高市政権での憲法改正、「賛成」47%「反対」43% 朝日世論調査

山下龍一

 5月3日の憲法記念日を前に、朝日新聞社は憲法を中心に全国世論調査(郵送)を実施した。高市政権のもとで憲法改正を実現することの賛否を聞くと、「賛成」47%、「反対」43%と割れた。国会での改憲の議論を急ぐ必要があるか尋ねると、「急ぐ必要はない」が62%で、「急ぐ必要がある」の33%を上回った。

 高市政権と同じく改憲を掲げた安倍政権下の2016~20年の調査で、改憲実現の賛否を聞いた。この間は、「反対」が「賛成」を一貫して大きく上回った。今回は賛否が分かれた。

 年代別にみると、50代以下で「賛成」が過半数だったが、70歳以上で「反対」が58%にのぼった。内閣支持層(64%)で「賛成」は64%、「反対」が27%、無党派層では「賛成」が33%、「反対」は52%だった。

 高市早苗首相は4月の自民党大会で、「(憲法)改正の発議にめどが立った状態で来年の党大会を迎えたい」と語り、改憲議論の加速に意欲を示している。

 国会での改憲議論を「急ぐ必要はない」は、内閣支持層で54%、自民支持層で55%、維新支持層でも半数を超えた。

 いまの憲法を変える必要があるかを尋ねた。前回25年の調査と比べて、「変える必要がある」が53%から49%に減り、「変える必要はない」は35%から44%に増え、今回は拮抗(きっこう)した。

 自民支持層で「変える必要がある」が前回とほぼ同じ56%だった一方、無党派層では、「変える必要はない」は前回34%から52%に増え、「変える必要がある」が前回50%から39%に減った。立憲や公明の支持層でも「変える必要はない」が前回より増えており、改憲への警戒感が広がっているようだ。

 性別で見ると、男性は「変える必要がある」が57%で、「変える必要はない」の41%を上回ったのに対し、女性は「変える必要がある」43%、「変える必要はない」48%と割れた。

「変える」「変えない」理由は…

 「変える必要がある」、「変える必要はない」と答えた人に、それぞれの理由を4択から一つ選んでもらった。

 「変える必要がある」理由は「日本を国防の点で守り切れない」51%、「日本人が主体的に作ったものではない」25%、「新たな権利を書き加えたい」15%、「個人の権利が前面に出すぎている」2%、だった。

 「変える必要はない」理由は、「戦争をしないで来られた」48%、「すでに定着している」18%、「変えても社会は良くならない」17%、「訴える理想は古びていない」14%、だった。

 調査は全国の有権者から3千人を選び、郵送法で3月上旬から4月中旬に実施した。有効回答は1827で、回収率は61%だった。

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ミニ解説 憲法を意識する人ほど強い改憲志向

 「ふだんの生活の中で、憲法を意識したり、考えたりすることがあるか」との質問に、「ある」と答えた人ほど、改憲志向が強い結果が出た。

 「ある」は、「よく」5%、「時々」33%を合わせた38%に対し、「ない」は、「あまり」48%、「まったく」14%を合わせた62%だった。同じ質問をした23年の調査と大きな変化はなかった。

 憲法意識が「ある」と答えた人のうち、憲法を「変える必要がある」を選んだのは54%、国会での改憲議論を「急ぐ必要がある」を選んだのは41%で、いずれも全体より多めだった。

 一方、憲法意識が「ない」と答えた人のうち、憲法を「変える必要がある」を選んだのは47%、国会での改憲議論を「急ぐ必要がある」を選んだのは28%で、少なめだった。

 ただ、高市政権のもとで改憲を実現することの賛否については、「ある」と答えた人でも、全体とほぼ同じ回答結果だった。

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この記事を書いた人
山下龍一
世論調査部
専門・関心分野
国政、地方自治、トライアスロン

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