ウォーレン・バフェット氏の語録のなかには、その内容が驚くほどシンプルで、当たり前すぎるように感じるものも多いです。
95歳にして、いまだに若々しいバフェット氏は、史上最大級の成功を収めた自らのキャリアを築く中で得た知見を、アドバイスとして発信してきました。
言葉こそシンプルですが、これらの名言を耳にすると、核心を突いていると感じ「どうして自分はこれを実行に移してこなかったのだろう?」と自問自答するはずです。
ゆっくり時間をとって、バフェット氏の知恵に満ちた言葉をじっくり読み込むようにすれば、同氏の掲げる原理原則は、リーダーとしてのあり方や仕事のやり方、人生で際立った成功を収めるための方法を考え直すきっかけになるはずです。
とはいえ、難しいのは、バフェット氏が説いたことをきちんとやり抜くこと。バフェット氏の発言の中でも、とりわけ実行に移す価値がある6つの金言を以下にご紹介しましょう。
1. 「自分の足かせとなっている習慣」を捨てよ
大半の人は「何が自分の足かせになっているのか」について、よくわかっているもの。バフェット氏は、この事実にズバリ切り込んでいます。
バフェット氏はかつて、MBAプログラムに通う学生向けのスピーチで、このように語りかけたことがあります。
そうした自己破壊的な行動パターンを持つ人を見かけます。
(中略)
彼らは文字通り、このパターンの罠にはまり込んでいるのです
バフェット氏の伝えるメッセージはシンプル。
より良い習慣を早いうちに構築するべき――なぜなら時間が経てば経つほど、こうした習慣をつくるのは難しくなるから、ということです。
先ほど紹介したスピーチで、同氏はこうも述べています。
習慣という“鎖”は当初、あまりに軽くてその重みを実感できませんが、気がついた時には、断ち切ることができないほど重くなっているものです
これは、リーダーが肝に銘じておくべき基本中の基本です。
上司が自分に甘いと、その行動を見た部下は、上司以上に自分に厳しくしようとは思わないものだからです。
2. 重要なものをリスクにさらさない
バフェット氏は、先ほど紹介したスピーチにおいて「リーダーや企業が、強欲さや性急さから大きな成功を追いかけて自滅してしまうケースを数え切れないほど見てきた」と語っています。
バフェット氏の掲げる基準はストレートです。
自分にとって重要なものを、重要でないもののためにリスクにさらすことは、まったく理にかなっていません
知性が欠けているからではなく、大きな視野を失うゆえに、困った状況に陥る場合がしばしばあるのです。
3. 「正しい行動をする人たち」の中に身を置くべし
バフェット氏は前述のスピーチの中で、学生たちに対して「この人なら長期的に成功を収めるに違いない」と思うクラスメートを選ぶよう促しました。
バフェット氏が考える、学生たちが見定めるべき特質とは、正直さ・謙虚さ・寛大さです。
「気前が良く、正直で、自分のアイデアについても『これを考えついたのは他の人のおかげです』と言える人物だ」と、同氏は述べています。
嘘つきやナルシシストが目立つ時代に、正直であることは競争上の優位になります。人は、信頼の置けるリーダーに従うものだからです。
4. 秀でている道に留まれ
バフェット氏はかつて、IBMの初代社長を務めたトーマス・ワトソン・シニアのこんな言葉を引用したことがありました。
私は天才ではない。だが、ところどころ得意な分野があって、そうした分野に留まることにしている
リーダーは、自身が強みを発揮できるところからあまりに離れてしまうと、窮地に立たされるもの。自身が秀でている道を知り、そこからキャリアを構築するべきです。
選んだ道からはみ出ているものについては、ほかの人に任せましょう。
得意分野に集中することで、その分野に習熟し、誇らしく思えるキャリアを構築できるはずです。
5. 心から好きだと思えるキャリアを構築せよ
心から好きだと思えるキャリアを構築せよ
これは、あまりに当たり前すぎるように感じられる言葉かもしれません。しかし何十年もの間、大半の人はこのことを無視してきました。
バフェット氏はこのように述べています。
ビジネスの世界でもっとも大きな成功を収めているのは、心から好きなことを仕事にしている人たちです
しかし、安定した給料を得られるというだけの理由で、気力を奪うような仕事にしがみつくリーダーがあまりにも多いのが現状です。
一方、やる気がみなぎってくるような仕事をしている時には、創造性やレジリエンス、実績に至るまで、すべてのことが上向きになるはずです。
6. 「自分をレベルアップさせてくれる人」を選んで付き合う
バフェット氏は、自らが率いるバークシャー・ハサウェイの2004年の年次株主総会で、14歳の株主からの質問にこう回答しました。
自分より優秀な人たちと付き合うと良いでしょう。仲間の中で、日ごろのふるまいが自分より良い人を選ぶようにすれば、あなた自身も自然とそちらの方向に流れていくはずです
これは、リーダーシップにまつわる真理の中でも、もっとも過小評価されているものの1つです。
私たちは、周囲にいる人たちの基準を吸収しているもの。成長したいのなら、自分を押し上げてくれるリーダーたちの中に身を置くようにしましょう。
成功の周りにある神秘のベールを剥ぎ取ってみると、バフェット氏が伝授する秘訣は「成功するために複雑なことや壮大なことをする必要はない」と改めてはっきりと教えてくれます。
成功は、習慣や周囲の人との関係、集中、正直さなど、小さいけれど確実な選択を重ねたうえに築き上げられるものです。
真剣に受け止めて取り組めば、これらのすべてが、状況を一変させる力を持っています。
この6箇条を改めて見直してください。そして、どれか1つを選び、さっそく今日から実行に移しましょう。
そうした行動こそがあなたに、そしてあなたが率いる部下たちに、本当の変化をもたらすのです。
著者紹介:Marcel Schwantes
「人間中心のリーダーシップ」と「サーバント・リーダーシップ」を専門とする、スピーカー、著者、エグゼクティブ・コーチ。リーダーシップ研修企業の創設者であり、Inc.誌などへの寄稿や、ポッドキャスト「Love in Action」のホストとしても知られています。
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