①刑事裁判一歩前進「検事正としての地位利用」などを追加、②アンケート12月末まで延長

御礼
 まもなく12月。
 北川被告人が初公判での認めから一転否認し無罪を主張してからもう1年になります。
 被害からも7年超が経過し、苦しい局面が続いていますが、皆さまの温かいご支援のおかげで、私たちは、ここまで、大きな権力と闘い続けられたと思います。本当にありがとうございます。
 北川被告人に対する厳正な処罰、性犯罪被害者の氏名や誹謗中傷などを拡散させるなどした副検事に対する厳正な処罰、そして、検察庁の組織改善を求める闘いはまだまだ続きますので、引き続き、温かく力強くご支援いただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

①刑事裁判で「検事正としての地位利用」などを追加
 刑事裁判で一歩、前進しました。
毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6560495

https://mainichi.jp/articles/20251127/k00/00m/040/268000c

日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2896D0Y5A121C2000000/

朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASTCX32R8TCXPTIL010M.html

産経新聞
https://www.sankei.com/article/20251128-SVO34UW3XZI5XGQORPSK2VKUE4/

読売新聞https://news.yahoo.co.jp/articles/3081e2c38728ec0fd49bdb6cfa176cde5aa8fa3e

 検察庁は、当初、起訴状に、「北川被告人は、被害者が飲酒酩酊のため抵抗困難な状態であることに乗じて性暴力の犯行に及んだ」と記載し、その犯罪事実で北川被告人の処罰を求めていました。
 しかし、11月28日の報道で、検察庁が、上記犯罪事実に
北川被告人が大阪地検のトップの立場にあり、被害者はその指揮監督下に置かれていたことを踏まえ、「北川被告人が、検事正としての影響力を部下職員らに及ぼし得る立場にあることに乗じて」犯行に及んだこと
「被害者が意に反して検事正から性暴力を受ける事態に直面して、驚愕し、恐怖を感じたことにより、抵抗困難な状態であることに乗じて」犯行に及んだこと
を追加する「訴因変更請求」という手続きを行い、裁判所がそれを認める許可決定をした、ということが報じられました。

 私は、この報道で初めて、裁判所が訴因変更の許可を決定したことを知りました。しかも、今年の9月には決定が出ていたことも報道で初めて知りました。

 検察庁は、被害者参加人である私に対し、決定が出たことを教えてくれませんでしたので、報道を見て、とても驚きました。
 検察庁はこれまでも被害者参加人に説明すべき情報を説明せず、被害者参加人の権利を蔑ろにし続けてきましたので、今回の対応についても強い不信感を抱いています。

 また、期日間整理手続は非公開のため、検察庁が訴因変更の請求をしていたことや、裁判所がその許可決定をしていたことを、なぜ公表したのか、疑問です。

 ただ、検察庁や裁判所が公表したのでしょうから、私もこの訴因変更に関して、私の被害経験などに基づいてお話しさせていただきます。

 私は、これまで、繰り返し、検察庁に対し、被害実態に見合った犯罪事実で北川被告人を処罰してほしい、飲酒酩酊のため「物理的に抵抗困難な状態」になったというだけでなく、①北川被告人が大阪地検トップの検事正であり、私を指揮監督する上司であったこと、②予想外の事態に直面させられ驚愕・恐怖したことから、「心理的に抵抗困難な状態」になったことも追加する訴因変更請求をしてほしいと訴え続けてきました。

  私は、検察庁に対し、私が北川被告人から性犯罪被害を受けたのは、泥酔して抵抗できなかったから、というだけでなく、
・私は既婚者で、懇親会を終えて夫と幼い子どもが待つ自宅に帰宅しようとしていたのに、泥酔して眠ってしまい、目が覚めたら、見知らぬ場所で、助けを呼ぶこともできない状況で、全裸にされレイプされていた。
・しかも、その加害者は、犯罪者を処罰することを使命とする大阪地検のトップの検事正の北川被告人であった。
・私にとって、北川被告人は、私の人事や仕事など全てを指揮監督する「生殺与奪権」を持つ検事正であり、畏敬の念を抱き、信頼していた上司であった。
・一方、北川被告人は、検察庁の外で2人きりで会ったこともなく、個人的な関係など全くない、単なる上司で、既婚者で、高齢で、私の好みからかけ離れた、男性として好意を持つことなど考えられない男だった。

