京大 研究不正3件を認定 図表や条件を改ざん・捏造 論文撤回求める
2026.04.16
3月31日、京大はリャンウェイ・パン氏(理学研究科・元特定研究員)、廣田喜一氏(附属病院・元准教授)、小田裕香子氏(生命科学研究科・教授)の各研究に不正行為があったと認定し、調査結果を公表した。学内外の不正通報窓口に寄せられた通報をもとに調査したところ、図表や実験条件の改ざんなどが発覚した。京大は今後、論文の撤回・訂正を各氏に勧告するとともに、再発防止策を実施するとしている。
理学研究科の事案では、2022年6月に続いてパン氏の不正が再び認定された。京大は当時、パン氏が5論文計11画像で改ざん・捏造を行ったと認定し、研究を主導する立場だった鹿内利治教授(26年3月に定年退職)を処分していた。
22年12月、先の調査で不正が認定されなかった論文にも画像加工の疑いがあるとする意見が、鹿内氏を通じて理学研に報告された。09〜11年にかけてパン氏が発表した論文を調査した結果、京大は22年の調査で不正を認定しなかった2論文で11点、不正を認定した5論文のうち3本で新たに5点の画像が改ざん・捏造されたと認定した。不正の要因としては、パン氏が▼画像加工が不適切だと認識していなかった▼実験方法やサンプルを詳細に記録していなかった、など研究データの管理・使用に関する認識が欠如していたことや、鹿内氏がパン氏の研究成果を十分に検証していなかったことを指摘した。京大は取材に対し、当時パン氏が具体的な不正内容を記憶していなかったことや、一見して加工の痕跡を認めるのが困難だったため、発見できなかった不正があったとした。今後、該当論文の撤回勧告を行うという。
附属病院の事案では、廣田氏が11〜16年に責任著者を務めた論文について、京大と、廣田氏が22年まで勤務していた関西医科大などが合同調査を行った。調査では4本の論文で、画像データの反転や流用など7件の不正を認定した。また、廣田氏は実験ノートや加工前の画像データを論文投稿時点で紛失しており、京大は研究倫理やデータ管理に対する認識の欠如を指摘したほか、関西医科大も「悪質度は高い」と評価した。廣田氏はヒアリングにおいて「データから画像を作成する際の誤り」と主張したという。京大は廣田氏に対し、論文誌に対して適切な対応を取るよう通知したという。
生命科学研究科の事案では、小田教授(論文発表当時、ウイルス・再生医科学研究所助教)が21年に発表した1論文について、実験条件を変更したにもかかわらず、正しく論文に反映していなかったとして、改ざんが認められた。京大は▼研究チーム内で情報が共有されていなかったこと▼小田氏が多数の実験や育児に追われ、心身ともに余裕を欠いていたこと、などを不正の要因として挙げた。京大は今後、小田氏への処分を検討するという。
京大は本紙の取材に対し、調査結果について「文部科学省や研究資金を配分する機関へ報告書を提出した」と明かした。パン氏や鹿内氏らに研究費を拠出していた科学技術振興機構(JST)は4月10日、不正防止措置の実施などを京大に文書で要請したとホームページで発表した。
一連の不正を受け、京大は各部局・全学単位で学生や教員への教育・啓発を徹底していく方針を示した。また、画像不正をチェックするツールなどの導入を検討するとしている。
理学研究科の事案では、2022年6月に続いてパン氏の不正が再び認定された。京大は当時、パン氏が5論文計11画像で改ざん・捏造を行ったと認定し、研究を主導する立場だった鹿内利治教授(26年3月に定年退職)を処分していた。
22年12月、先の調査で不正が認定されなかった論文にも画像加工の疑いがあるとする意見が、鹿内氏を通じて理学研に報告された。09〜11年にかけてパン氏が発表した論文を調査した結果、京大は22年の調査で不正を認定しなかった2論文で11点、不正を認定した5論文のうち3本で新たに5点の画像が改ざん・捏造されたと認定した。不正の要因としては、パン氏が▼画像加工が不適切だと認識していなかった▼実験方法やサンプルを詳細に記録していなかった、など研究データの管理・使用に関する認識が欠如していたことや、鹿内氏がパン氏の研究成果を十分に検証していなかったことを指摘した。京大は取材に対し、当時パン氏が具体的な不正内容を記憶していなかったことや、一見して加工の痕跡を認めるのが困難だったため、発見できなかった不正があったとした。今後、該当論文の撤回勧告を行うという。
附属病院の事案では、廣田氏が11〜16年に責任著者を務めた論文について、京大と、廣田氏が22年まで勤務していた関西医科大などが合同調査を行った。調査では4本の論文で、画像データの反転や流用など7件の不正を認定した。また、廣田氏は実験ノートや加工前の画像データを論文投稿時点で紛失しており、京大は研究倫理やデータ管理に対する認識の欠如を指摘したほか、関西医科大も「悪質度は高い」と評価した。廣田氏はヒアリングにおいて「データから画像を作成する際の誤り」と主張したという。京大は廣田氏に対し、論文誌に対して適切な対応を取るよう通知したという。
生命科学研究科の事案では、小田教授(論文発表当時、ウイルス・再生医科学研究所助教)が21年に発表した1論文について、実験条件を変更したにもかかわらず、正しく論文に反映していなかったとして、改ざんが認められた。京大は▼研究チーム内で情報が共有されていなかったこと▼小田氏が多数の実験や育児に追われ、心身ともに余裕を欠いていたこと、などを不正の要因として挙げた。京大は今後、小田氏への処分を検討するという。
京大は本紙の取材に対し、調査結果について「文部科学省や研究資金を配分する機関へ報告書を提出した」と明かした。パン氏や鹿内氏らに研究費を拠出していた科学技術振興機構(JST)は4月10日、不正防止措置の実施などを京大に文書で要請したとホームページで発表した。
一連の不正を受け、京大は各部局・全学単位で学生や教員への教育・啓発を徹底していく方針を示した。また、画像不正をチェックするツールなどの導入を検討するとしている。