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あなたのフォーシーズヒストリー 廣瀬兼三さん

ーー人の数だけ物語はある。あなただけのフォーシーズヒストリー、教えてください。

フォーシーズに関わる人々に、「あなただけのフォーシーズヒストリー」を語ってもらう企画です。

前回登場してくださった天野顕治さんが繋いでくださった第4回目のストーリーテラーは、廣瀬兼三さん。
天野さんとは台湾での店舗立ち上げにおいて思い出深いエピソードがあるようで・・・。
どのようなお話がうかがえるのでしょうか。

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廣瀬兼三
店舗施工本部

私は店舗施工本部に所属しています。
「店舗施工本部?」と、あまり聞き馴染みのない部署かと思うので、少しだけ説明させてください。

店舗施工本部とは?

店舗営業が表に立つお仕事だとすると、こちらは裏方にあたる部署です。
主な仕事内容は、お店の出店に際する業務やアフターメンテナンス
中でも私は出店業務に携わっています。

我々が関わる店舗には、路面店や商業施設内に店を構える場合など、いくつかパターンがあります。少し難しいですよね。
例えば「店舗の入る建物が既にある場合」の大きな流れは以下の通りです。
まず、空き物件が出た情報をキャッチすると調査にいきます。電気容量や設備要領などが店舗営業に適しているかなどを確認するためです。
物件が決まると、設計業者さんと協力して図面やデザインを仕上げ、会長・社長・代表などにプレゼンテーションします。
無事プレゼンが通ると次は施工業者決め、その後施工作業へと進み、オープニング(開店日)に合わせて店舗を作っていきます。
ここまで読んでいただくと、うっすらと感じていただけるのではないでしょうか。
我々「店舗施工本部」が影の部隊であるということを・・・(笑)

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店舗が出来上がるまでを裏で支える部署なので、社内でも店舗施工本部を知らない方もいらっしゃるのでは?と思うことがあります。
施工屋さんによると、飲食会社内に施工部が存在し、設計の段階から深く関わる会社は珍しいそうです。

そういえば、今回私を指名してくださった天野さん、そしてこの企画記事の第2回目に登場された平田さんのお二人とは、台湾での思い出深いエピソードがあります!
台湾に新しくできる商業施設に「クア・アイナ」と「宮武讃岐うどん」を出店することになった時のことです。

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photo by photoAC

お二人はそれぞれのブランドの営業として、私は店作りの担当として、立ち上げに関わりました。
私の滞在期間は、店舗引渡しの10日くらいだったでしょうか。一方お二人は、オープンしてから運営のノウハウをアシストするため、1ヶ月ほど長期滞在されていました。

実はその滞在期間、過ごしたのはホテルではなく、シェアハウスだったのです。我々の滞在先は、現地の店舗オーナーさんが手配してくださることになっていたので、そのオーナーさんのチョイスでした。
そのような計らいのもと、台湾滞在中は男5人くらいで一緒に暮らしました!とても新鮮でしたね。海外であることや、共同生活を送ったことで、「同志」のような絆が芽生えるわけです。
日本に戻ってきてから3人で台湾料理屋に行って当時を思い返すこともありました。(まだ一度くらいしか開催できていませんが・・・)
異国の地で、従来の仕事の進め方と違う部分もあり大変でしたが、海外展開を広げるための先駆けとなる試みだったので気合いも入っていて楽しかったです。

お二人にちなんだブランドの私のおすすめは、

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「クア・アイナ」はチーズバーガー。全粒粉のサンドにして食べるのが好きです。パインバーガーも美味しく、好みの一品です。

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「宮武讃岐うどん」はかけうどん。行くと絶対頼んじゃいます。出汁まで飲みたいのでシンプルなものを選びます。冬はしょうがを入れるとより温まれるのでおすすめです!

