【4月18日付社説】共同親権/子の利益につながる選択を

2026/04/18 08:00

 親の権利ではなく、子どもを育てる責任をどう果たすかを最優先に考えたい。

 離婚後の親権を父母の一方に限定せず、双方が養育に携わる共同親権も選べるようにする改正民法が今月施行された。家族の在り方が多様化する中、子どもの成長に両親が関与できるようにするのが目的だ。これまでの制度は、子どもと親権のない親との面会が十分に担保されないことや、子どもと親権者の関係が良好でない場合に、もう一方の親が子どもを支援するのが難しいことが課題だった。

 共同親権を選択した場合は、転居や進学、財産管理といった子どもの将来に関わる事柄などについては父母が同意して決める。意見が対立した場合は、家庭裁判所が父母のどちらがその事柄について決定するかを指定できる。

 離婚後も両親が養育に関わることで、子どもが双方から支援や愛情を受けられるようになるのは大きな利点だろう。新たな選択肢が子どもの経済的、心理的な支えにつながることを期待したい。

 ただ、意見がまとまらなければ、必要な判断が速やかに行えないなど、子どもに不利益が生じる恐れがある。誰が親権を担うかを決める際には、子どもの健全な成長にどのような環境が望ましいのかを慎重に考えることが大切だ。

 親権を単独とするか共同とするかについて双方の考えが異なる場合や、裁判による離婚の場合は家裁が判断する。夫婦間のドメスティックバイオレンス(DV)や子どもへの虐待が懸念される場合には、必ず単独親権とする。ただ、DVは証拠が残りにくく、家裁が適正に判断できるかを懸念する声がある。

 日本弁護士連合会は、家裁が申し立てなどを適正、迅速に判断するには、専門知識を持った調査官などが不足しているとして、体制強化を求めている。最高裁は調査官の増強を図るとしているが、2025年度の増員は全国で5人にとどまり、体制が強化される家裁はわずかだ。子どもの利益を守るための判断を担う家裁の役割は大きい。申し立ての動向をみながら、さらなる増員を含め、体制の充実を図ることが求められる。

 子ども1人につき暫定的に月2万円を請求できる「法定養育費」も創設された。養育費について早期に取り決めるよう両親に促す狙いがある。離婚時には父母間の対立が強まっており、養育費について冷静に話し合うのが難しいとの指摘がある。国は、養育費の話し合いや取り決めの履行を促す仕組みも検討すべきだ。

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