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2026.05.05 15:30

22歳の開発者が「Claude Mythos」を推定・構築、公開プロジェクト「OpenMythos」開始

photo for everything - stock.adobe.com

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Anthropic(アンソロピック)がこの春に、強力な新モデル「Claude Mythos」(クロード・ミュトス)を発表すると、企業や各国政府に衝撃が広がった。Anthropicは、この汎用モデルについて、まだ誰にも知られていないソフトウェアの脆弱性を発見できると主張した。

同社はMythosをすぐに世界へ公開するのではなく、重要なソフトウェア基盤を構築・保守する大手企業のサイバーセキュリティ専門家に提供した。そして、一般公開前にバグを見つけて修正するために使うよう求めた。

ところが、それから2週間も経たないうちに、22歳の開発者カイ・ゴメスが、Claude Mythosをこれほど強力にしている中核設計について、根拠に基づく推測を行い、Anthropicの突破口に迫る公開プロジェクト「OpenMythos」を発表した(編注:ソースコードのみ)。ゴメスのコードは、草原の野火のような速さで研究コミュニティを駆け抜けた。

この出来事には、驚くべき含意がいくつもある。独学の開発者が、数十億ドル(数千億円)規模の研究所による構造的なイノベーションを数日で推測・構築できるのなら、AIアーキテクチャをめぐる独自技術の競争優位性はすでに消滅したのかもしれない。ゴメスのOpenMythosは、開発者がノートPC上でこれらのモデルの効率的な版を訓練・実行することを可能にするもので、現在建設が進む巨大で電力消費の激しいデータセンターに長期的に依存することの妥当性にも疑問を投げかける。

そして最も重要なのは、各国政府がもはや、AIの秘密が一握りの手に留まり続けるとあてにできなくなったことだ。世界中の何千人もの個人や小規模チームが大手AI企業の成果を独立に推測・構築できるとすれば、高度な能力が拡散していく中で、世界規模で安全性を確保する取り組みはますます複雑になり、ほとんど不可能に近づいていくだろう。

ゴメスの経歴は、機械学習の世界に入る典型的な道筋とは違う。彼はマイアミ近郊で育ち、子どものころからコードを書き始めた。高校を早く離れ、大学には進まなかった。その代わり、コードによって実績を築いてきた。

彼はまた、多数のAIエージェントを連携させるためのフレームワーク「Swarms」を作り、緩やかな研究集団である「Agora AI Labs」も立ち上げた。これらのプロジェクトは、従来型の組織の外側で生まれた小さなエコシステムを形づくっている。

次ページ > OpenMythosの中核にある考え方

翻訳=酒匂寛

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2026.04.24 11:00

飲食ビルの新たな収益モデル 共用部を価値化する「D-Scape 神田鍛冶町」の設計思想

空間価値が面積効率から体験へと移る時代。ダイワハウスが開発した飲食ビル「D-Scape神田鍛冶町」は、縦の回遊性という発想で新たな街のかたちを描く。


※ゼン・ランド TEMPOLY お問い合わせフォームに遷移します

今、飲食ビルの空間価値が大きく変わろうとしている。オフィスにおけるABW(Activity Based Working)が座席ではなく行動をデザインし、ライフスタイルホテルが宿泊を超えた交流の場を創出しているように、箱としての空間提供から、利用者の自発的なふるまいを引き出す仕組みへの転換である。ダイワハウスが神田で展開する飲食ビル「D-Scape神田鍛冶町」(以下、D-Scape)もまた、この潮流に対する野心的な挑戦といえる。

本来エレベーターは各フロアをスムーズに移動するための装置だが、こと飲食ビルにおいては、その効率と引き換えに、空中階は扉が開くまで店内の様子を見ることができないブラインド空間となっている。そのため、上層階に位置する店舗は新規客の心理的ハードルを上げ、集客を予約サイトなどに依存せざるをえない状況を招いてきた。「D-Scape」はこの構造的な分断を、独創的なデザイン設計によって解消しようとしている。

「入り組んだ路地に多彩な飲食店が連なる神田の街をイメージし、各階を垂直につなげる構造を取り入れることで、縦の回遊性を生み出しました」

本ビルを設計したキー・オペレーション代表取締役の小山光(以下、小山)はそう解説する。

地上10階、地下1階から成る「D-Scape」は各フロアに店舗が入居する飲食ビルだが、特徴的なのは、すべてのフロアが屋外階段でつながっている点にある。これは訪れるゲストの好奇心を刺激し、上層階へと誘う動線となっている。階段を上るごとに上の階から調理の芳香が漂い、グラスの触れ合う音が耳に届く。ガラス越しに見えるのは食事を楽しむ人々の表情。階段を上り下りする行為そのものが路地裏を散策するような高揚感を生み、従来の移動を豊かな体験へと変える。

「エレベーターも設けていますが、高い場所があれば上ってみたくなるという人の深層心理を生かし、上階への好奇心を引き出す設計にしています。階段を上る途中、ガラス越しに店内の雰囲気や、そこに集う人々の様子が見えることで、『次はあの階に行ってみよう』という発見が生まれるのです」(小山)

