「なぜ24時間、客が絶えないのか?」福岡発の豚骨ラーメンチェーン、66年続く理由が一口でわかった
■川崎駅の『一蘭』さんにお邪魔してきました。
街の喧騒が消えた深夜。それでも、この赤い灯りの前だけは人の流れが途切れません。
昭和、平成、そして令和。時代が激変する中で、24時間365日、全国どこで暖簾をくぐっても「あの味」に再会できる安心感は、もはや当たり前のようでいて、冷静に考えると異常とも言える光景です。
一人静かにカウンターへ向かえば、そこには60年以上の歴史を凝縮した、あまりに潔い一皿が待っていました。
外観
ビルの合間に浮かぶ赤い看板をくぐれば、そこは元祖「味集中カウンター」が並ぶ異空間。
正面と隣席を仕切るこのスタイルは、今や世界が注目する一蘭独自の知恵です。周囲を気にせず、ただ一杯の美味と対話する。
券売機
かつては「強気な価格設定」の代名詞のように感じていたこの一杯。しかし、昨今の急激な物価高騰で1,000円超えのラーメンが当たり前となった今、一蘭が大きく価格を変えずに踏みとどまっていることに、むしろ一種の「誠実さ」を覚えます。
深夜料金の設定も、24時間このクオリティを守り続けるための正当な対価として、今や違和感なく受け入れられるようになりました。
オーダーは「こい味・超こってり」に、にんにく1片。ねぎは白青の両方を選び、秘伝のたれをあえて「1/2」に抑え、麺は「かため」で。
ラーメン
運ばれてきた瞬間、計算尽くされたその佇まいに目を奪われます。中央に鎮座する「赤い秘伝のたれ」が、白濁したスープの上で鮮烈な存在感を放ちます。
この一杯のために特別に開発されたという有田焼の重厚な丼が、スープの温度を極限まで保ち、最後の一滴まで最高級の状態で楽しませてくれました。
麺リフト
自社工場で日々生産される特製の細平打ち麺。スープをたっぷり持ち上げ、口の中でパツンと弾ける食感。
この「超生麺」の鮮度を保つため、「15秒の掟(出来上がってから15秒以内にお客様に届ける)」を徹底しているというから驚きです。
スープ
一口含んだ瞬間、「なぜ続くのか」が腑に落ちました。雑味が一切ない、純度の高い豚骨の旨味。
40人以上の専属職人が研究を重ねたスープは、世界で初めて「とんこつ特有の臭み」を完璧に取り除いた歴史を持ちます。
中央で存在感を放つ「赤い秘伝のたれ」が溶け出すと、30種類以上の材料が織りなす重厚なコクが押し寄せます。
トッピング
スープの温度を下げないよう計算された厚みのチャーシュー。そして、彩りと食感のアクセントを加える新鮮なネギ。主役であるスープと麺を際立たせるための、極めてストイックな構成です。
「一口」で納得し、気づけば最後の一滴まで飲み干していました。24時間いつ訪れても、その体験が変わらないという事実に、あらためて驚かされます。
1960年の創業から積み重ねてきた味が、66年という時間を支えてきたのでしょう。丼の底にある「この一滴が最高の喜びです」という言葉を、今日も自然と確かめてしまいました。
店舗情報
所在地 神奈川県川崎市川崎区砂子2-4-5
アクセス 川崎駅徒歩3分
座席数 カウンター29席
定休日 なし
営業時間 24時間営業