・そんな男から突然レイプされていたことがどれほど衝撃的で恐ろしかったか。抵抗したら、地位や名誉を始め、人生の全てを守ろうとする北川被告人から殺されると思い、心も体も凍り付いてしまった。泥酔していて体も動かなかった。
・「夫が心配しているので帰りたい」と言っても無視され「これでお前も俺の女だ」と言われレイプされ続けた。抵抗できるはずがなかった。それがどれほど恐怖で惨めで絶望的だったか。
ということをずっと訴え続けてきました。

 そして、私は、加害者が見ず知らずの第三者なら、被害直後に被害申告できたのに、加害者が私の上司である検事正だったので怖くて被害申告できずに長く苦しんできたこともずっと訴え続けてきました。

 そして、私は、誰よりも高い倫理観を持ち法律を遵守すべき立場にあり、犯罪者を処罰し国民の安全を守ることを使命とし、性犯罪の法律も、被害者の心理も、性犯罪が被害者に与える重篤な被害も全て熟知した「検事正」が、準強制性交等罪という重罪を犯したことの責任の重大さを問うべきだと訴え続けてきました。 

 今回追加された①検事正としての影響力を部下職員らに及ぼし得る立場にあること、②被害者が意に反して検事正から性暴力を受ける事態に直面させられて、驚愕し、恐怖を感じたことは令和5年の法改正によって明文化された要件に類似する内容です。 

 法改正の8号「地位利用」要件は、多くの性暴力が地位の格差を利用した構造的な犯罪であることを反映して設けられたもの、6号「予想外の事態に直面させられ驚愕、恐怖」要件というのは、被害者が性犯罪被害に遭った際に心身が凍り付く「凍結反応」が起きることは神経学的にも心理学的にも一般的に認められていることを反映して設けられたものです。

 私は、これまで、会見やnoteなどで繰り返し
・令和5年の法改正前と法改正後の処罰範囲は同じであり、法改正前の要件を法改正後に明確化しただけであること
・法改正後の要件は例示列挙で、類似の事情があれば認められること
・性犯罪の本質は、性的行為に関する自由な意思決定が困難な状態でなされた性的行為を処罰することにあり、被害者が同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態に乗じて性的行為を行えば処罰されること
をお話ししてきました。 

 私の事件は、令和5年の法改正前の事件ですが、法改正後に例示列挙されているような事情があり、そのために同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態で性犯罪被害に遭いました。

 そして、北川被告人はそれらの事実を認識し、これに乗じて、性犯罪の犯行に及びました。

 ですから、私は、検察庁に対し、それらの事実を「訴因」に掲げ、処罰の対象にして、私の被害実態に見合った処罰をすべきであり、北川被告人が犯した罪の実態に見合った処罰をすべきであると訴え続けたのでした。 

 令和5年の法改正時、両議院の法務員会は、附帯決議で、政府(検察庁を含む)や最高裁判所に対し、「法改正の趣旨や性犯罪の同意の意義等を周知徹底するよう格段の配慮をせよ」と示しています。https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Futai/houmu9144695215975EA2492589C000322039.htm

 法務省のHPでも、令和5年の法改正後の要件は、法改正前の要件を明確化しただけであることを公表しています。https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html

  しかし、実際は、世の中に浸透しておらず、私の事件が報道されたときも、テレビやYouTubeで解説をしていた複数の著名な弁護士が、「今回の事件は法改正前の事件であり、法改正後と違い、処罰が限定される」といった誤った情報を発信していました。 

 検察庁でも十分に周知徹底されていないのか、同様の誤った認識を持つ検察官から心無い言葉を投げかけられ、不当に不起訴にされたと嘆く声が、私や弁護団、支援の会の方に寄せられています。 

 裁判所も、法改正の趣旨や性犯罪の同意の意義などを理解していないのではないかと思わざるを得ない不当な無罪判決が出されています。 

 そして、私自身、起訴当初の起訴状に「飲酒酩酊」しか記載されていなかったことについて当初から疑問を抱いていました。 

 だから、私は、検察庁に対し、
・令和5年の法改正前の事件も、法改正後の要件と類似の事情があればそれを「訴因」に明示して処罰対象にすべきであることを、私の事件を通じて、検察庁が発信していくことが大事なのではないか。
・そうすれば、他の検察官も、それに続いて、正しい捜査・処分をするようになるのではないか。
・そうすれば、処罰すべき性犯罪が正しく処罰され、被害者も救われるのではないか。犯罪者を野放しにしないことで性犯罪が繰り返されなくなるのではないか。
ということを訴え続けてきました。 

