ずさんな行政運営の実態が次々と発覚し、昨年6月に閉鎖された沖縄県の米ワシントン事務所を巡る問題を追及する県議会の調査特別委員会(百条委)は7日、参考人として米国のダニエル・クラカワー弁護士からオンラインで意見聴取した。県が業務委託した米コンサルティング会社のワシントンコア社が米国の法律事務所に業務を再委託した問題ついて、クラカワー氏は「再委託ではない。直接、県と契約していた」と証言した。
営業実態のない株式会社として事業者登録されていた「ワシントンDCオフィス」社の設立を巡っては、初代事務所長の平安山(へんざん)英雄氏が百条委で「株式会社との認識は一切なく、特殊法人という認識だ」と述べる一方、2代目所長の運天修氏は「地方自治法と整合性を取るならワシントン事務所は置けない」「非常に黒に近いようなグレーだ」との見方を示している。
意見聴取は7日午前7時(日本時間)から通訳を介し、オンライン形式で行われた。クラカワー氏は「ワシントンDCオフィス社の設立は(翁長雄志・前)知事が決定し、知事から平安山氏に伝えられたと思う」と証言。設立時の法人形態として「C corporation」(普通法人)や「S corporation」(小規模法人)、非営利団体などが検討されたが、最終的には普通法人が選択されたと振り返った。
県は平安山氏に署名する権限を与えていないとしているが、この日の百条委で、平安山氏が県を代表する正当な権限を有していたか認識を問われたクラカワー氏は「権限を有していたと思う」と回答。「定款は私が署名したが、業務委託契約書や設立にかかる書類は平安山氏が署名した」と証言した。
弁護士らでつくる県の調査検証委員会は昨年3月、ワシントンDCオフィス社の設立手続きに重大な瑕疵(かし)があり、「十分な日本法や米国法の調査を怠ったまま拙速に進められたとの印象を拭えない」と指摘していた。
百条委は13日午後、玉城デニー知事を証人尋問する方針。
百条委は地方自治法100条に基づき、強制的調査権が与えられた調査特別委員会で、疑惑や不正が発生し通常の審議では究明が困難な場合などに設置される。一般の委員会より強い権限を持ち、正当な理由がないのに証人としての出頭拒否や資料提出拒否、虚偽証言をすれば、拘禁刑や罰金刑が科せられる。ただ、参考人として招致された場合は罰則はない。(大竹直樹)