遺品整理の料金トラブルが後を絶たず 「無料回収」で40万円請求も
遺品整理の料金をめぐるトラブルが後を絶たない。介護施設の検索サイトなどを運営する「LIFULL senior」(ライフルシニア)が2023年、遺品整理業者に依頼した経験がある約440人に行った調査では、約半数の人が「料金を追加請求された」と答えた。最終的な請求額が、見積もりから上乗せされていたといい、上乗せ額が「10万円超」との回答が1割に上った。 【写真】とりつかれた93歳祖母 消えた不動産と1.2億円 都内の70代女性はチラシで「不用品を無料出張回収します」とうたっていた業者に依頼したところ、作業終了後に40万円を請求された。無料なのは出張費だけで、回収費は別途請求するとその場で知らされたという。 栃木県の40代男性は「父の形見だったレコードや革ジャンを収めた箱を勝手に処分された」と憤る。見積もりに来た担当者に箱を回収しないよう頼んでいたが、作業員に伝わっていなかった。 ■まず「相見積もり」で相場を把握 トラブルに遭わないために、どうしたらいいのか。 一般財団法人「遺品整理士認定協会」の長谷川正芳事務局長はまず、「3社から相見積もりを取ること」を勧める。料金相場が把握できるほか、やり取りを通じて、遺族に寄り添おうとしているかなど業者の姿勢が見えるという。 見積書や契約書の「書き方」もチェックポイントだ。人件費やごみの処分費など項目ごとに金額が記されているか、キャンセルや追加料金が生じる際の条件が明示されているかなどを確認すべきだという。「遺品整理一式」などと雑な書き方をしている業者は避けた方がいい。 そもそも家庭の不用品を回収し、処分場まで運搬できるのは、自治体から「一般廃棄物収集運搬業」の許可を得た業者に限られるが、その枠は少ない。そのため多くの遺品整理業者は許可業者と提携し、回収品を引き渡して処分している。自社で古物商の許可を得て、回収品の中から価値がある物品は転売し、収益を稼いでいる業者も少なくないという。 ■許可業者かどうか、自治体のHPで確認 一般廃棄物の許可業者かどうかは、自治体のホームページで確認できる。無許可の業者であっても、自社のサイトなどに提携先を明記しているか確認した方がいい。 提携先もない業者に依頼し、仮に家財を山中などに不法投棄された場合、依頼者も責任を問われ、撤去や処分費用を求められる場合があるため注意が必要だという。(本田靖明)
朝日新聞社