傷害の罪で逮捕、起訴された佐藤紗希被告(インスタグラムより)
変化していたのは、いで立ちだけではない。弁護人から新たに提出された証拠で、事件後から週4日ほど昼間にアルバイトを始めていることが明かされた。そのほかにも、自身が所持するブランド品などを売却。養父が立て替えたAさんへの弁償金を全て払い終え、再犯防止に向けた通院治療も始めているという。
医者からは改めて、被告の特性についての診断をされ、治療を継続する必要性や、愛情の感じ方についての歪みを指摘されたという。これまでの裁判でも指摘された点を実践していることから、弁護人は最終弁論で「立ち直りに向けて歩み始めている」と表現した。
そして、向き合うべき事件の法的評価について、検察官、弁護人の順で最終意見が述べられていく。
検察官は「被告が作り上げたAさんを孤立させる状況」を主張
争点は被告人が行った各種行為が、Aさんの同意があったか、または同意がなくても被告人が誤信する事情があるかどうか。
検察官は事件にいたる前までの両者の関係から改めていく。
被告人とAさんは2020年にSNSで知り合い交際に発展。付き合ったり別れたりを繰り返すなかで、被告の暴行の程度は徐々にエスカレートしていった。
身体的な被害以外にも、Aさんとその親それぞれが互いに不信感を募らせるようなメッセージを送ることもあったという。そして、友人から切り離すような行為をすることでAさんを少しずつ孤立させ、被告のもとを離れられないような環境を作っていった。
同棲期間、Aさんの通帳、パスポートなどは被告人だけが開錠できる金庫に入れられた。スマートフォンも許可されたときのみ使用できたという。
さらに検察側は、客観的な裏付けとして、被告人が勤務していたキャバクラ店の店長に宛てた「男(Aさん)いるけど、携帯持たせてない」というメッセージや、血まみれのAさんの写真と包丁を持った被告の写真に「これで仲直り」と添えられたメッセージがあることを示した。