新型出生前診断(NIPT)の陽性率は年齢で変わる? 結果を正しく理解するための3つの判断基準を医師が解説
新型出生前診断(NIPT)は、出生前に染色体異常の可能性を調べる検査として広くおこなわれています。一方で、「年齢が高いと陽性が出やすいと聞いた」「結果の数字をどう理解すればよいのかわからない」と戸惑う方も少なくありません。 【イラスト解説】「不妊症」になりやすい人の特徴と3つの原因 今回は、ミネルバクリニックの仲田先生に、NIPTの結果の考え方や、妊娠年齢と陽性率の関係について、基本から詳しく伺いました。
出生前診断の基礎知識
編集部: はじめに、「出生前診断」について教えてください。 仲田先生: 出生前診断とは、妊娠中に胎児の状態を確認するための検査の総称です。検査は大きく、病気の可能性を調べる「非確定的検査」と、病気の有無を確定する「確定的検査」に分けられます。 非確定的検査には、超音波(エコー)検査、母体血清マーカー検査(トリプルマーカー、クアトロテスト)、新型出生前診断(母体血胎児染色体検査:NIPT)があります。一方、確定的検査は羊水検査、絨毛(じゅうもう)検査が主な検査として挙げられます。 編集部: NIPTについて、もう少し詳しく教えてください。 仲田先生: NIPTでは、母体から血液を採取して、胎児の染色体異常、主にトリソミーの可能性について調べる検査で、妊娠9、10週から受けることができます。確定診断ではないため、結果は「陽性・陰性」という断定ではなく、あくまで「高リスク・低リスク」という確率的な評価として理解する必要があります。 編集部: 検査の正確さは、どのように示されるのですか? 仲田先生: 検査の正確さを示す指標には、感度、特異度、陽性的中率(PPV)、偽陽性、偽陰性などがあります。これらを理解することで、検査結果を過不足なく受け止められるようになります。 編集部: 偽陽性と偽陰性とは何ですか? 仲田先生: 偽陽性は、実際には異常がないのに陽性と判定されることです。偽陰性は、逆に異常があるのに陰性と判定されることを指します。 どの検査にも一定の割合で起こり得ます。例えば、NIPTで調べている「セルフリー胎児DNA」は、実は赤ちゃんそのもののDNAではなく、赤ちゃんを育てる胎盤から出てくるDNAです。 そのため、妊娠のごく初期に偶然起こった変化によって、胎盤と赤ちゃんの染色体の状態が少し違ってしまうことがあります。このような場合、検査は胎盤の情報をもとに結果を出すため、実際の赤ちゃんの状態とは異なる結果が出てしまい、偽陽性や偽陰性が起こることがあります。