ずっと競い合ってた会社が、未払い出して倒産したんやわ。
そこには何度も煮え湯を飲まされてきたから、社内では「よっしゃ!目の上のたんこぶが消えた!」って、どっと笑い声が上がっとった。
正直、ため息しか出んかったわ。
怒鳴り散らしたろかと思ったけど、グッと堪えて静かに言うたんや。
「…あそこの社長もな、最後まで必死で社員守ろうとして戦った結果がこれやねん。明日は我が身やぞ」
シーンとなった空気の中で、続けてやったわ。
「同じ業界で命削って戦っとった相手の死体に鞭打つような真似はすな。最低限のリスペクトくらい持とうや」
何度も潰れそうになったから分かるが、
相手の社長がどれだけのプレッシャーの中で踏ん張っとったか考えたら、とてもやないけど笑えん。
甘いって言われるかもしれん。
けどな、勝った時ほど「品格」が問われるんや。
黙って手を合わせるくらいの器量は持っとかなアカンで。