「自分で家を作ってみたい」からはじまったキャリア

今でこそ飲食を扱うフォーシーズで働いていますが、その原点は飲食とは程遠い場所にあります。
実家が土木系の建築会社だったこともあり、私自身、幼少期からものづくりに興味がありました。
「自分で家を作ってみたい」という思いがあり、大学は建築学部に進学し、住宅・集合住宅の設計を学びました。
建築学部と聞くと学生全員が建築設計を学んでいると想像してしまいそうですが、実は建築と言っても幅広いんです。
いわゆる建築士・デザイナーは意匠系。それ以外にも、設備系(給排水や空調)、構造系(構造計算)、材料系(例えば、強度の高いコンクリートをどう作るか)など、建築学部といっても分野が細かく分岐しています。
私は4年生の研究課題として、環境系の照明設計に取り組みました。

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新卒で入社したのは、照明の設計事務所
マニアックな話ですが、一般的にイメージされる建築や内装を担当するデザイナーとは別に、照明に特化した「照明デザイナー」というものが存在します。建築を依頼するお客様の前に現れることはほぼなく、建築デザイナーさんと組んで仕事をします。
建築デザイナーさんから依頼を受け、照明をデザインするーーつまり、お客様はデザイナーさんなんです。依頼に合わせて照明をデザインしますが、採用の決定権を持つのは依頼者であるデザイナーさん。
作ったものを取捨選択されることに物足りなさを感じてしまい、転職を決意しました。

転職先は、設計や施工を担うデザイン会社。これまで取引先だった環境へのチャレンジです。
そこで、居酒屋をはじめとした飲食店や物販店のデザインに関わるようになりました。
この会社におけるお客様は、現在所属するフォーシーズのように店舗経営を行う会社です。店舗を作り上げるにあたり、依頼を受けた様々なもののデザインを提案しました。それを評価・決定するのは当然、依頼主である店舗経営会社です。

理想のものを実際形にするためには、決定権のある会社に存在しなければならないのだと痛感しました。それが2007年にフォーシーズへ入社する転機だったように思います。
その選択をしたからこそ、現在は、自分がより良いと感じるものを形として残すことのできる環境で働けていると実感しています。
「理想を実現する」ことを積み重ねてらっしゃる会長の背中は大きく、その近くで仕事ができていることは非常にやりがいや学びがありますね。

串かつでんがなによって鍛えられた

この会社には、勤続10年で贈られる、「10年表彰」というものがあります。
当時、入社10年で何件の店舗施工に関わってきたか振り返ろう!と考え、表を作ってみたんです。それから8年ほどたち、今回のnoteの企画に合わせ、最新版を集計してみました。
可視化してびっくりしたのが、入社してこれまで合計で365件の店舗施工に関わってきたということです!日数にして一年分もの店舗に関わってきたと思うと、感慨深いものがありますね・・・。

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廣瀬さん18年の軌跡

平均すると、1年で20店舗ほどの立ち上げに関わったといえます。
店舗のオープンとは春か秋のことが多いので、常に半年先を見据えた仕事をすることになります。そのように働いていると、1年はあっという間に過ぎてしまうもので。入社して18年経つものの、ついこの間入社したような気持ちです。

ありがたいことに様々な業態に店舗施工に関わってきたので、どれも思い入れがあります。なのでもし、「好きなフォーシーズブランドのメニューを教えてください」と聞かれると答えに困ってしまいます。1つ選んでしまうと、「他の業態に思い入れはないのか!」と思われてしまいそうじゃないですか。(笑)

とはいえ、入社してから上司とパートナーを組み業務に取り組んできた中で、一人で任されたはじめての仕事は思い出深いです。
それは当時、立ち上がって間もない料飲事業である「串かつでんがな」の店舗施工でした。
これからどんどん盛り上げていこう!という段階のでんがなとともに私も鍛えられ、成長できたのではないかと思っています。
特に2013年はでんがな事業の出店に特に力を入れていて、1年で40店舗ほどの店舗施工に携わりました。
ラッシュ時は、1週間や10日周期で全国各地に新店舗がオープンしていたことも。
無事店舗が開店日を迎えると「完成してよかった!やったー!」という達成感はもちろんありますが、浸る間もなく数日後にオープンする店舗について頭を切り替えないといけないのは、少し辛いものがありました。
そんなオープンラッシュの頃必ず食べていたのが、とうもろこしの串かつです。

