1991年2月27日
学校の廊下を歩きながら急にフラっとした。倒れることはなかったが、この感じが今の僕なのだと思った。もう中学校も卒業だというのに、僕は最近、すっかり元気がなくなってしまった。頭にずっと靄がかかっていてすっきりしない。さっき下級生の女子が、すれ違いざまに僕の方を見て笑った気がする。もしかして僕は彼女たちが思わず笑ってしまうような恥ずかしい存在なんだろうか。僕はもう本当にみすぼらしい。
保健室の前を通る。保健の先生は優しいけどちょっと迫力がある。元気がないときに会うのはきついから、足早にその場を去ろうとする。不意に緑色の掲示板が目に入る。「その症状、ズバリうつ病ではないですか⁉」中学保健ニュースの冒頭にある大きな見出し。僕は足を止めて、恐る恐る引き返す。「悲しく憂うつな気分が続く」「何事にも意欲を持てず喜びを感じない」「疲れやすく、何もやる気になれない」「自分に価値がないように思える」……。なんと全部僕のことが書かれている。
胸の奥がずんと重くなる。お母さん、僕はうつ病という病気に罹ったかもしれません。ごめんなさい。お母さんの悲しむ顔が見える。ごめんなさい。あ、僕が今これを読んでいるのを誰かに見られなかっただろうか。僕は半笑いの醜い顔で掲示板から離れる。
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