この縦の回遊性が全フロアに路面店のような視認性をもたらし、ビル全体をひとつへの活気ある街へと変容させる。また、入店前に店内の様子を確認できる安心感に加え、各階のテラスや階段の隙間から上下のにぎわいが感じられる連続性のある設計は、高層階にいながらも街とのつながりを実感することができる。こうした空間の可視化はどんな看板よりも確かな集客力として機能し、空中階の資産価値を底上げするのである。

エントランスから上へと連続するアプローチ。目的の店舗へ向かう道中を、新たな発見を促す体験として設計。
エントランスから上へと連続するアプローチ。目的の店舗へ向かう道中を、新たな発見を促す体験として設計。

※ゼン・ランド TEMPOLY お問い合わせフォームに遷移します

店舗同士のつながりを育む令和の商店街

ダイワハウスが本プロジェクトに込めた思いは、同社のパーパス「生きる歓びを、未来の景色に。」と深く共鳴している。「生きる」の根幹である食のよろこびを神田の新しい景色として定着させること。これを具現化したのが独自のフロア設計だ。

特筆すべきは、屋外階段やテラスを建物の主役に据えた点にある。通常のビル開発では、収益を生まない外部空間は最小限にとどめるのが通例である。しかし同社はあえて、この余白に価値をもたせる判断をした。狙いは、単なる飲食ビルではなく、店同士が関係性を生み出す場にすること。個々の店が独立して営業するのではなく、建物全体が街の延長のように機能し、人が自然に回遊する。そうした仕組みそのものに投資することで、長期的な資産価値を高めようとしている。

大和ハウス工業ビジネス・ソリューション本部の柏崎淳一(以下、柏崎)は「D-Scape」での挑戦を次のように語る。

「テラスや階段といった余白を設けることで、多様な個性が表現できる仕掛けをつくりました。入居するテナントさまにとって、自店の世界観を表現し、新しいスタイルにも挑戦できる空間になると考えています」(柏崎)

小山はこの建築が、テナントにとっての表現の場であることを強調する。

「私たちは店舗の世界観をより多くの人に伝えるための舞台をつくりました。エレベーターだけでなく階段という動線があり、側面がガラスになっていることで店内の雰囲気が街に伝わる。テラスをどう使うかも、表現のひとつです」(小山)

テラスと屋外階段が交差する設計により上下階の気配が抜け、ビル全体に一体感をもたらす。店舗面積は各約30坪。
テラスと屋外階段が交差する設計により上下階の気配が抜け、ビル全体に一体感をもたらす。店舗面積は各約30坪。

また「D-Scape」の構造は、入居者同士のコミュニケーションも促進する。

「通常の飲食ビルではテナント同士が顔を合わせることは少ないですが、階段を往来できる『D-Scape』ではガラス越しに互いの様子が目に入る。それが良い意味での切磋琢磨につながり、ビル全体に商店街のような空気が生まれることを期待しています」(小山)

オーナーであるダイワハウスも賃貸管理の枠を超え、テナントとともにこの場所の価値を育てていくという。

「情熱をもったテナントさまとともに、この街の新しい景色をつくっていく。どちらが欠けても本プロジェクトの真の価値は成立しません。お互いに良い関係を築きながら神田に根ざした新しい食の場を育てていければと思います」(柏崎)

既存の飲食ビルが抱えるさまざまな課題を解決し、新たな価値を創出する「D-Scape」。同ビルは飲食ビジネスの次世代のモデルケースとなりうるのか。今後の動向にも注視していきたい。

大和ハウス工業
https://www.daiwahouse.co.jp/

※写真はすべて「D-Scape 神田鍛冶町」の完成予想図

Promoted by 大和ハウス工業 | text by Tetsujiro Kawai | edited by Aya Ohtou (CRAING)

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2026.04.11 18:00

アンソロピックの最新AI「Claude Mythos」とは何か、なぜ一般に公開しないのか

sauloangelo - stock.adobe.com

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セキュリティの訓練をまったく受けていないAnthropic(アンソロピック)のあるエンジニアが、Claude Mythos(クロード・ミトスやクロード・マイソス。またはクロード・ミュトス。もともとギリシア語の「μῦθος」[神話]を意味する)に、一晩でリモートコード実行の脆弱性を見つけるよう頼んだ。翌朝目を覚ますと、完全に動く攻撃手段ができあがっていた。

Anthropicが米国時間4月7日に発表したのは、そういうモデルである。Claude Mythos Previewは、公表されているあらゆるベンチマークで、これまでに作られた中で最も高性能なAIモデルである。SWE-bench Verifiedで93.9%、USAMOで97.6%、CyberGymで83.1%を記録した。主要なすべてのOSと主要なすべてのウェブブラウザーでゼロデイ脆弱性を見つけた。完全に自律的に、人の指示なしでだ。