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とうもろこしの串かつ

食べやすくほぐされたとうもろこしが串に刺さって揚げられているのですが、これが本当に大好きです。
オープンの立ち会いの際に試食をするのですが、そこで絶対に注文する品です。

このように、記憶が飛びそうなスケジュールの時もありましたが、各店舗のことは意外としっかり覚えています。
例えばSNSで各業態の紹介動画や画像が投稿された時、その限られた情報の中で「どこの店舗だろう?」と考えるのが好きだったりするんです。

弾丸イギリス視察

2013年で思い出深いことがもう1つありました。サクラダイニングの施工です。
当時、200坪ほどの広さの店舗は会社としても手がける機会の少ない大きな案件でした。
会長の中には、既にイメージする店舗があったそうで、そのお店はイギリス・ロンドンにあるとおっしゃったのです!
日本からは早くても約12時間。国内を移動するのとはわけが違います。
そんな中、三連休を利用して1泊2日で上司たちと4人でイギリスへ行くことに!滞在時間は20時間ほどでした。
かなりタイトなスケジュールでしたが、行くことができて本当によかったと思っています。
やはり資料の写真で見るのと現地の空気を感じて実際に見るのでは、イメージの解像度がかなり変わりますから。

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作業中

物件によって、オープン予定日の1年半前ほどから準備するものや、2、3ヶ月でオープンさせなければならないものなどがありますが、サクラダイニングは1年ほどかけて作り上げた店舗でした。

店は第二の家ーー利用するお客様と使用するお客様のために

私の仕事で大事なのは「お金」「時間」「質」の3本柱です。
「お金」は予算をコントロールすること、「時間」はスケジュールを管理すること、「質」は店で働く従業員、来店するお客様それぞれにストレスのかからない空間を提供することです。

店舗を作り上げるにあたって、色々な方々のお金が億単位で動くことになります。方々と価格交渉し、どれだけ費用を抑えることができるかは非常に大事になってきます。何千万という単位の費用を抑えることができたら、「自分がいる価値はここにある」と思えますね。
ここで難しいのが、ただ金額を抑えることができればそれでいいわけではないということです。
いいお店を作っても、高い費用のかかったお店はよくない。これは分かります。かといって費用を抑えていいお店を作っても、オープンに間に合わなければ意味がない。つまり時間の管理や質に関する点ですね。
これらの塩梅が難しくて、局面ごとに何を優先するかを会長・社長・代表に相談して決めていくことも大事な仕事です。そして、会長たちのイメージを設計・施工会社に伝える橋渡し的な役目も果たす必要があります。

そのようにして完成したお店。お客様にいい店だと感じていただけるよう作り出すのは当然のこと。加えて、店舗営業に関わる方々にとっても使いやすい設計でありたいと考えています。
高評価をもらうのはハードルが高くなかなか難しいですが、「いい店できたね、ありがとう」と営業部の方に言ってもらえると非常に嬉しくなります。
「ありがとう」は魔法の言葉で、それまでどんなに辛いことがあっても、その一言で報われる瞬間があります。
社内にもお客様がたくさんいるようなイメージですね。
営業にとって、ほぼ毎日を過ごす店は第二の家のようなものです。過ごしやすく使いやすいレイアウトがどのようなものか、細かいヒアリングや打ち合わせが必要になってきます。
ですからコミュニケーションも、いい店づくりのためには必要不可欠だと思っています。

