NPT再検討会議、中国が日本を批判 官邸高官の発言引き合いに応酬
米ニューヨークで開かれている核不拡散条約(NPT)の再検討会議で29日、中国が日本の官邸高官の発言などを引き合いに日本を批判する場面があった。日本側も反論し、応酬が続いた。 【写真】核不拡散条約(NPT)の再検討会議で一般討論演説を行う中国外務省の孫暁波・軍縮局長(手前)=2026年4月29日、米ニューヨークの国連本部、田中恭太撮影 中国外務省の孫暁波・軍縮局長は一般討論演説で、日本の官邸幹部が昨年12月に「日本は核兵器を保有すべきだ」との考えを報道陣に示したことに触れ、「NPTの権威と信用性を著しく損なうものだ」と批判した。 さらに日本が「平和主義の憲法と非核三原則を改正し、長距離攻撃能力を高め、同盟国による核兵器を領土内に配備しようとしている」と主張。「国際社会は強く警戒し、日本に対する監視と検証を強化しなければいけない」と訴えた。 これに対し軍縮会議日本政府代表部の市川とみ子大使は、答弁権を使い「日本はNPTの堅固な擁護者だ」と反論。「日本政府は非核三原則を政策指針として掲げ、これらの原則の下では核兵器の導入は認められていない」と説明した。日本の全ての核物質は国際原子力機関(IAEA)により、平和的活動にとどまっているとの評価を受けているとも強調した。 中国側はこの説明を「あいまい」とし、高市早苗政権の発足以降「日本による核兵器保有の追求の問題が現実になっている」と主張。今回の再検討会議では「日本の核活動に対する監視」の議論がなされるべきだと訴えた。 市川氏は再び発言し、非核三原則のもとでは核兵器の保有や共有が認められていないと強調。「核兵器のない世界」の実現に向けて引き続き取り組んでいくと述べた。 中国は、昨年11月にあった高市首相の台湾有事に関する国会答弁に反発。以来、国連内の会合でも日本批判を展開し、日本も反論する流れが続いている。(ニューヨーク=田中恭太)
朝日新聞社