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望みの対価/Novel by 雪兎

望みの対価

2,009 character(s)4 mins

短いですが賑わせ程度に投稿させていただきます…今日行きたかった…泣
今日行けない代わりに12月の冬コミ?は参加する予定です。サークルか一般かはまだ悩み中です…それを楽しみにがんばります!

銀時死にます。シリアスが好きなんです。改めてみたらヅラが喋ってない…オウ…ごめんヨォ…

死ネタばかり投稿してしまって…私得ですね!衝動書きなので誤字とか文が変な所が多いかもです!シリーズですが7月中には続きを投稿できるようにします!!
いつもいいね、ブクマ、コメントありがとうございます😭コメントは返信ができていないのですが全て読んでおります。後でまとめて必ず返します!!

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目の前に転がるのは俺が斬った松陽の首と身体。俺を許せなかったのだろう高杉は左眼を潰された。
俺は、無力だ。
もう俺には、これしか出来ねぇ…


完全に烏共が立ち去るまで、俺も、高杉も桂も動かなかった。気配が絶ったと確信して俺は動いた。2人は縄で縛られてるから動きたくとも動けない。だからまずは桂の縄を斬るが、俺と目を合わせようとはしなかった。当然だ、俺は松陽を殺したんだから。そして高杉の縄を斬る。その瞬間俺は殴られた。覚悟はしていたから驚きはしない。高杉の俺を見る目は、俺への憎悪の念に満ちていた。当然だ、俺はお前らの大事な人を奪ったんだから。高杉は一度殴ったきり、耐えるように顔を伏せた。俺には謝る資格すらない。



ーーーだから俺は、何も告げず始めた。


高杉の伏せたままの顔に手を触れる。それに高杉は身体を震わせたが、俺の手を払うのを我慢しているのか振り払わなかった。3人には隠していたが、俺の持つ治癒能力は実は無償のものでは無い。ただ、相手の怪我や病気を俺に讓渡するってだけだ。触れた手から高杉の潰れた左目を俺に移す。移し終えると俺の左目に激痛が走った。そして視界も狭まる。高杉は違和感を感じ、すぐに自身の左目が治っていることに気づいたようだ。ばっと顔を上げてこっちを見てきた高杉の左目は、元通り翡翠の色を宿していた。狭まった視界の中それが見えて、目の色が変わらずあれたことに安心した。高杉は俺の顔を見ると酷く驚いた顔をした。まだ理解が追いつかないのか、なんでと震えた声で呟くのが微かに聞こえた。俺は何も言わない。だから代わりに、そっと笑った。そして俺は松陽の遺体の方へ歩いた。左目から流れる血が鬱陶しい。俺が斬った松陽の元へ辿り着いて、手が届くように膝を着いた。首と身体が切り離されているからそれぞれに手を触れて、始めた。斬首された遺体は初めてだからどう移ってくるかが分からないが、確実に俺は死ぬ。やはり死んでいるからそれなりに時間がかかるらしい。松陽の首元が光りながら癒着したのが見えた。だからあと少しだ。あと少し、のところで後ろの気配が動いた。


「……ま、さか、ッ!やめろ!銀時っ!!」


どうやら俺のしている事に気づいたらしい。高杉は切羽詰まった様子でこっちに走ってきた。やめろと、俺のしていることを止めるために。桂も異変に気づいて、そして高杉の左目が治っていることにも気づいた。高杉の様子を見て察したのか俺を見てまさかと震えた声で呟いた。高杉と俺の距離があと2mと言う所で、移すのが終わった。どうやら首が落ちて死ぬ訳では無いらしい。俺は首から血が滴り落ちるのを感じた。怪我の形は、まるで刀を突き刺したかのように穴が空いて、気道が潰れていた。少し空気を吐き出すようにしたら口から血が溢れて零れ落ちた。すぐ死なないのは慈悲なのか、苦痛だが嬉しかった。
松陽が目を開けた。何が起きたのかと戸惑いましながら身体を起こし、俺の方を見る。気づけば後ろに迫っていた高杉は足を止めていた。出血が激しいから、きっと背中の方にも首からの血が流れてしまっているんだろう。信じられない、いや信じたくないとでも言うように高杉はか細い声でぎんとき、と俺を呼び、松陽はこぼれ落ちんばかりに大きく目を見開き俺を見ていた。生き返った松陽を狭まった視界で捉え、最期に救えた事が嬉しくて、松陽と高杉と桂、3人を無力な自分でも救えた事が嬉しくて、嬉しくて。赤くない、血じゃないものが俺の右目から滴った。救うことの出来た松陽を右目に収め、微笑んだ。限界が来たのか視界が黒に染まりつつ、ぐらっと大きく揺らいだ。倒れ死んでいく俺の目はもう何も映していなくて、意識が無くなっていく中で最期に銀時と呼ぶ3人の声が聞こえた。心が満たされ、そのまま俺は二度と醒めぬ眠りに身を委ねた。




銀時が動かなくなった。首から大量の血を流して、潰れた左眼から血を流して。本来ならば左眼が潰れたその傷は俺が負っていたのに。首の傷も本来ならば先生が負っていたものなのに。銀時は俺達の全ての傷を背負っていってしまった。背負わせてしまった。銀時は確かに護りきった。先生を手にかけたことは変わらないが、結果的には俺達に何ひとつの傷も残さず、先生もヅラも俺も護りきってみせた。
それも、自分自身を犠牲にしてーーー。
銀時は、アイツは、一番最悪な結末を残していった。


「銀時ィ…なんでテメェはいつも重要な事を言わねえんだ…その、治癒の力が、無償ではなく讓渡だったとはなァッ…!!」

「そんな…銀時、貴方って子は…本当に馬鹿ですね…私たちがこんなこと望むとでも…ッ…銀時ッ…」

先生が脱力したように崩れ落ちる。涙を流す先生を見る時が来るとは思ってもなかった。先生が何度も銀時の名前を口ずさむ。もう、それに応える相手も、いないというのに…。

Comments

  • reppa-
    Mar 31st
  • のあ
    October 16, 2025
  • うかつ

    次の小説を楽しみにしております。雪兎さんどうかお体に気をつけて

    July 2, 2024
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