「お金」「時間」「質」ーーこの3本柱にコミュニケーションも加え、それらを念頭に、複数の店舗施工を同時進行しなければなりません。マルチタスクで、脳に色々な引き出しがないと整理できない仕事内容ではあります。
混乱しないようスケジュールを書くしかない!と、持ち歩けるスケジュールやカレンダーを自作して、一目見てわかるよう整理しています。

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廣瀬さん自作のカレンダー

オンとオフを明確に分ける

仕事とプライベートを地続きで行える人もいますが、私はオンオフを切り分けたい派です。
仕事を終えたら「今日は終わり!」と気持ちを切り替えて、それ以降は仕事については考えないようにしています。休みをしっかりとることを意識しているんです。

体を動かすことが好きで、休みにはゴルフやバレーボールをすることもあります。
バレーボールはまだはじめて間もなく、子どもがバレー部に入ったことや、近所で親子バレーができることがきっかけで取り組みはじめました。
私がやっているのは通常のバレーとは違い、ビーチなどで使用する軽いボールを使う競技なのですが、これが奥深いんです。
軽いボールだからライトにできるスポーツかと甘く見ていたのですが、全くそんなことなく!むしろ軽い分回転が多くかかるので力加減が難しいんです。
競技を始めて2ヶ月ほどで臨んだ大会は全敗でした!(笑)まだまだこれからです。
スポーツを見るのも好きですが、やはり実際にプレーすると楽しくて、それがリフレッシュにつながっているなと感じます。

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〈前回回答者・天野顕治さんからの質問〉「マイホームを作るとしたら?」

「自分で家を作ってみたい」から始まったキャリアですが、今は自分の住む家を満足いくものに作り上げられるか不安な気持ちが大きいです。
建築学科で何度も家の設計を考えてきた結果、家を作ることがゴールだと考えている自分がいます。作ったら終わりになってしまう気がするし、もし作った先に「こうしておけば、ああしておけばよかった」と後悔してしまったら・・・そう思うと、一歩踏み出せないでいます。
なので、核心を突かれたような質問ですね。ちょっと考えてみましょう・・・

もしマイホームを作るとしたら、仕事での経験は間違いなく生きてくると思います。
飲食店は商空間といい、家は住空間です。それぞれ滞在する人や時間が違います。不特定多数が2〜3時間いる空間と、固定の人が24時間いる空間では、それぞれデザインが変わってきます。
しかし、商空間が住空間に全く活かせない!ということはないので、これまで仕事で取り組んできた商空間の良さを組み込みながら住空間を作りたいなという思いがあります。
ものすごく具体的な例でいうと、シャトーレストラン3階のトイレの色は住空間に生かしたいですね。

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色はブルーグリーンで、左官でできている壁です。いい色で、これは真似したいなと思っていました。

本当の理想をいうと、立地や眺め展望にもこだわりがあります。そこにこだわると一軒家の線が濃厚ですよね。
カーテンのないボーダレスな家にも憧れがあります。柱を極力少なくし、全部戸を開けられるような開放感のある住宅。夏場は蚊が入りまくって住みにくいかもしれないですが・・・
そういった条件から、一軒家で且つ自然を感じられる郊外が理想を叶えるための必須要件になるでしょうか。
・・・というのが自分の理想ですが、家族の意見も重要なので。(笑)本当の理想の家はなかなか実現が難しいだろうなと思っています。
大学時代お世話になった教授の建築物が私の理想です。
窓から見える、緑あふれる風景が景色であり絵画である
そんな家を作ることができたら、それが私の人生における1つのゴールかもしれません。


廣瀬さんご本人は「裏方」と謙遜されていましたが、店舗運営するために欠かせない役割を担う仕事魂を垣間見ることができました。

廣瀬さんから、次回のストーリーテラーをご指名いただきました!
次回もお楽しみに。

▼フォーシーズ公式サイトはこちら


(文:フォーシーズnote編集部ライター・ひよこ)

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