「ギュイイイン!」隣室の無許可DIYで回線をブチ切られたVTuber…損害賠償請求はできるのか? 弁護士に聞いた
VTuberの休業損害、請求できる可能性は
配信者や在宅ワーカーなど、ネット回線が仕事に不可欠な人の場合、使用できなかった期間の「休業損害」(本来得られたはずの収入)を請求できるかも重要な論点となる。 宮寺弁護士はこの点について、まったく収入が得られなくなったと主張する場合には「仕事の内容も問題になってくる」とし、固定回線への依存度が高い業務ほど請求が認められやすいと説明する。「酒輪さんのようなVTuberの場合や、配信者のような仕事は、回線速度が速い固定回線がないと配信が著しく困難なので、休業損害の請求が認められる可能性がある」との見方を示す。 一方で、固定回線への依存度が低い業務の場合、「固定回線が切断されても直ちに仕事の遂行が不可能にはならないので、休業損害は認められにくい。ただし、代わりに別のネット回線を利用したというのであれば、それ自体が損害になる」と話す。 休業損害の額の算定方法については、「個人事業主であれば、確定申告や直近3か月の平均収入をもとにするなどして、回線が復旧するまでの期間を日割りで計算して請求する形が一般的ではないか」と解説。 ただし、「VTuberや配信者の方々は、事前に決められた日時にプロモーションの配信をすることで得られる案件収入などがあり、1日働けなくなったから、いくらの損失が生じたというような業界でもないと思うので、どこまで算定できるかという問題はある」とも付け加えた。 実際、酒輪さんはX上で「悔しいけどうちは毎日〇万スパチャ貰ってるとか、毎日動画投稿しててそれが出来なかった分の再生数が〜とかの分かりやすい損害がないのでお隣さんに請求するもんがない」と自身の境遇を述べている。 在宅勤務やオンライン配信が当たり前となった現代社会。ネット回線はもはや単なる通信手段ではなく、生活と収入を支える「ライフライン」だ。賃貸物件での無許可工事は人の生活を奪いかねないという点でも避けるべきだろう。
弁護士JPニュース編集部