【独自ルポ】逮捕前の安達優季容疑者と接触 消え入りそうな声で憔悴も…丁寧に記者に応対 直後、警察には「あまりに淡々とした事務的対応」 若手記者が感じた「ギャップ」と底知れぬ「違和感」 京都男児遺体遺棄
憔悴しきった、こけた頬が印象的だった。 ■憔悴しながらも見せた“丁寧さ” 「結希さんが着用していた服装の特徴は?」 「普段どんなお子さんですか?」 「ご家族からの呼びかけやメッセージはありませんか。少しでも早期発見の手助けがしたいのです」 些細な手がかりでも知りたい私に対し、安達容疑者はこう答えた。 「今は…丁寧なお願いをされて申し訳ないのですが、そんなお話しできる状態ではなくて。すみません」 その拒絶の仕方は、驚くほど丁寧だった。 子どもが行方不明になり、極限の精神状態にある家族に取材を申し込めば、激しく拒絶されたり、怒りをぶつけられたりすることを覚悟していた。 しかし彼は、震えるような声ではあったが、言葉を選び、取材者である私に対して、気を遣うような素振りさえ見せた。 京都府警が公開した結希さんの写真の提供を求めた際も、「府警に一任していますので」と短く応じ、静かに扉を閉めた。 その瞬間の私は、「なんと丁寧な人なのだろう」と、“悲劇の渦中にいる父親”に同情の念を抱いた。 ■直後の鑑識作業で見せた“淡々とした”姿 しかし、その直後に目撃した光景が、私の中に拭いきれない違和感を残した。 私が安達容疑者と会話した約15分後。 自宅敷地内で、京都府警による鑑識作業が始まった。 安達容疑者は捜査員に付き添われ、自宅前に停められた1台の黒色の車のそばに立った。後に、結希さんの遺体を運んだとされる、あの車だ。 驚いたのは、警察官とやり取りする際の彼の態度だった。 先ほど玄関先で見せた、消え入りそうな声でうなだれる姿はどこへ行ったのか。 彼は捜査員の問いかけに対し、身振り手振りを交えながら、驚くほどハキハキとした口調で答えているように見えた。 自分の車の、それも行方不明の息子に関連するかもしれない捜査を前にして、彼はあまりにも淡々と、事務的に見えた。 感情を一切排したその受け答えは、憔悴した父親というよりは、まるで業務報告を行う人物のようでもあった。
■憔悴や丁寧な言葉遣いの裏に何が… あの玄関先で見せた、憔悴しきった様子は一体何だったのか。 丁寧な言葉遣いの裏で、彼は何を隠そうとしていたのか。 それから約3週間後、警察の粘り強い捜査を経て、死体遺棄容疑で逮捕された安達容疑者。 逮捕前の任意の聴取では、「首を絞めつけて殺した」という旨の供述をしていたという。 逮捕の報を聞いた今、あの時感じた、彼の「妙な落ち着き」の意味を考え続けている。 (MBS報道センター 髙島大介:大阪府警捜査一課担当として殺人などの凶悪事件の現場を取材。自転車の青切符制度など交通違反に関する特集も制作)
毎日放送
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