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公募開始から認定されたのは2大学だけ

異常である理由のもう一つは、「審査が不透明な点」だ。国際卓越研究大学は国立・私立問わず公募が行われ、CSTIの議員らによって構成される有識者会議のアドバイザリーボードが、認定する大学を選定する。しかし、議事録は公開されていない。

国際卓越研究大学の公募は、これまで第1期と第2期が実施された。第1期は'22年12月23日から'23年3月31日までの期間で行われ、認定された大学には'24年度から助成が始まることになっていた。

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申請したのは、東京工業大と東京医科歯科大が統合して'24年10月に設立予定だった東京科学大と、早稲田大、東京理科大、筑波大、名古屋大、九州大、京都大、東北大、東京大、大阪大の10大学。どの大学も世界最高水準の研究大学になることを目指した計画を策定し、申請した。

アドバイザリーボードによる審査の過程で、'23年6月に東京大・京都大・東北大の3大学に絞られた。同年9月1日には東北大だけが「候補」になったと公表され、一定の条件を満たした場合に認定するという留保が付された。

留保については、「アドバイザリーボードが付す条件を踏まえ、体制強化計画の磨き上げや、合議体の設置等のガバナンス変更準備を行い、その状況についてアドバイザリーボードで継続に確認する」と説明されたものの、具体的な内容はわからない。

また、合議体とは運営方針会議のことだ。学長と学内関係者、それに学外委員で構成する最高意思決定機関として新たに立ち上げる必要があった。運営方針会議はその後、国内トップレベルの大学である東京大、京都大、大阪大、それに名古屋大と岐阜大を運営する東海国立大学機構にも設置された。委員は文部科学大臣が承認する。CSTIやアドバイザリーボードと同様に、政府の影響力が強まる仕組みだ。

【後編記事】『国立大学を「稼げる大学」にする“政府の愚策“…無理難題を押し付けられた「2つの超有名大学」で生じている「知られざる歪み」』では、さらなる実態を詳報する。

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