金沢市の村山卓市長は、金沢21世紀美術館を含む文化施設の入館料について、「二重価格」の導入を検討する方針を示した。各施設の維持管理に市税を充てていることから、市民は値下げし、市民以外を引き上げる方向で準備を進める。運営費の負担が増す中、二重価格を設定して自己収入を増やすとともに、より魅力的な施設にするための投資にもつなげたい考えだ。
本紙連載「県都胎動~まちなか再生~」の山野之義知事との対談企画で明らかにした。
村山市長は各施設の入館料について「維持管理コストが高騰しており、値上げしていかざるを得ない」と説明。料金水準を見直す中で、市税を納めている市民と、それ以外に差を設ける意向を示した。
二重価格を巡っては、訪日客の増加を受け、施設の維持管理費の確保や混雑緩和を目的に導入の動きが広がっている。京都市は今年2月、市中心部の市営バス運賃に導入する方針を表明。兵庫県姫路市は3月から世界遺産・姫路城の入城料を市民は1千円、市民以外は2500円とした。
国立の博物館・美術館でも、2026~30年度に取り組む「中期計画」の中に二重価格の導入が明記されており、村山市長は「国の動きや他都市の状況も参考にしながら検討していきたい」と述べた。
山野知事は村山市長の方針に理解を示した上で、自身の公約である兼六園の二重価格導入について「専門家に意見を聞きながら丁寧に進めていきたい」と語った。
★二重価格 観光施設などで住民以外の料金を住民より高く設定すること。施設の維持管理費を確保したり混雑を緩和したりする目的で導入する動きが出ている。金子恭之国土交通相は3月、二重価格に関するガイドラインを策定する考えを表明。自治体などが二重価格を導入するかどうか検討する際の参考となるよう、先行事例をまとめる方針だ。