている人は多くいるが、予算や知識が不足し、体制が整っていないため、十分に機能していない面があるといいます。『時間はかかるが状況は変えられる』と語ってくれました」(同)
1月からは、現地の団体と協力し、日本人観光客向けに、日本人買春者の逮捕を伝えるリーフレットを、日本人観光客がよく行く場所に配布する活動も開始した。買春者が直前で踏みとどまるための「最後の一押し」になればという思いからだ。
「ラオスなら許される」という思考と、社会の責任
そして、根本的な解決のためには「加害者へのアプローチも重要」と話す。
「自国では行わない児童買春を『ラオスなら許される』と考えてしまうのは、加害の罪の意識の欠如や依存症的な問題も潜んでいると思います」(同)
薬物やアルコール依存と同じように、根源的な構造を変えていく多層的なアプローチが不可欠という。特設サイト上では、啓発や警告だけでなく、自らの加害を止められない人への匿名相談窓口も設置している(https://kodomo-kawasenai.net/)。
「一つの取り組みだけで解決できる問題ではありません。現地の人たちと連帯しながら進めていくことが、時間がかかっても子どもたちを守ることに繋がります」(同)
児童買春は「遠い国の問題」ではない。この連鎖をいかにして断ち切るか、社会の責任が問われている。
(AERA編集部・野村昌二)
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