 今回、私や弁護団が訴え続けてきたことが一つ実を結び、一歩、前進したことは、本当にほっとしました。
 これに続いて、他の法改正前の事件も、正しく捜査され処分されることを心から祈ります。

 ところで、現時点で、検察庁は、被害者参加人である私に対し、説明すべき刑事裁判の情報を全く説明しないため、検察庁がどのような主張立証をしているのかわかりませんが、十分な主張立証がなされていないと実感しており、非常に不安に感じています。
 検察官は裁判において主張立証を尽くす義務がありますので、私たちは、検察庁に対し、訴因変更した処罰対象について十分な主張立証をするよう、また、必要な補充捜査を行うよう、強く要望しています。
 
 そして、私たちは、検察庁に対し、もう一つの「訴因変更請求」を求めています。

 それは、北川被告人の性犯罪被害により、私が重度のPTSDを発症したことも処罰の対象にして、きちんと主張立証してほしいということです。

 私は、北川被告人の性犯罪被害に遭い、どれほど長く深く苦しめられているか、心身をボロボロに壊され、家族との平穏な生活も、仕事も奪われ、強い恐怖や不安、孤立感、絶望感に苦しめ続けられている深刻な被害実態を、きちんと処罰の対象にしてほしい、被害実態に見合った処罰をしてほしいと、訴え続けています。

 専門家は、性暴力被害者の半数以上がPTSDを発症すると述べています。

 PTSDの症状はとても重く、しかも長く続き、一生続くこともあります。  
 そして、全治することは難しく、病状が治まっておだやかな状態になるには壮絶な治療が必要です。

 このような性暴力被害者の被害の実態をきちんと処罰の対象にして、被害実態に見合った処罰を得ることが、被害者の回復の一助になると、私は信じており、私自身、検事として実践してきました。

 個々の被害実態に見合う処罰をする義務が検察官や裁判所にはあります。
 しかし、性犯罪の量刑が軽すぎるのは、一部の検察官や裁判所が、個々の性犯罪被害者の被害の実態を知ろうとせず、性犯罪を軽視し、悪しき前例に従うのみという怠慢に原因があると思います。
 

 繰り返し言っていることですが、検察庁や裁判所には、附帯決議のとおり、「不同意わいせつ罪及び不同意性交等罪における同意の位置付け及び意義、年齢差要件及び地位・関係性要件等並びに面会要求等罪の改正法の趣旨及び構成要件について、十分に周知徹底を図るよう努め」、「性犯罪が重大かつ深刻な被害を生じさせる上、その被害の性質上、性犯罪被害者が支援を受けるまでに様々な心理的・社会的障壁があることを踏まえ、捜査から公判等における各段階において被害者の心身の状態に十分配慮するよう努め」、「性犯罪の捜査、司法手続に当たって、被害者の心理及び心的外傷、被害者と相手方の関係性をより一層適切に踏まえてなされる必要性に鑑み、これらに関連する心理学的・精神医学的知見等について調査研究を推進するとともに、調査研究を踏まえた研修を行う」義務があるはずです。

 全職員の意識改善、情報の周知徹底、知識・経験の底上げを迅速に実施すべきです。

 被害者が救いを求める先の検察庁や裁判所が、被害者に二次加害を与えることがあっては絶対に許されません。

 今回の訴因変更決定の報道を受け、11月28日、私の弁護団が報道機関に以下のコメントを出し、その一部が報道されましたが、全文を報道していただけなかったので、紹介させていただきます。
 
