一部の関係者によって大学間の格差が拡大
審査結果について、アドバイザリーボードの意見は公表されているものの、誰が発言したものなのかは不明だ。巨額の助成を長期にわたって行うにもかかわらず、どのようなプロセスで選定されているのかについては不透明と言わざるを得ない。この仕組みには大学関係者からも疑問の声が上がっている。
教育学が専門で、国際卓越研究大学制度に反対の声をあげてきた京都大学大学院の駒込武教授は、審査にあたるアドバイザリーボードの問題点を指摘する。
「大学の研究力を上げたいのであれば、大学単位でお金を出すのではなく、研究グループ単位で出すべきです。それに研究計画の審査は専門家の集団が行うべきでしょう。アドバイザリーボードのメンバーは内閣府の委員会の常連や財界人ばかりです。このような人たちが、何を基準にして国際卓越研究大学を選んでいるのでしょうか」
同じく教育学が専門の北海道大学大学院の光本滋教授は、大学間の格差を広げるものだと批判する。
「国際卓越研究大学は、もともと大学間の格差が大きいと言われてきた中で、格差をより一層広げる政策です。研究力の底上げとか、大学の質の保証とは逆の方向です。さらに、認可された東北大の体制強化計画を読むと、学内の研究者の処遇にも大きな格差をつけていく感じがします。このような方向性でいいのか疑問です」