月への想いは反転し…
初投稿なので…云々よりもまずは投稿まで持ってこれた自分のやる気に感謝。内容は一言で言ってしまえば好感度反転モノ。なので苦手な人は注意してください。
エレシュキガルのssを求め、自己供給した結果思わぬ性癖?を自覚してしまった。
*すみません!続きます!書きます!でないと変な終わりになってしまう。
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カルデアの至るところにある照明の色が明るくなり、朝が来たことを間接的に告げる。
「ふぁ…ぁ。…7時か、もうそろそろ起きないとな」
大方いつも通りの時間に起きれた。しばらくしたら朝の散歩としてカルデアを歩き回っているエレシュキガルが帰ってくるだろう。
「んー、んん?何だこれ?新しい令呪?」
左手の甲には見慣れた赤い紋章がある。ただ、右手首の辺りから─薔薇のツル?─のような黒いシルエットが手の甲に向かって伸び、花が咲いている
「うーん、…いたずら?洗ったら消えるかな」
洗面器のレバーを動かし水の出す。
「あれ、全然消えない。油性ペンか?中々手が込んでるな…。まあしばらくしたら消えてるかな」
洗面所から戻った時─
─ドクンッ!
と心臓が跳ね、鼓動が加速する。とてつもなく緊張した時の様に。さらに冷や汗が出る。
「へ?…や、え?何、この感じ?」
背筋が急激に冷たくなる。何か恐ろしいものが近づいて来ているような感覚だ。何度も死地をくぐってきたがそれとは全く異質の恐さ。
「何だ何だどういうこと。何なんだよ!これは!」
理解不能な感覚に声を荒げるが部屋には俺しか居らず、叫びに答える者はいない。
そうこうしているうちに悪寒はさらに強くなる。
何に怯えているのか自分でも理解できていないが何が起きてもエレシュキガルが帰ってくるまで耐えられるようにドアをジッと見つめ警戒する。
「………………」
ほんの数秒の間だったのだろうか、1、2分にも感じられるほど経ったように思った時、ついにドアが開く。
「ただいま、マスター。…って、どうしたの?そんな顔して」
部屋の前に現れたのはよく知った俺のサーヴァント、エレシュキガルだった。
その姿と声に安心しホッと息を吐こうとした瞬間、右手を今まで体感したこのない激しい痛みが襲う。まるで掘削機で肉や骨を抉りとるような…。
「う゛、ぐっ、あ゛あ゛あ゛!痛い!痛い!痛い!」
右手をよく見ると薔薇のツルのシルエットが黒く鈍く光り蠢いている。
何か…の警告だろうか?
「ちょ、マスター!?大丈夫!?」
エレシュキガルが血相を変えて近寄ってくる─
─途端、薔薇がよりいっそう強く光り、痛みが今までより何倍も強くなる。それにだけに留まらず先程から感じていた悪寒や恐怖も同時に強くなる。
「~~っ゛!!俺に近付くなぁ゛!!」
咄嗟の判断だった。
思わず令呪を一画消費してしまうほど強い意思を含んだ叫びはエレシュキガルを俺の反対側、部屋の入り口付近のドアまで吹き飛ばし距離を多少なりとも離すことに成功した。
そのおかげか先程よりかは痛みや悪寒などが治まった。…何なんだ?原因はエレシュキガルなのか…?
「はぁ……はぁ……」
「っ!!ちょっと!どうしたのよ!大丈夫なの!?」
再度、俺に近付こうとするが令呪の力のおかげで近付けないようだ。
この黒薔薇の紋章のせいかはわからないがこの感覚がもし"警告"であるならば、エレシュキガルは俺に何らかの危害を加えようとしているということになる…はずだ。最悪を想定すれば殺害…か。
でも、そんな事はあまり考えたくないというか考えにくい。エレシュキガルとは一緒に何度も死地をくぐってきた仲だ。少なくとも俺は彼女を信頼しているし頼りにしている。
「……エレシュキガル、だよな?」
「え?…ええ、当たり前じゃない」
「……」
…本当にそうなのだろうか?なら何故こんなに恐ろしく感じているのか?
何らかの敵性サーヴァントがカルデアに侵入し、化けている、と考えられなくもない。いや、令呪に縛られている以上本人に違いない。くそっ!何で信用できない!
距離を取らないと…。部屋の中に居続けるのは不味い。だが入り口に陣どられては部屋から出ようがない。
「一旦…部屋から出てもらえないか?」
「どうしたの?さっきからどこか様子が変よ?」
「頼む…!」
「右手、痛いんでしょう?ドクターに診てもらいましょう」
こちらを一応心配してる様にも見えなくはないが部屋から出てもらえそうな素振りは見せない。
もう一画使うしかないのか?エレシュキガルに左手の令呪を向ける。
『令呪をもって命ずる──』
「マスター、もしふざけているのなら…怒るわよ?令呪は決して無駄使いしていいものじゃないことは理解しているでしょう?」
エレシュキガルの声のトーンが下がる。もしかしたら怒らせたのかもしれない。
だが、右手の薔薇が教えてくれる。
─このままでは殺される─
『この部屋から─がっ!?」
身体に鈍い衝撃が走り、意識が遠のく。暗くなっていく視界にエレシュキガルが写る。
「ごめんなさい、マスター。でも、少し頭を冷やしなさい」
「いっててて、ここ…は医務室か」
「お、起きた。一体何があったんだい?」
「ああ、ロマンか。っと右手の薔薇はー…まだあるのか。」
「右手のソレはどうしたの?昨日までそんなものはなかったと思うんだけど」
「これか、今朝起きたら何故か右手に浮かび上がってて─って、クソクソクソ!またあの感覚か!何なんだよ!痛い痛い!恐い!やだ、死にたくない!」
「ちょっと!?どうしたんだ、急に!?落ち着いて!…ん?模様が…動いてる?」
恐らく、エレシュキガルが近づいてきたということだろう。
医務室のドアがガチャリと開く。
「ドクター?マスターの様子はどうかしら?」
「うわぁぁぁぁぁ!!!痛い!痛い!来るな!来るな!来るなぁぁ!」
手当たり次第近くにあるものをエレシュキガルに向かって投げる。枕、布団、花瓶など何でもだ。サーヴァント相手に効果がないことは承知しているが何か抵抗しないと気が狂いそうだった。
「ちょ、やめなさい!!!マスター!!」
「わわわ、とりあえず落ち着くんだ!!深呼吸しなさい!」
すぐに二人に押さえつけられ、ベッドに寝かされる。それはつまり、エレシュキガルが超接近してくるということであって、痛みが最高頂に達する。身体が思わず弓なりに反り返り痛みを少しでも和らげようとするが効果はない。
「~~~~~っっ!!!」
経験したことなどないが右手を万力で何度も潰される様なとてつもない痛みに声にならない悲鳴をあげる。身体中から汗が吹き出て、顔からは涙が溢れ出る。エレシュキガルから離れるため、拘束から逃れようと暴れる。
「マスター!!マスター!!しっかりして!」
サーヴァントと男の二人での拘束に対抗できるはずもなく、どうすることもできずただ痛みを甘受する。
しばらく同じ痛みを繰り返し感じたのちに右手に焼けるような、とても熱いものを押し付けられた様な痛みを感じる。先程までの痛みに比べれば大したことないが身体に限界が訪れ、再び意識が暗闇に落ちる。