新潟の高3男子生徒自殺、「指導死」認定 柔道部顧問が度重なる叱責
新潟県立高校の柔道部に所属していた高校3年の男子生徒が2024年6月に自殺し、県教育委員会の第三者委員会は27日、部顧問の男性教諭による度重なる叱責(しっせき)が男子生徒を追い詰めた「指導死」と認定し、発表した。
第三者委の報告書によると、男性教諭は24年6月2日、男子生徒が県総合体育大会の試合で敗れた直後、試合中に助言に従わず、お礼を言わなかったとして厳しく指導した。翌3日も高校の格技場前の通路で、前日にあいさつをせずに帰ったとして大きな声で叱責。4日には放課後から部活動中にかけ、複数回にわたり厳しく叱責した。部活動終了後、男子生徒は着替えながら泣き、自分のロッカーを片付けて私物を持ち帰ったという。
男子生徒は、翌日の5日朝に行方が分からなくなり、夜に遺体で見つかった。遺書などは見つかっていない。
男子生徒はクラスや部活動でムードメーカーだった。いじめに遭っていたり、進路に悩んでいたりした様子などはなかったという。報告書は、男性教諭による「権威的かつ過度な指導」が自殺につながった「指導死」と結論づけた。第三者委は高校名を明らかにしていない。
男性教諭、別の高校で指導続ける 県教委は処分検討
県教委によると、男性教諭は県内の別の高校で他の部活動の指導を続けている。第三者委の報告書を受け、県教委は今後、処分を検討する。
報告書によると、男性教諭は指導者として周囲から一目置かれており、部活動の成果を常に気にかけていた。加えて、この高校は「部活動実績のある者」や「男性」が上位に立つという「専横的な縦割り組織」だったため、副顧問や管理職が男性教諭に注意することがなかった。
男子生徒の死亡を受け、県教委は24年9月、常設の第三者委に調査を依頼。第三者委は計37回の会合を開き、遺族や男性教諭、柔道部員ら延べ約50人から聞き取りを行った。
県教委によると、この高校では過去にも生徒がいじめで自殺しているという。第三者委の部会長の岩渕浩弁護士は「教員の指導を是正できなかったという意味で学校の責任も非常に大きい」と指摘した。
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- 内田良名古屋大学大学院教授=教育社会学視点
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