このモデルを作ったAnthropicの対応は、公開しないことだった。その代わりに同社は、サイバー防衛の取り組みであるProject Glasswing(プロジェクト・グラスウィング)を立ち上げ、このモデルをアマゾン、アップル、グーグル、マイクロソフト、エヌビディア、CrowdStrike(クラウドストライク)、JPモルガン・チェース、シスコ、ブロードコム、Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)、Linux Foundation(リナックス財団)に提供した。さらに、重要なソフトウェア基盤を支える約40の組織にもアクセス権が与えられる。Anthropicは、利用クレジット1億ドル(約159億円。1ドル=159円換算)と、オープンソースのセキュリティ関連団体への直接寄付400万ドル(約6億3600万円)を拠出する。

主要なAI研究企業が最先端モデルを開発しながら、同時に一般には使わせないと決めたのは、これが初めてだ。

次ページ > Claude Mythosが実際に見つけたもの

翻訳=酒匂寛

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2026.05.05 11:00

アンソロピック、評価額141兆円でOpenAI超えへ──人類史上最大の資金調達ラウンド

davide bonaldo - stock.adobe.com

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Anthropic(アンソロピック)は投資家に対し、評価額9000億ドル(約141.3兆円。1ドル=157円換算)での出資を決断するまで、48時間の猶予を与えた。ほとんどの報道が見落としている点を解説する。

Anthropic、評価額約141.3兆円超の新規資金調達ラウンドを準備

Anthropicは、評価額9000億ドル(約141.3兆円)超で総額500億ドル(約7.9兆円)の新規資金調達ラウンドを準備している。投資家には参加希望・出資額の提出について48時間の期限が設けられた。米国時間4月30日、BloombergTechCrunchなどに対し、関係者がAnthropicの動きとして明かした。

Anthropicの取締役会は、5月の会議で決定を下す見通しだ。このラウンドは、Anthropicが株式公開前に行う最後のプライベート資金調達になる可能性が高いとされている。

先の条件で成立すれば、3月時点でポストマネー評価額(資金調達後評価額)8520億ドル(約133.8兆円)だったOpenAIを抜き、Anthropicは世界で最も企業価値の高いAI企業となる。おそらく、あらゆるセクターを通じて世界で最も企業価値の高い未上場企業にもなるだろう。

この数字は慎重に検討する価値がある。現代のテクノロジー史において前例のないものだからだ。

2025年3月、Anthropicは評価額615億ドル(約9.7兆円)で資金調達を行った。2025年9月には評価額1830億ドル(約28.7兆円)。2026年2月には評価額3800億ドル(約59.7兆円)で300億ドル(約4.7兆円)を調達した。そして11週間後の今、9000億ドル(約141.3兆円)超で投資家の需要を試している。

同じ事業、同じ製品、同じ市場で、14カ月で15倍である。変わったのは、投資家が同社をどう値付けするかだけだ。

各報道の見出しは、これをAnthropicがOpenAIに追いついたと伝えている。それは表面的な解釈だ。より興味深い問いは2つに分かれる。その評価額の根底にある成長曲線が本当にこの到達点を正当化しているのか。あるいは、AI業界の価格形成の仕方が、歴史的な手法からいつの間にか乖離してしまったのか。

Anthropicの売上高は3年連続で10倍超に成長、評価額の根拠に

評価額9000億ドル(約141.3兆円)を支持する根拠は、エンタープライズテクノロジーの歴史上、かつて起きたことのない現象にある。

Anthropicの年間換算売上高は、2024年12月の10億ドル(約1570億円)から2026年3月末には300億ドル(約4.7兆円)へと成長した。10倍超の成長が3年連続で持続したことになる。記録に残る限り、この規模でこの成長率を維持したエンタープライズソフトウェア企業は存在しない。セールスフォースも実現していない。Snowflakeも実現していない。ServiceNowも実現していない。最も明白な比較対象であるOpenAIでさえ、同様の期間でARRは約250億ドル(約3.9兆円)に達した程度だ。ほとんどのアナリストがすでにレースに勝利したと見なしていた同社を、Anthropicが上回っていることになる。

売上は持続性が期待できる領域に集中している。フォーチュン10企業のうち8社が現在Anthropicの顧客だ。Claudeに年間100万ドル(約1億6000万円)以上を支出するエンタープライズアカウントは1000社を超え、2年前の約12社から増加した。Anthropicが2025年5月にローンチしたエージェント型コーディング製品Claude Code単体でも、2026年2月までに年間換算売上高25億ドル(約3925億円)に達した。同製品の法人向けサブスクリプションは、1月1日以降の6週間で4倍になっている。Anthropicは現在、世界中のGitHubパブリックコミットの4%を支えていると推定されている。

売上高の約30倍という倍率は、成長率調整後の比較対象と照らし合わせるまでは極端に聞こえる。年間10倍で成長している企業は、30%で成長している企業のようには価格付けされない。2028年になってもまだこの成長を続けている可能性のある企業として価格付けされるのだ。そうなれば、振り返ったときにこの評価額は合理的に見える。それが、入札する投資家たちが計算している数式である。

次ページ > 一部の初期支援者が、今回のラウンドをスキップ

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