【ワシントン=塩原永久】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は17日、中国に渡航した米金融大手ウェルズ・ファーゴの幹部が、中国当局から出国を禁止されていると報じた。普段は米国内で勤務する女性で、出国禁止の理由は不明。同社は対応を急ぐとともに、社員の中国渡航を停止しているという。
同紙が関係者の話として伝えた。女性幹部は上海生まれで、この数週間内に中国に入った。貿易決済の関連業務の専門家で、当該業務の国際組織の幹部も務めている。
米ブルームバーグ通信によると、ウェルズ・ファーゴは声明で「状況を注意深く見守り、できる限り早く米国に社員が帰国できるよう適切なチャンネルを通じて取り組んでいる」と表明した。同社は法人業務のため北京と上海に拠点を持つが、中国での事業展開は小規模という。
中国では近年、米コンサルティング会社の幹部や、野村ホールディングス傘下の香港法人幹部が当局から出国を禁じられるなどの事案が発生。外国企業の現地駐在員や中国渡航者らへの不透明な締め付けに対し、人権監視団体などが懸念を強めている。
16日には、2023年3月に中国北京市で拘束され、スパイ罪で起訴されたアステラス製薬の日本人男性社員に、同市の裁判所が懲役3年6月の実刑判決を言い渡した。