中国「空中バス」頓挫 運営トップら逮捕、不正な資金集め容疑
【大連=原島大介】中国で渋滞を解消する「夢の車両」と期待されていた交通プロジェクトが頓挫した。車道と一般の自動車をまたぐ「空中バス」を走らせる構想だったが、公安当局は今月、違法に資金集めをした疑いで運営会社のトップら32人を逮捕した。車両自体も技術的な問題を抱えているとされ、実現の見通しが立たなくなった。
空中バスと呼ばれる新型車両は、道路の両脇にレールを設けて走らせる計画だった。一車両で300人の輸送が可能なうえ、車道と車両の間に約2メートルの空間があるため、下を一般の自動車も走行できるとされた。
渋滞解消の切り札として注目され、米誌「タイム」は2010年に「ベスト発明50」に選出。昨夏に河北省を試験走行した際には、中国メディアも「我が国が自主開発した世界初の車両」「神の乗り物」ともてはやした。
だが車体の重量が大きく、方向転換が難しいなど実現を疑問視する声も上がっていた。同時にこのプロジェクトを巡り、違法な資金集めがあるとの疑惑も浮上。出資者が返金を求める訴えも起きていた。容疑の具体的な中身は不明だが、運営会社のトップが逮捕されたことで、計画自体も白紙となるようだ。