八戸学院光星で3年間メンバー外のバッテリーが、大学野球の舞台で「下克上」 当時の悔しさをプラスにとらえて
大学野球の舞台ではたびたび、「下克上」が起きる。青森中央学院大学の遠藤怜太郎と生田目隼人(いずれも4年、八戸学院光星)はまさにそれをやってのけた。高校時代は3年間メンバー外。最後の夏は甲子園で戦うチームメートの雄姿をアルプスから見守った。大学でもバッテリーを組み続けた二人は4年後、そのチームメートの一人の織笠陽多がスタメンに名を連ねる八戸学院大学に土をつけた。 【写真】強気の投球で相手打線を抑えた後、右拳を握る遠藤怜太郎
4年生バッテリーが昨秋王者の八戸学院大学を完封
4月19日、北東北大学野球春季リーグ戦の開幕2戦目。遠藤はリーグ戦初先発のマウンドに上がった。球を受けるのは生田目。相手は昨秋の明治神宮大会で4強入りした強敵・八戸学院大だ。 八戸学院大の「8番・捕手」に座った織笠は二人の高校時代の同期。強豪校で外野の一角を担い、3年夏の甲子園は5番を打った。大学では捕手として早い段階から頭角を現し、昨秋はベストナインを受賞する活躍で優勝に貢献した。 前日の開幕戦では齋藤禅(4年、弘前学院聖愛)が好投し白星スタートを切った。それだけに、遠藤は「禅がああいう投球をしてくれたので、自分がふがいない投球をするわけにはいかない。緊張で地に足がつかない状態でした」とプレッシャーを感じながら投げた。最大の武器である直球は最速150キロを誇るが、この日は140キロ前後と思うように球速が出ない。初回から毎回、走者を背負った。 それでも、磨いてきた球威は健在だった。強気の投球を貫くと、結果的に本塁を踏ませず6回4安打無失点。「かなり意識しましたし、おっくうでした。一番怖かったです」と対戦を振り返った織笠も2打数無安打に封じた。七回以降は片岡銀士(3年、大館国際情報学院)が0を連ね、チームは1-0で勝利して優勝候補相手に開幕2連勝を収めた。
崩れぬ信頼「遠藤なら何も変えなくても抑えられる」
「高校では二人ともBチームだったので当時から受けてもらっていて、お互いの何が良いか、悪いかも分かっている。ずっと鼓舞してくれるし、(球を)止めてくれるので、腕を振って思い切り投げています」。遠藤は生田目に絶大な信頼を寄せている。 一方の生田目も遠藤の実力を認める。八戸学院大戦では球を受けながら「高校時代から今までで一番良い。球威のある直球と落ち球をうまく組み合わせれば抑えられる」と感じ、ピンチの場面でも「遠藤なら何も変えなくても抑えられる。頑張ろう!」と声をかけた。 生田目はバットでもチームを勝利に導いた。0-0で迎えた五回、無死一塁からヒットエンドランを成功させ、この日唯一となる得点を呼び込んだ。「バッティングはすごかったですが、捕手としては勝っていると自分の中では思っていました」。高校で一時期捕手の練習をともにした織笠を翻弄(ほんろう)する一打に、「自分を褒めてあげたいです」とはにかんだ。