「全部タダにする」と約束して当選したマムダニNY市長が、就任からわずか数ヶ月で120億ドル(約1.8兆円)の財政赤字を「発見」し、州政府に泣きついています。
ここで押さえておくべき事実が1つあります。
この赤字は、就任後に突然出てきたものではありません。マムダニ自身の盟友である市会計監査官は、選挙戦のさなかの2025年8月に「FY2026は42億ドルの財政ギャップ」と警告を出していました。独立予算局も、市民予算委員会も、同じ数字を出していました。
つまりマムダニは、この赤字を知っていたか、知ろうとしなかったか、どちらかです。
それでも「無償保育」「家賃補助の大幅拡充」「富裕層増税」を柱にした公約を撤回する意思はない、と就任後に明言しました。財政危機を認識したうえで、さらに支出を積み上げる約束を維持する。これが政治的誠実さと言えるのか、有権者自身が判断すべきです。
「節約だけでは無理、新たな歳入が必要」という主張は間違いではありません。しかし公約で約束した歳出拡大の財源を示さないまま当選し、就任後に「財政危機を発見しました」と語るのは、驚きではなく演技です。
NY市は州歳入の55.6%を負担しながら、受け取るのは41.7%にとどまる。この不均衡は本物の問題です。しかしその問題を解決する前に、まず有権者に問うべきことがあったはずです。
「全部タダ」は政策ではなく、先送りのツールでした。