セルディオンの歌姫
働く銀さんです。銀さんって結構頭が良いと思うんですが、戦闘以外で微妙に残念な感じになるのは、変な所で欲をかく所為でしょうか。あと基本不殺を貫いている割りに、天人相手だと結構容赦なくバッサバサ殺っちゃう銀さん(例:春雨・辰羅)も大好物です。
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今日も今日とて開店休業中の万事屋で、銀時はソファーに寝そべり大あくびをした。
新八は親衛隊の会合へ。神楽は友達と遊びに行き、そのあとはお妙等と女子会をするとかで万事屋には明日まで自分一人であるのをいい事に、思う存分ダラダラしようとしていた銀時の思惑を玄関のチャイムが遮った。
「――と言う事で、突然の依頼になってしまいますが、是非万事屋さんにお願いしたいのです」
「はぁ……」
銀時の目の前には地球人と比べて耳がやや長い程度の――要するにエルフを想像させるいかにも育ちが良さそうな天人の青年(二十代くらい)と、幕府の官僚(四十代くらい)が二人座っている。
流暢な日本語で説明をしたのはエルフの青年の方で、官僚の方は無表情ながらも、内心苦虫を千匹単位で噛み潰しているのが見え見えだ。余程この依頼が面白くないらしい。さりとて面と向かって反対は出来ない立場、と言う事か。
銀時はそれを胸中でせせら笑いながら、依頼内容を反芻する。
今極秘裏に宇宙でもそれと知られた超ビッグネームな歌姫が来星し、江戸の某高級ホテルに滞在中らしい。とは言っても、地球へは遠征帰りにたまたま立ち寄っただけで特に何かをする予定はなかったのだが、各方面(天人含む)からの切なる懇願(早い話、巨額の金が動いた――と言う意味だ)により、たった一日ながらもコンサートが開催される事となった。
期日は五日後、さぞかし関係者はてんやわんやの大騒ぎであろう。
それに伴い、当然警備の人間が必要になるのだが、幕府から派遣された者達を件の歌姫はにべもなく追い返したらしい(おそらく家柄がいいだけの、刀を腰の飾りとしか思ってないようなボンボンを箔付け程度に送り込んだのではないかと銀時は踏んでいる)。
それに焦った担当者が、実力という点では文句がないであろう見廻組を送り込むも、趣味に合わないデルヘル嬢よろしく「チェンジで」(こんな風には言ってないだろうが、内容は同じだ)と再却下。苦渋の決断の末、真選組を出向させれば「あ、もう結構です。心当たりあるんでー」的にOKOTOWARIされたと聞いた時には、思わず吹き出してしまった。
「普段こんな我儘は滅多に言わない人なんですが、今回だけは妙に頑なで……」
マネージャーである青年は困り切った表情を浮かべつつ、とんでもない爆弾を落としてみせる。
「ただ――予知能力も少し持っているので、我儘と切り捨てる訳にもいかないんです。地球の知識なんてないはずなのに、ここの住所を何も見ないで書いて寄こしてきましたし……」
そう言ってスーツの内ポケットからメモ用紙を取り出し、銀時の前に置いて見せた。メモ書きなのに妙に達筆な字で『新宿かぶき町5-11-4 万事屋銀ちゃん』と彼らの母国語(読めない)で書かれているとの事。
つまり銀時への依頼とは――
「警護の件ですが、当方でよろしければ承ります」
「本当ですか?! あぁ、良かった! 助かります!!」
大喜びする青年の横で、官僚の噛んでいる苦虫が万単位になったのを銀時は見逃さなかった。
銀時は頭良いだろうし、なんでもこなせる(万事屋してるし)万能タイプだと思う だけどそんなチート野郎だと『人間味』がないから、マダオをしてるんじゃないかなぁ だってチートよりマダオの方が“人間らしい”から