角竜類を代表する白亜紀後期の大型草食恐竜「トリケラトプス」について、福井県立大学恐竜学部の河部壮一郎教授らの研究グループは、鼻腔内に「呼吸鼻甲介(びこうかい)」と呼ばれる構造を持っていたことを初めて明らかにした。鼻甲介は温度調節機能があるとされ、陸上の脊椎動物の中でも最大級の頭部を冷やすのに役立っていた可能性を指摘した。
グループは河部教授や同大大学院生物資源学研究科3年の坂根広大さん、東京大学総合研究博物館の多田誠之郎特任助教ら。研究論文の筆頭著者の多田特任助教が、日本学術振興会の特別研究員として福井県立大学に在籍していた2024年度に取り組んだ。
河部教授によると、トリケラトプスの頭骨化石の一部をCTスキャンし、鼻腔内を解析。骨ではない鼻甲介は残っていないものの、化石に鼻甲介を支える突起の存在を確認した。鼻甲介は現生生物では鳥類と哺乳類にしかなく、「紙を筒状に丸めたようなひだ状の構造」(河部教授)。この形状で鼻腔内の表面積が増えて周囲の血液が空気で冷やされ、温度調節の機能があるとされる。
恐竜ではこれまで鳥類に近い獣脚類で確認されていたが、別系統のトリケラトプスに存在したことも分かり、河部教授は「恐竜全般にあった可能性が出てきたのではないか」と意義を語る。多田特任助教は「今後のトリケラトプス研究の土台となるような基礎的で重要な知見を、日本から提供できたことに大きな手応えを感じる」と強調。今後も「化石から生き物の進化の謎を解き明かしていきたい」と意気込んでいる。
今回の研究でCTの有用性も改めて示された。4月に供用を開始した勝山市の県立大恐竜学部棟には大型CT装置が導入され、河部教授は「これまで以上に撮影できるサンプルが増える。活用した研究をさらに進めていきたい」と話す。
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論文は、2月に米研究誌「アナトミカル・レコード」の電子版に掲載された。






