 裁判所が、検察庁の訴因変更請求を許可する決定をしていたということについては、今朝の毎日新聞の報道で初めて知りました。
 元々は、今年の1月以降、被害者参加人の方から検察庁に対し、被害実態に見合うよう、2つの訴因変更請求を要望していました。
 1つは、原因行為として「検事正の地位利用、予想外の事態に直面し恐怖、驚愕」を追加する訴因変更請求、もう1つは、性犯罪による「結果として重度のPTSDを発症したこと」を追加する、準強制性交等致傷罪への訴因・罰条の変更請求をして裁判員裁判にしてほしいという要望です。
 報道によれば1つ目の訴因変更決定が出たようで安心しましたが、現時点でも検察庁からその訴因変更決定が出たことについての説明はありません。 
 訴因は被害者参加人にとって最も重要な情報であり、訴因変更決定が出たのなら、まず被害者参加人に説明をすべきと考えます。
 被害者参加人は、検察庁に対し、繰り返し、「検察庁は、被害者参加人に対して開示・説明すべき情報を隠し続け、被害者参加人としての私の権利を蔑ろにしてきた。」と訴えており、その代理人である我々も本件における検察庁の被害者参加人への対応は、被害者の権利利益を保護せよという検察庁の通達に反し、被害者参加制度を定めた刑事訴訟法の趣旨に悖る問題があると考えております。
 今後検察庁に対しては、本件の訴因変更の許可決定がいつなされたのか、なぜ被害者参加人に説明しないのか、仮に検察庁が、被害者参加人に説明する前に訴因変更の内容やその決定が正式になされた事実を報道機関に話したのであれば、被害者参加人の権利を蔑ろにする対応ではないかといった点を質問し、かつその対応には抗議することを考えております。
 また、検察庁には、これまで繰り返し、2つ目のPTSDを致傷とする準強制性交等致傷への訴因・罰条変更請求をしてほしいと要望しております。被害者の病状悪化が深刻であることから、2つ目の訴因変更も早く実現していただきたいと考えています。

②アンケート12月末まで延長
 11月30日現在、424名の方々からご回答をいただいております。  
 質問は85項目と多く、とても辛い被害を思い出して打ち明けていただくという過酷なことをお願いしているのですが、これだけたくさんの方々からご回答いただけたことに、心から感謝申し上げます。
 ご回答してくださった皆さまが、ご自分の辛い経験が、性暴力被害をなくすことや被害者の救済に繋げられたらという切実な想いで、ご回答してくださっています。
 弁護団や支援の会の有志の方々とともに、責任をもって、法務省や検察庁、裁判所などに皆さまの声を届けていきたいと思います。

 そして、ご回答をいただいた被害者の方々のほとんどが、被害申告できなかったとご回答されていました。
 
そのうちのほんのわずかな方々が、勇気を振り絞って被害申告したけれど、そのほとんどが、警察官や検察官から心無いことを言われて傷付いたり、きちんとした捜査をしてもらえず不起訴にされ、誰にも助けてもらえないのだと絶望したとご回答されていました。
 しかし、被害者に寄り添い適正な対応をしている警察官や検察官に担当してもらえた方々は、その対応や捜査・起訴してもらえて適正に処罰してもらえたことに感謝しているとご回答された方もいらっしゃいました。
 警察官や検察官の意識改善、情報の周知徹底、知識・経験の底上げの必要性を痛感します。
 
 回答がまだ続々と集まってきており、また、弁護団が複数の報道機関の取材を受け、今後アンケートについて報道していただく予定をしていますので、回答期限を12月31日まで延長しました。
 
性暴力被害の実態についても調査していますので、被害申告の有無にかかわらず、また、被害の度合いや内容にかかわらず、ご回答いただければ幸いです。
 一人でも多くの被害者の方々にこのアンケートを知っていただくためには、皆さまのお力が必要です。
 引き続き、シェアにご協力いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

「性犯罪被害者から見た捜査・裁判の問題点に関する実態調査アンケート(2025)」
https://forms.gle/575qdFoE3FdNmhDQ7

コメント

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令和6月30日付け告発状を、7月2日、大阪高等検察庁の検察官捜査検事宛てに郵送しました。「汚職検察官と聖職検察官との攻防」と断じる正しい裁きが行われることを願って、公務執行妨害+特別公務員「職権濫用(逮捕・監禁)+暴行陵虐(不同意『わいせつ・性交』)+暴行陵虐致傷(致『PTSD;…

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empathy│ひかり いいね
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yaco

少し前進があったことが喜ばしいと思いつつ、引き続き検察庁の対応には不信感がありますね…でも正義の実現に向けて、一歩一歩。ひかりさんの日々にもなるべく穏やかな時間がありますように、太陽にも当たって、ぜひともお体ご自愛下さいね。

3
empathy│ひかり いいね
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あきらら

本当に少しずつの前進ですね。もどかしいですが、正しい判決が下り、ひかりさんが少しずつ癒されることを願っています。

4
empathy│ひかり いいね
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sayuri

揃いも揃って著名なユーチューブ活動等されている弁護士さん達が、法改正前と改正後で、処罰要件は同じ、という所を理解されていなくて驚きました。また改正後の一般向けに配布されているパンフレットを見ても、その処罰要件こそが重要なのに、そのことがどこにもはっきりと明記されておらず、改正前の…

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