西日本シティ銀行の「謝罪」はナゼ失敗したのか。火消しで再炎上する「火に油」パターンとは #エキスパートトピ

小木曽健
国際大学GLOCOM客員研究員/執筆業
写真:森田直樹/アフロ

西日本シティ銀行の行員が、執務室内の映像を「BeReal(若年層に人気のSNS)」に投稿し、それがSNS上で拡散。外部からの指摘・批判が相次ぎ、自社の株価が下落する事態にまで発展した。銀行は30日付で謝罪リリースを出したが、その内容が新たな火種となっている。

ココがポイント

行員が顧客の個人情報を含む行内の様子を撮影した動画などをSNSに投稿
出典:FNNプライムオンライン(フジテレビ系) 2026/4/30(木)

二度とこのような事態を起こさないよう、全行あげてコンプライアンス遵守や情報管理を徹底し、再発防止に努めてまいります
出典:西日本シティ銀行「お詫びとお知らせ」 2026/4/30(木)

エキスパートの補足・見解

この謝罪リリースには「この度、当行職員がインターネット上に投稿した営業店執務室内を撮影した動画や画像が、 拡散された事案が判明いたしました」と記されており、謝罪や再発防止にも触れている。ただし、本来謝罪すべきは「執務室内を撮影」して「インターネット上に投稿」した行為であり、ネット拡散はその結果でしかない。

謝罪文言において、相手に「解釈の余地」を与えるのは最も避けるべき悪手。このリリース文は、読み手に「拡散しなければ問題なかった、拡散が悪い、ネットが悪い」という開き直りか、という曲解の余地を与えてしまっており、実際SNSでもその点が指摘されている。

ネット炎上や謝罪会見では「謝罪」そのものより「謝罪理由」(何に対して謝っているのか)に注目が集まる。文言作成時は「世間はナゼ我々に怒っているのか」を的確に、迅速に理解し、それを幅を持たせない言葉にして「我々は皆さまのお怒りポイントをしっかり理解しています」と伝える必要があるのだが、本件では見事に失敗してしまった。

謝罪事案や炎上対処における失敗は、危機管理能力が低いという別の評価まで得てしまうので「謝罪理由」の見極めは非常に重要な作業と言える。

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国際大学GLOCOM客員研究員/執筆業

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講演や書籍、メディア出演などを通じて、炎上の「火消し」から、ネットで絶対に失敗しない方法、フェイクニュースの見破り方まで幅広く発信中。著書は「炎上しても大丈夫! 今日から使える企業のSNS危機管理マニュアル」「11歳からの正しく怖がるインターネット」(晶文社)、「ネットで勝つ情報リテラシー」(筑摩書房)ほか多数。全国の学校・企業・官公庁向けに40万人、2000回以上の講演実績あり

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